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とある夜の森の中。
ガサガサと草木を分ける音とそこを必死に駆ける男の荒い息遣いが響いていた。
(もう少し、もう少しで………)
仲間のいるアジトに辿り着く。
背中に感じる底知れない恐怖に時折目だけを向けながら駆けていた。
後はこの先を下るだけ。
男の顔に希望の光が映し出されたその時。


「ざーんねんでした」


突然頭上から聞こえた声に男はまるで金縛りにあったかのように体をこわばらせた。
恐る恐る顔を声のする頭上に向ける。
視線の先には木の枝に立つ面を被った男の姿。
その姿に男は目をぎょっと丸くする。
「なっ……何故お前が此処にっ!?お前は確かに」

「後ろから追って来てたのにって?」

「!!」
今度は後ろから声がして、男は勢いよく後ろを振り向いた。
すると茂みの中から木の上にいるのと全く姿形の同じ面をつけた男が現れた。
そこで漸く男は気が付き、くそっと歯を噛み締めた。
「そ!影分身。これってばオレの得意技なんだ~」
「お前のアジトの場所は既に調査済み。だから先回りも楽々ってやつ。ちなみにアジトには別のヤツが行ってるってばよ。」
頭上と後ろにいる男が交互にしゃべる。
表情は見えないが、声色から余裕に満ちているのがひしひしと感じとられる。
「ちくしょうがっ!!」
頭上の面の男がひらりと舞い降りると、後ろにいた面の男がどろんと消えた。
男はがくりと膝から落ち、地面を叩いた。
「大名の親族を殺した罪は重い。さっさと盗んだ密書を渡せ」
面の男が冷たく言い放つと手を出した。
「くっ………」
追い込まれた男はぐっと地面の土を掴んだ。
そしてゆっくりと懐に手を入れた。
瞬間、がっくりと落としていた顔がにやりと歪む。
「誰がやすやすと殺されるかぁああっ!!」
顔を上げぎょろりと目を見開いた男が懐から取りだした小刀を面の男に投げた。
「!」
小刀は面の男の顔をかすめた。
その隙に素早く男は面の男から逃げ出した。
「ぐがっ!!」
しかし、突然右足に激痛が走り男はばたりと倒れてしまった。
右足を見るとクナイが深々と刺さっていた。
「あーあー、面の紐切れちゃったじゃねーかよ。ついでに顔も切れたし」
後ろからあの声が追い掛けてきた。
男は今度こそ恐怖に縛られ、ガタガタと震えながら声のする先を見た。
暗闇から出てきた面を外した男は、その威圧感からは想像できないような、幼さを残した顔立ちだった。
月を背にした男の髪はキラキラと月と同じ色に輝いている。
「おとなしく密書渡したら、一瞬で殺してやろうって思ってたのに。オレに血を見せたのが運のつきだってばよ」
切れた頬から流れる血を指で拭い、それをペロリと舐めながら面の男が呟いた。
そのとき、男ははっとあることを思い出した。
「その髪の色に狐の面………まっ…まさかお前はあの有名な暗部の忍の『月の修羅』なのか!?」
男の言葉に面の男ははぁ?と鼻で笑った。
「何それ?知らねぇよ。ただお前……楽に死ねると思うなよ?」
暗い笑みを浮かべる目の前の男の瞳が青から紅い色に染まっていく。
「!!!!!!!!」
その瞬間、男の視界は真っ赤に染まった。


「終わったか……これはまた派手にやったな」
「密書、血でベトベトになっちゃったってばよ」
面を被った黒髪の男に身体中真っ赤な返り血を浴びた金髪の男があっけらかんと答えた。
足元に転がる最早原型をとどめていない標的だった男に黒髪の男はいささか同情する。
「……ナルト、何度も言ってるが死体の処理は結構面倒くさいんだぞ。処理班にまた小言聞かされる」
「だってコイツ密書素直に出さないしさー!悪あがきして血は見せるしさー!オレが血ぃ見たらどーなるか、知ってんだろサスケ!」
血みどろの顔をむっと子供のように膨らませるナルトと呼ばれた男。
サスケと呼ばれた黒髪の男はその須方に長い溜め息をついた。
「てかそっち早かったな。複数だったんだろ?」
「幻術かけて一発。オレは血で汚れるのはごめんだ」
「……人のこととやかく言えねぇってばよ、サスケは」
じとっとした目でサスケを見るナルトにサスケはフンとナルトを見やる。
「あーやべぇ。まだもの足りねぇ……」
口許の血をペロリと舐めながら紅く染まった瞳を月に移す。
「任務は終わったしな。その辺の宿で一泊するか」
「……なぁに~サスケちゃん。相手してくれんの?」
サスケの提案に瞳に妖しい光を持たせながら見つめるナルト。
「お前が『そう』なったとき用のオレとのツーマンセルだろ」
淡々と答えるサスケにナルトは満足そうに笑みを浮かべる。その顔はあまりに妖艶なものだった。
「サスケ……退屈させんなよ?」
「誰に言ってやがる。気絶するまで楽しませてやるよ」
視線がぶつかり二人はにやりと笑う。
「まぁ宿より川でその血を落とすのが先だな。行くぞ!」
「おう!」
そして二つの影は森の中に消えていった。
















【あとがき】

ナルト最強暗部設定話。笑
ナルトは暗部で異名を持つ程の有名人。
九尾の力はコントロールできてるけど、血を見ると九尾パワーが制御できなくなって若干興奮・暴走する。
うっかり性欲も上がっちゃう困ったちゃん。笑
それ対策にナルトの相方は毎回サスケさん。
興奮が収まらない場合、サスケが相手をします笑
周りはその辺暗黙の了解で。

しりとり部屋に描いた『お誘い半九尾化ナルト』からの妄想話。
純粋ナルトもいいけど、小悪魔ナルトもいいかなーなんて。笑





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最終更新:2008年12月12日 20:27