哲学者だぞえ! ソクラテス!!


作成者:猫まっしぐら

登場人物
ソクラテス(♂):かの有名なソクラテス。
家庭教師(♂):教え方は悪くないがワンマンなので有名
たけし(♂):小学生。勉強は好きでない。



たけし「先生、できたー」

家庭教師「お、どれどれ……ん、ここ違うじゃないか」

たけし「え? あ、ほんとだ……」

家庭教師「よく見たらやり方も俺の教えたやり方じゃないな。何度言ったらわかるんだ」

たけし「でも……先生のやり方だとこの問題やりづらいし……」

家庭教師「何だと? この問題はな、このやり方でやるのが一番速くて合理的なんだ! 先生のやり方が正しいんだからこのやり方でやりなさい」

ソクラテス「待つのだ」

家庭教師「!?」

たけし「お、おじさんだれ?」

ソクラテス「私の名はソクラテス。真理を追究するもの……」

家庭教師「ソクラテス!? 何言ってんだあんた、ただのジイサンじゃねえか。どこから入ってきた?」

ソクラテス「欺瞞に溢れた現代社会を憂いてな……いてもたってもいられなくなったのだ」

家庭教師「だったら出身のギリシャ行けよ」

ソクラテス「…………」

家庭教師「そこで黙るなよ!」

ソクラテス「お前はさも全てを知っているかのように言う。私が今からお前に問答をしよう」

家庭教師「無視かよ……いいだろう」

ソクラテス「では……そうだな、1+1は?」

家庭教師「…………2」

ソクラテス「では、1+1は何故2になる?」

家庭教師「は? ……そんなの、それが答えだからだろ」

ソクラテス「そこで終わってしまっては、知というものは生まれない。好奇心、探究心こそが人生をより豊かにするのだ。……1+1が何故2になるのか、汝に証明できるか?」

家庭教師「…………わ、わから、ない」

ソクラテス「それみろ。数学という学問においてそれを証明することは、存外に難しいものだ。当たり前だと思ってわかったつもりでいることが何よりも難しい、ということもあるのだ」

家庭教師「ぐ、じゃ、じゃあアンタはわかるのかよ!」

ソクラテス「私にも、わからない」

家庭教師「殴るぞジイサン?」

たけし「(すごいおじいちゃんだ……)」

ソクラテス「私の言葉が信じられぬというのなら、お前も私に問答をしてみるといい。……遠慮はいらぬ」

家庭教師「……じゃあ、2010年テレビゲームソフト売り上げランキングの上位5位を答えてみろよ。はっ、じいさんにはどうせそんなもんわかんないだろ? 本物のソクラテスだって、わかるはずもない」



ソクラテス「1位、ポケットモンスター ブラック・ホワイト、機種DS。2位、NewスーパーマリオブラザーズWii、機種Wii。3位、ドラゴンクエストVI 幻の大地、機種DS。4位、ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2、機種DS。5位、トモダチコレクション、機種DS。上位陣を任天堂社とスクウェア・エニックス社で占めることとなった。1位のポケットモンスター ブラック・ホワイトは売り上げが現在263万7285本であるが、その半数以上が予約の段階ですでに超えていたという事実が興味深い。また、このタイトルは上位5タイトルの中で最も遅く発売されたのにも関わらず売り上げ本数2位の146万8327本と大差をつけていることから、その人気ぶりがうかがえる」



家庭教師「きめぇえええぇえぇぇえええ!!」

ソクラテス「……ちなみに、私はホワイトを買った」

家庭教師「聞いてねーよ! ってか買ってんじゃねーよ!!」

たけし「あ、僕ブラック買ったよー」

家庭教師「だから聞いてねーって言ってんだろ!!」

ソクラテス「わかったか。汝は知ったつもりになっているようで、実際は何も知らないのだ。……己の『無知の知』を知るがいい」

家庭教師「ぐ……うっ……」

ソクラテス「ゆめゆめ慢心するなよ。……ではさらばだ」

家庭教師「くっ、こ、の……」

家庭教師「なんだったんだチクショー!!!!」




【後書き】
とりあえずソクラテスに謝ろうと思う。うん、ごめん。ソクラテスは威厳ある感じの自信タップリで読んでみてください。後は自由に!