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「3等あたぁりぃ~!!」

カランカランというベルと共に商店街のおっちゃんが大声で叫んだ。
「へ?」
ナルトは唖然とした顔でおっちゃんを見る。
「だから、兄ちゃん3等が当たったんだよ!3等は今度の土曜に隣町である映画試写会のペアチケット!恋愛モノみたいだぞ~兄ちゃん、好きな子とでも行きな!!」
はっはっはと笑いながらおっちゃんはナルトの背中を叩き、チケットを渡した。
どうやら自分は、商店街で買い物してもらった引換券で福引したらチケットが当たってしまったらしい。
帰り道、チケットを眺めながら歩いていると、『好きな子とでも行きな!!』というおっちゃんの顔を思い出した。
(好きな子と行ければ苦労しないってば・・・)
ナルトはため息をついた。
ナルトの年頃だ。好きな子はいる。しかし、その相手が問題だ。
アクションものやSFものならまだ誘えるが、よりによって恋愛モノ。
サクラちゃんにでもあげようかな・・・とぼーっと考えていると、

「ナルト」

と後ろから呼ばれた。瞬間、心臓が高く跳ねる。あぁ、よりにもよって。

「サスケ」

ナルトは振り返って答えた。
「買い物か?」
「まーな。そっちは部活帰り?大変だな~」
「もうすぐ大会あるしな・・・ん?」
サスケはナルトの持っていた二枚の紙に目をやった。
「なんだそれ?映画のチケットか?」
あっと思ったがもう遅い。本当よりにもよってなんでサスケに会ってしまうんだ。
「あー、なんか福引したら当たってさ。今度の土曜日の試写会のチケットなんだって。」
ナルトはぴらりとチケットを見せた。サスケをそれを手にとって眺める。
まじまじと眺めるサスケにナルトはこいつ、恋愛映画なんかに興味あるのか、などと思っていた。
「午後2時からか・・・」とサスケはつぶやいた。
「お前は行くのか?」
急にナルトを見てサスケは言った。
「えっ?まぁその日は別に暇っちゃ暇だけど・・・」
不思議そうにナルトは答えた。
あ、もしかして「てめぇこんなの一緒に観に行くヤツいるのかよ」などと馬鹿にされるのだろうか。こいつならありえる。あぁなんて普通に答えてしまったのか、素直なオレのバカ!!なんて思っていると、
「これ、オレも行っていいか?」
「え!!??」
危うくナルトは持っていた買い物袋を落としそうになった。
なんとも予想外なお返事。まさかまさかサスケさん、さすがのナルト様も考え付かなかったってばよ。
「でも・・・これ、恋愛モノだぞ?」
とりあえず、確認するようにナルトは言う。
「これの原作者の本を読んだことあるんだが、結構面白かった。恋愛モノも書いてるとは思わなかったけど、この作者は人間の心理描写がなかなか面白いしな。見てみたい。」
サスケはナルトと違って、よく本も読む。文庫本を片手に読む姿を見て女の子達はキャーキャー騒ぐのだ。
そうなんだ、と思いつつ「じゃあ、2枚ともやろっか?」とナルトは言った。
「は?2枚もいらねぇよ。お前も暇なんだろ。ちょうど2枚あるし、一緒に行けばいいだろうが。」
「ええええええええええええええ!!!!!????」
今度こそナルトは買い物袋を落とした。卵買ってなくてよかった、とナルトは思った。
「おまっ・・・これ、恋愛映画だぞ!!??」落とした買い物袋を拾いつつナルトは言った。
「だからなんだよ。」
あっけらかんとサスケは言う。こいつは頭はいいけどその分何かが足りないのかも、とナルトは思った。
「嫌なのか?」
眉をひそめてサスケが言う。
「別に・・・嫌じゃねぇけど・・・」
「じゃあ決定な。この日はオレ午前中部活だから、1時に駅前集合で。遅れんじゃねーぞ。」
そういってチケット1枚をナルトに返した。

サスケと別れた後、残った1枚のチケットを見てナルトはまたため息をついた。
あいつはそんな風にはこれっぽっちも思ってねーけど、これってば、これってば・・・

デートみてぇじゃん・・・

そう思った瞬間、ナルトの顔はボッと赤くなった。








2に続く
最終更新:2009年02月16日 22:54