~9月初旬 とある休日 きぬはた荘~
絹旗 「あっち向いて……ホイッ」
ユリコ 「(・ω・ミ」クルッ
絹旗 「はい、これで私の超5連勝です♪」
結標 「暇なのね。人のこと言えないけどさ」
婚后 「」ジー
滝壺 「そういえば、こんごうもペットいるって、前に言ってたよね」
婚后 「え? ええ、今は預けておりますが」
海原 「ユリコさんがこの家に来たとき、そんな話もしてましたね」
滝壺 「寂しくなったりしない?」
婚后 「わたくしが、ですか? それとも預けている子が……」
滝壺 「どっちも」
婚后 「それはもう……身が引き裂かれる思いですし、あの子もきっと……」
絹旗 (なんかすごい悪いことしてる気分になってきました)
ユリコ 「(・ω・)?」
海原 「お会いにはなってるのですか?」
婚后 「学校の帰りや、休日などには顔を見に行ってますわね」
滝壺 「可愛いの?」
婚后 「当然ですわ! 飼い主バカかもしれませんが、世界一だと思っておりますのよ」
結標 「へえ、どんな子なのかしら」
婚后 「そうですわ、もしよろしければ皆さんにも紹介いたしましょうか?」
絹旗 「いいんですか?」
婚后 「ユリコと違って、少々人見知りするかもしれませんが……」
滝壺 「大丈夫だよ、遠くから見るだけでも」
海原 「でもせっかくの機会ですし、触れ合ってみたいですね」
婚后 「肌触りは最高ですのよ♪ それはもうスベスベしていて、見事な鱗ですわ」
結標 (ちょっと待って。ウロコ……?)
絹旗 「みんな予定ないんですよね? では超会いにいきましょうよ」
ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」
婚后 「あ、ユリコはお留守番してたほうが……その、食べられちゃうかも……」
結標 (なに!? なにが出てくるの!?)
婚后 「エカテリーナちゃん……あ、わたくしのペットなのですけれど」
海原 「なんだか高貴な名前ですね」
婚后 「茶化さないでくださいな。それで、あの子はこの学区のホテルに預けてますわ」
滝壺 「よし、行こう」wktk
~第7学区 ペットホテル~
結標 「ね、それなに持ってきたの?」
婚后 「エカテリーナちゃんのおやつですわね」
絹旗 「……生の鶏肉、ですか?」
婚后 「ええ、あの子の大好物ですのよ♪」
滝壺 「えさ、私もあげてみていい?」
婚后 「勿論ですわ。ぜひ仲良くしてあげてくださいな」
海原 「いやいや、どんな可愛い子が出てくるか楽しみですね」
婚后 「では、連れて参りますので。少々お待ちになってください」
結標 (鶏肉が大好物って……肉食系?)
滝壺 「鱗って言ってたけど、なんの動物なんだろうね」
絹旗 「鱗、鶏肉が好物……ティガレックスですか?」
結標 「ゲーム脳ね。そんなのが出てきたら逃げるしかないわ」
海原 「さすがに逃げなきゃいけないような危険生物ではないでしょう」
滝壺 「こんごうが飼ってたんだし、人には慣れてるかもね」
<みなさーん、お待たせいたしました。
絹旗 「おっ、超ご登場ですよ……って」
結標 「そ、その……首にかけてるのって……」
婚后 「紹介しますわね♪ ニシキヘビのエカテリーナちゃんですわ♪」
海原 「おお、見事な大きさですね」
滝壺 「触ってみていい?」
婚后 「どうぞ、ほらエカテリーナちゃん、ご挨拶は?」
エカ 「(゚ロ゚ )フシャァァ」
結標 「ひゃぁぁ!?」ササッ
絹旗 「ちょ!? 結標さん!? 私を盾にしないでください!」
結標 「いや、だって! ヘビ! ヘビ!!」
海原 「大丈夫ですよ、結標さん。ほら、こんなに大人しい」ナデナデ
結標 「うぅ……」gkbr
滝壺 「えさ、食べるかな」
婚后 「あ、そうですわね。どうぞ、滝壺さん」
滝壺 「えかてりーな、ほら、お肉」フリフリ
エカ 「チロチロ」
エカ 「ハムハム」
滝壺 「食べた食べた」
婚后 「あらぁ、よかったですわねぇ、エカテリーナちゃん♪」
海原 「いや、本当におとなしい子ですね」ナデナデ
滝壺 「ほら、きぬはたも」
絹旗 「怖いですぅ! 超怖いですぅ!」
結標 「」グイグイ
絹旗 「結標さん!? 押さないでくださいぃ!」
エカ 「(゚-゚)」クルッ
絹旗 「ひゃ!? 超ダメですぅ! 私は食べても超おいしくないですぅ!!」
エカ 「シュルシュルシュル」
絹旗 「」
婚后 「あら? エカテリーナちゃん?」
滝壺 「きぬはたの肩の上が気に入ったのかな」
婚后 「まあ、珍しい……普段はわたくし以外の人には乗ろうとしませんのに」
海原 「ユリコさんのこともありますし、絹旗さんは動物を引き寄せる何かを持ってるのかもしれませんね」
絹旗 「」
エカ 「♪」
滝壺 「なんだか嬉しそう」
海原 「動物との触れ合いは癒され……おや? 結標さんは?」
<ここにいるわよ。
海原 「? なぜそんな壁際に?」
<……疲れたから、ちょっと寄っかかりたかったの。
絹旗 「」
滝壺 「連れて帰らなくていいの?」
婚后 「んー……ミサワさんに紹介がまだですし」
海原 「家で改めて紹介という訳には?」
婚后 「ですが……ユリコのことを考えると、慎重になったほうがよさそうですわ」
<そうね、それがいいと思うわ。
婚后 「まあ、ここにいれば割と好きな時間に会えますし」
滝壺 「その時には私も来ていいかな、えかてりーな可愛いし」
婚后 「ええ、是非♪ この子も喜びますわ♪」
海原 「エカテリーナさん、鶏肉のお代わりはいかがですか?」
エカ 「ハムハム」
海原 「いい食べっぷりですね」
<なんで貴方なんともないのよ……
海原 「いや、近くでみるとなんともつぶらな瞳が愛らしいんですよ」
婚后 「海原さんはよくお分かりですわね♪」
絹旗 「」
滝壺 「ねえ、きぬはた、重い? わたしも抱っこ(?)していい?」
絹旗 「」コクコク
滝壺 「どうやって持ち上げればいいのかな」
婚后 「ここらへんをこう抱いてあげれば……はいどうぞ」
滝壺 「あ、ひんやりしてて気持ちいい」
海原 「本当に人に慣れていて大人しいですね」ナデナデ
婚后 「ちょっと大人しくて人見知りするのは玉に瑕ですわね、ユリコぐらい活発だといいのですが」
海原 「ははは、そしたらじゃれ合ってるうちに絞め殺されるかもしれませんね」
エカ 「?」
滝壺 「あれ? きぬはた?」
<なんでしょうか。
婚后 「絹旗さんもお疲れに? そうですわね、そろそろ帰宅いたしましょう」
海原 「おや、もうこんな時間でしたか。夕食の時間を考えると、そろそろ出ませんと」
婚后 「今日はエカテリーナ成分が補充できましたわ♪」ホクホク
<白井さんみたいなこと言うのね。
海原 「エカテリーナさん、またいずれ」ナデナデ
滝壺 「鶏肉持ってくるからね」
婚后 「エカテリーナちゃん、皆さんお優しくてよかったですわね♪」
エカ 「フシュルルル」
<超こっちみてます!
海原 「絹旗さんの首が気に入ったんですね」
婚后 「エカテリーナちゃん、おいで。では、預けてきますわね」
――その日の夜、絹旗はユリコが疲れ果てるまでモフモフしてたとか