著:2スレ目372殿(=4スレ目>>311殿)
1
元亀三年、上洛を目指したとされる武田軍と、徳川・織田軍は三方ヶ原で衝突した。
合戦は武田の圧勝に終わり、武田家の諸将は本陣において勝利に酔いしれた。
(’ー’*) 昌信「ふむ、こちらより一万余も兵が少ないというのに徳川は力戦していましたね」
(`・ω・´) 昌景「それに比べ織田の援軍は逃げ帰った者までいたそうじゃ」
( ^ω^)昌豊「所詮織田は弱兵。 お館様の軍略と甲斐の強兵を備えた我らに敵うはずもないお」
にたにたと笑う彼らの元へ四将の長老がやってきた。
彡`Д´ミ 信春「只今戻りましてございます」
ミ(´∀` (彡ゝ信玄「おお、美濃。 大物見御苦労であった」
信玄は、自分が“太郎”と幼名で呼ばれていた時から奉公してくれた老将に労いの言葉をかけた。
(`・ω・´) 「で、どうでしたかな」
彡`Д´ミ「徳川の戦意は負けて尚盛んじゃ。 城に篝火を灯し、将兵の帰着を待っているようじゃな」
( ^ω^)「大胆なもんだお」
ミ(´∀` (彡ゝ「兵法の常ではここは城攻めに移る所だが……」
(’ー’*) 「私はおすすめいたしませんな」
ミ(´∀` (彡ゝ「窮鼠、猫を……ということもあるか」
2
軍議は終わり、後は雑談となった。不意に昌景が戯れ言であるが、と前置いて持ちかけた。
(`・ω・´) 「徳川の将はいずれもすぐれた者ばかりじゃが……」
(`・ω・´)「仮に徳川が我らに降ったとして、みなは誰を配下にしてみたいかな」
( ^ω^)「やはり本多平八郎だお!」
(`・ω・´)「荷駄隊に本多平八郎を組み込んでどうする!」
(; ^ω^)「おっおー! ひどいお!」
(`・ω・´)「あの智勇備えた将に赤備えを纏わせてみたいのう」
(’ー’*)「榊原小平太なる者は姉川にて見事なる軍功があったとか」
各々が意見を交わす中、信春はひとり思案顔で黙り込んでいた。
彡`Д´ミ「……」
(`・ω・´)「美濃殿、どうなされた」
彡`Д´ミ「……いや、なに」
( ^ω^)「美濃殿の意見も聞きたいお!」
(’ー’*)「美濃殿の好みそうな将は……徳川家臣筆頭の酒井忠次ですかな」
彡`Д´ミ「残念ながら違うな」
ミ(´∀` (彡ゝ「美濃、申してみよ」
彡`Д´ミ「されば……」
3
彡`Д´ミ「わしは、鳥居彦右衛門なる男に興味を抱いておりまする」
一座は一瞬沈黙した。
(’ー’*)「たしか鳥居彦右衛門……元忠でしたか」
(`・ω・´)「家康の旗本先手役のひとりじゃな」
( ^ω^)「おっおっ、地味な奴だお」
(;`・ω・´)(’ー’;)「(……お前が言うな)」
(`・ω・´)「しかし何故その者を?」
彡`Д´ミ「……分らん、己でも分らんのじゃが何かこう、……惹かれるものがあるんじゃ」
馬場信春と鳥居元忠、この二人は奇妙な縁で結ばれることとなる。
最終更新:2009年12月15日 22:03