著:5スレ目163殿
1
永禄九(一五六六)年九月、上州に進出した武田信玄は箕輪城を攻略。
そして諸将の待ち望んだ論功行賞の場となった。
ミ《,M,,》シ
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ミ(´∀` (彡 信玄「皆良く働いてくれた。 さて、上州の抑えとして箕輪城代を……」
一座が固唾を飲んで信玄の言葉を待つ。
信玄はわざと“溜め”を作り、一座を見渡した。悪戯心が多少はある。
彡`Д´ミ信春 (わしでも構わんが、箕輪城は改修の余地があるな)
(`・ω・´)昌景 (兄者……、赤備えの軍功は誰にも負けておりませぬ)
( ^ω^)工藤源左衛門 (……ここは三郎兵衛だろうお)
先年の虎昌謀反の際、昌景の進退は見事であった。
その際、虎昌の赤備えを授けられた。今度の戦でも軍功を立てている。
ミ(´∀` (彡 「……工藤源左衛門に命じる! それに加え、三百騎を任そう」
(;^ω^)「おおおっ!?」
一座が源左衛門を見つめた。源左衛門自身も驚きを隠せない。
ミ(´∀` (彡 「箕輪城代、しかと務めよ。 ああ、それと名家の姓も継がせてやろう」
(;^ω^) 「ははーっ! 有難き幸せ!」
(`・ω・´)「よかったな! 源左!」
(;^ω^)「……」
2
翌日、昌景と源左衛門は二人で馬を並べ、城下を巡回していた。
( ^ω^)「すまないお、三郎兵衛……」
(`・ω・´)「何がだ、源左」
( ^ω^)「虎昌殿の事があったというのに、三郎兵衛より先に出世した事だお……」
(`・ω・´)「何だそんな事か! お主と言うやつは」
昌景は源左衛門の杞憂を笑い飛ばした。
(`・ω・´)「よいか。 昔、甲斐を出て放浪し、この近辺を知っているお主は城代に最適だな?」
( ^ω^)「まぁ、少しは」
(`・ω・´)「わしの方はついこの前、兄を訴え出たばかり。 謀反の罪を得た兄に、お館様は腹を切らせてくれた……」
謀反は大罪であり、見せしめの処刑をされても仕方がなかった。虎昌への処置は、信玄が虎昌の本心を察していた為だ。
一瞬、昌景が悲しそうな顔をしたのを源左衛門は見逃さなかった。
(`・ω・´)「わしが今城代になったら、自分の出世のために兄を訴え出た男と呼ぶ者もあろう」
( ^ω^)「……」
(`・ω・´)「お館様は深い考え方をなさる。 わしの事なら気にするな」
( ^ω^)「わかったお! これで心置きなく城代を務められるお!」
3
その時、二人の馬前に一匹の野良犬が迷い出てきた。随分と憔悴している。
(U´ω`)「くぅ~ん……」
(`・ω・´)「野犬か。 その犬、お主にやたら似ておるな」
( ^ω^)「……」
源左衛門は馬を降り、その犬を抱き上げる。昌景は源左の馬の手綱も握った。
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( ^ω^)「どうも他人には思えぬ犬だお」
(U´ω`)「くぅ~ん……」
( ^ω^)「この箕輪の地に仁政を敷く。 野犬すらそれがしを慕ってくる事は吉兆だお」
(`・ω・´)「うむ、野犬にしておくままでは危ない。 お主が飼うと良い」
( ^ω^)「そうするお。 よしよし」
(U´ω`)「くぅ~ん」
(`・ω・´) (わしへの心配といい、源左はまことに仁の男よな)
犬を片手で抱いたまま騎上となった源左衛門と昌景は信玄の待つ本陣へ戻った。
最終更新:2010年06月13日 19:43