アナザーカブト

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*「影山ぁ…もう一度、兄貴って、呼んでくれよ…!」 |【名前】|アナザーカブト| |【読み方】|あなざーかぶと| |【声/俳優】|徳山秀典| |【登場作品】|[[仮面ライダージオウ]]| |【登場話】|EP37「2006:ネクスト・レベル・カブト」&br()EP38「2019:カブトにえらばれしもの」&br()EP42「2019:ミッシング・ワールド」&br()EP43「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」| |【分類】|[[アナザーライダー]]| |【変身者】|矢車想| |【特色/力】|高速戦闘&br()[[クロックアップ]](仮面ライダー図鑑)| |【モチーフ】|仮面ライダーカブト ライダーフォーム、カブトムシ、鎧、ワームサナギ体、カブトムシの幼虫| **【詳細】 2019年に誕生した矢車想の変身する「仮面ライダーカブト」の力を持つ[[アナザーライダー]]。 クロックアップして超高速で相手を仕留める高速戦闘を得意とし、オリジナルのカブトが持つ必殺技に似たライダーキックを放つ事ができる。 手持ち武器は無し。 マスクドライダーシステムの一つ、カブトゼクターを用いて変身する仮面ライダーカブト ライダーフォームを基礎とし生物的に歪めた姿をしているのは他のアナザーライダーと共通。 アナザーカブト独自のデザイン要素として[[ワーム]]が仮面ライダーカブトに擬態しているかのような姿になっているのが特徴。 全体的にオリジナルのカブトより大柄になっており、[[サナギ体]]のデザインを思わせる「目に手を入れている」要素があり、 赤い全身の装甲の到るところからカブトムシの足の意匠が確認できる。 そして本来カブトゼクターが装着されるはずのベルト部分にあるのは何とカブトムシの幼虫。 アナザーカブト全体が直立させたカブトムシの成虫を裏側から見ているようなシルエットであり、ベルトにあるのは幼虫、さらに頭部にはワームのサナギ体の意匠と、カブトムシに関わる要素が詰め込まれた姿として組み立てられている。 パッと見はまさに「&bold(){地球上に棲むカブトムシに似た能力を持つワーム}(成虫体)」。 変身者はかつてザビーゼクターの資格者であり、その資格を失ってからは[[ホッパーゼクター]]を使って仮面ライダーキックホッパーに変身する矢車想本人。 仮面ライダーギンガが隕石として地球へ飛来したのが発端となったかのように地球には大量の隕石が降り注いでおり、その隕石には[[ワーム]]が多数複数体入り込んで地球に侵入していた。 「渋谷隕石」と呼ばれる隕石が地球に落下し、ワームと呼ばれる地球外生命体の侵略が水面下で行われていたカブト本編の物語がジオウのストーリーに割り込んだかのような展開が進んでいく。 …と思われていたが、実際は違っていた。 1999年に起きた渋谷隕石による災害が、加賀美の認識では既に起きたことであるのに対し、ソウゴ自身はそのことを知らなかったのである(1999年はソウゴが生まれる前なので食い違いに気がついていない模様)。 アナザーカブトに変身している矢車は、ワームが擬態している影山瞬を守るために行動している。 それは騙されたり洗脳されているわけでもなく、矢車自身の意思であり、影山はカブト本編にてネイティブがばらまいたネックレスの効果でワームに変質してしまい、兄である矢車の手で葬られた。 ジオウに登場する影山はワームの擬態に過ぎないが、外見のみならず記憶さえも完璧に複製するワームの性質故に影山本人の意識を持っており、加賀美や矢車に関する知識を持ち合わせ、 ホッパーゼクターを使って仮面ライダーパンチホッパーへの変身さえ可能にしている。 ただ、本編では弟の意志を汲んで自らとどめを刺したにも関わらずに、ワームが擬態した影山を守ろうとしているのは妙ではないか?という意見もあったものの、 矢車はすべてを知りつつ、ただ弟を守るためアナザーライダーの力を行使していた。 ジオウの物語に対して今までにない特殊な関わり方をしているカブト編。 アナザーライダーに変身しつつも、矢車はキックホッパーへの変身能力を失っていないことが判明している。つまり2つのライダーの力を持ち合わせているということになる。 彼をアナザーライダーにしたタイムジャッカーは、直接的な描写は無いものの、EP37冒頭でウールがアナザーカブトウォッチを持っているシーンが有るため、恐らく力を与えたのはウールである可能性が高い。 地球に入り込んだワームと戦う加賀美新、仮面ライダーガタック。 彼の敵として仮面ライダーパンチホッパーに変身する擬態影山と共にガタックと戦っていたらしく、加賀美は両名を倒すため行動していた。 擬態影山は加賀美に狙いを定めており、影山の作戦でソウゴと加賀美をおびき寄せることに成功した矢車はソウゴが伏兵として密かに連れてきていたウォズギンガファイナリーと交戦。 ギンガワクセイフォームを高速移動で翻弄するも、水金地火木土天海エクスプロージョンの夥しい光弾全てを躱しきれず、被弾し変身を解除…と思いきや、 爆炎の中から仮面ライダーキックホッパーに変身した状態で姿を表し、ウォズギンガファイナリーに対しライダージャンプからのライダーキックを叩き込んで目くらましとした上で、弟と加賀美を連れてその場から姿を消した。 ほぼ同時刻、地球に迫る巨大隕石をフォーゼアーマーで粉砕したジオウだったが、その背後にあった超巨大隕石に気づき途方に暮れていた。 そして地上では大気圏離脱手段を持たないゲイツがジオウの行動に希望を託していたのだが、そんな彼の元にボロボロの姿になった矢車想が現れる…… **「今、誰か、俺を笑ったか?」 EP38ではゲイツに呼び止められ川から上がり、今いる影山がワームの擬態なのは承知していること、その上でなお擬態影山を「弟」と呼び守るつもりであること。 そしてどうしようもなくなったら自分の手で、再び「弟」を倒す決意を見せる。 その様子にゲイツはソウゴに向けたかつての己の言葉を思い返していたが、その直後ソウゴからの電話を聞かれ矢車はアナザーカブトに変身しクロックアップでその場から消え去る。 その頃影山は超巨大隕石の破壊を一旦断念して地上に戻ってきていたソウゴ、そしてウォズから隕石を破壊するのに必要なフォーゼライドウォッチと、ギンガミライドウォッチを奪うため、 攫った加賀美を人質にライドウォッチを差し出すよう要求する。 二人があらぬ方向にウォッチを投げそれに影山が気を取られたすきにタカウォッチロイドとコダマスイカアームズの活躍によって加賀美を助け出すことに成功。 しかし加賀美が変身したガタックを現れたアナザーカブトが攻撃。 さらに影山もパンチホッパーに変身してガタックを圧倒、ライダーパンチとライダーキックを模したと思われる炎を呼び起こす強烈なキックによって加賀美を変身解除させ、奪ったウォッチを持った影山と共にその場から撤退した。 隕石破壊の手段を奪い地球を「もっと地獄にしてやるよ」と告げる影山に対し、矢車はただ「お前さえいればそれで良い」と特に興味は無いようで、 地球を滅ぼされたくないウールが時間停止で彼らが奪ったウォッチを取り返して立ち去り、影山は悔しそうに顔を歪めていたが、矢車はごく普通に食事(カブト本編でも食べていた極兄貴塩の令和バージョン)を続けていた。 その後どこかのビルの屋上にて、隕石落下を阻止しようとするゲイツ、ウォズとアナザーカブトとなって戦っていたが、スウォルツ経由でツクヨミが奪われていたフォーゼライドウォッチとギンガミライドウォッチをその場へ持ってくる。 そして加賀美、ソウゴが合流し役者が揃ったところで決戦の火蓋が切っておとされる。 矢車と影山がキックホッパーとパンチホッパーに変身し、ゲイツリバイブ剛烈、ガタックと戦っている間に、フォーゼーアーマーを装着したジオウとウォズギンガファイナリーは宇宙空間へ。 ガタック相手にライダーキック対決で競り負けたキックホッパーはその場でアナザーカブトに変身し、今度は逆にガタックを圧倒しライダーキックで変身解除に追い込む。 だがソウゴから直前でかけられた言葉を胸に、己は戦士であると立ち上がった加賀美の元へ、カブトゼクターが飛来。 カブト本編で話し得なかった、カブトの資格者として加賀美が選ばれる…まさにそれは「カブトにえらばれしもの」。 ライダーフォームにキャストオフした仮面ライダーカブトとアナザーカブトは激しくぶつかり合い、ゲイツリバイブ疾風が必殺技でパンチホッパーを撃破したため、 冷静さを失い、影山の名を叫びながらゲイツに突撃していくが、そこにカブトがライダーキックを叩き込んだことでウォッチが砕け散り撃破された。 隕石を内部から破壊しようとしていたウォズギンガタイヨウフォームだったが熱量が足りず地表落下まで時間が足りない状況だった。 そこをツクヨミの力で隕石の動きが鈍らせたことで、最大出力を発揮したバーニングサンエクスプロージョンが隕石を内部から崩壊させ、トドメにジオウトリニティの放ったライダーキックによって超巨大隕石は完全に砕かれ、 内部のワーム達も全滅し、既の所で大量のワームが地球に来訪するという危機は回避された。 床に這いつくばり、作戦失敗を嘆く影山に対し、矢車は上記のセリフをかけるも、影山は「俺は影山じゃない」と告げ、 「…お前は俺の兄貴なんかじゃない」と言い残し、限界を迎え消滅していった。 地球がどうなろうと、弟を守る選択をした矢車。だが、それは弟から突き放される形で終わりを告げた。 また何もかも失い、その場から立ち去るのに際し、「誰か俺を笑ってくれよ」とつぶやくも、それに対し笑いかけてくれる者は最早存在せず、沈みゆく夕日に向け彼は再び訪れた地獄をさまよい歩くことになった。 「矢車、すまない」と告げたゲイツの言葉は、矢車に届いたのだろうか、何かが伝わったのだろうか。 EP42ではツクヨミを[[アナザービルド]]と共に追い詰め、捕獲しようとする別個体が登場。 [[アナザージオウⅡ]]が能力で作り出したと思われ、EP43におけるアナザーライダー軍団の中にも登場。 [[アナザーファイズ]]、[[アナザー鎧武]]と共に仮面ライダーディケイドに襲いかかるも、ディケイドスラッシュに切り裂かれ爆散した。 **【余談】 仮面ライダーカブトといえば、マスクドフォームとライダーフォーム2種類の姿を切り替えて戦う仮面ライダーであるが、アナザーカブトにはマスクドフォームの要素は見受けられない。 マスクドフォームは鎧をまとった姿であり、アナザーカブトの頭部には和風の鎧兜の意匠が垣間見える上に、 一旦撃破された直後変身シーンをすっ飛ばし爆炎の中キックホッパーが立ち上がるシーンを見れば、アナザーカブトの姿事態がマスクドフォームに相当するという解釈が出来なくもない。 またアナザーカブトはカブトムシを裏側から見たような正面デザインなので、ライダーフォームはカブトムシの裏側(柔らかい腹部などが剥き出し=装甲に覆われていない)、マスクドフォームはカブトムシの表側(甲皮で覆われていて硬い)とみなせば、 アナザーカブトの姿がカブトムシの裏側を意識した姿になっているのも納得がいくだろう。 深読みすればカブトムシを正面から見たメットデザインのカブトに対し、全体図がひっくり返したカブトムシのアナザーライダーは、まさに仮面ライダーカブトの裏側の存在であることを意味しているのかも。 本来ワームは上記にも記したが姿以外に記憶までもコピーする高度な擬態能力を持つ。 その擬態能力を駆使して人間社会に溶け込み、地球人に襲いかかる恐るべき地球外生命体なのだが、アナザーカブトはアナザーライダーの性質ゆえか完全な仮面ライダーカブトの姿になっておらず、 ワームが擬態しているかのような姿ではあるが、逆に考えるとワームの擬態としては不完全な姿である。 そもそもワームのサナギ体のデザインが組み込まれているため、「成虫になりきれていない」=「カブトに擬態しきれていない」と結びつければ、このアナザーカブトの姿はワームの性質とアナザーライダーの性質を両方うまく調和させた上で、 変身者である矢車自身のキャラクターも引っ掛けた見事なデザインとしてまとまっていると言えるだろう。 ザビーゼクターの資格者であり、キックホッパーでもあった矢車は、カブトの独自の立ち位置によるスタンドプレーを受け入れることが出来ずに嫉妬し、そこから転がり落ちてかつての人間性を捨て去ってしまうことになった。 その事も考えると彼がアナザーカブトの変身者となったのは凄まじい皮肉であるとしか言いようがない。 ベルトにあるのは幼虫、顔はサナギ、しかし全体的には成虫…そんなアナザーカブトのデザインは、目まぐるしく立ち位置を変えていった矢車自身の心のかたちを表現しているのかもしれない。 さらに言えば、今回カブトに変身した加賀美は、かつて矢車を見捨てたザビーゼクターに選ばれ、自分からその力を手放し後にガタックの資格者となった。 自分を見放した力に選ばれながらも、その力を自ら手放した男に、巡り巡ってかつて自分が嫉妬した「仮面ライダーカブト」という力同士の激突の末引導を渡されるという構図はこれまた皮肉めいたものを感じる。 ----
*「影山ぁ…もう一度、兄貴って、呼んでくれよ…!」 |【名前】|アナザーカブト| |【読み方】|あなざーかぶと| |【声/俳優】|徳山秀典| |【登場作品】|[[仮面ライダージオウ]]| |【登場話】|EP37「2006:ネクスト・レベル・カブト」&br()EP38「2019:カブトにえらばれしもの」&br()EP42「2019:ミッシング・ワールド」&br()EP43「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」| |【分類】|[[アナザーライダー]]| |【変身者】|矢車想| |【特色/力】|高速戦闘&br()[[クロックアップ]](仮面ライダー図鑑)| |【モチーフ】|[[仮面ライダーカブト]] ライダーフォーム、カブトムシ、鎧、ワームサナギ体、カブトムシの幼虫| **【詳細】 2019年に誕生した矢車想の変身する「仮面ライダーカブト」の力を持つ[[アナザーライダー]]。 [[クロックアップ]]して超高速で相手を仕留める高速戦闘を得意とし、[[オリジナル]]のカブトが持つ必殺技に似たライダーキックを放つ事ができる。 手持ち武器は無し。 [[マスクドライダーシステム]]の一つ、カブトゼクターを用いて変身する仮面ライダーカブト ライダーフォームを基礎とし生物的に歪めた姿をしているのは他のアナザーライダーと共通。 アナザーカブト独自のデザイン要素として[[ワーム]]が仮面ライダーカブトに擬態しているかのような姿になっているのが特徴。 全体的にオリジナルのカブトより大柄になっており、[[サナギ体]]のデザインを思わせる「目に手を入れている」要素があり、 赤い全身の装甲の到るところからカブトムシの足の意匠が確認できる。 そして本来カブトゼクターが装着されるはずのベルト部分にあるのは何とカブトムシの幼虫。 アナザーカブト全体が直立させたカブトムシの成虫を裏側から見ているようなシルエットであり、ベルトにあるのは幼虫、さらに頭部にはワームのサナギ体の意匠と、カブトムシに関わる要素が詰め込まれた姿として組み立てられている。 パッと見はまさに「&bold(){地球上に棲むカブトムシに似た能力を持つワーム}(成虫体)」。 変身者はかつて[[ザビーゼクター]]の資格者であり、その資格を失ってからは[[ホッパーゼクター]]を使って[[仮面ライダーキックホッパー]]に変身する矢車想本人。 [[仮面ライダーギンガ]]が隕石として地球へ飛来したのが発端となったかのように地球には大量の隕石が降り注いでおり、その隕石には[[ワーム]]が多数複数体入り込んで地球に侵入していた。 「渋谷隕石」と呼ばれる隕石が地球に落下し、ワームと呼ばれる地球外生命体の侵略が水面下で行われていたカブト本編の物語がジオウのストーリーに割り込んだかのような展開が進んでいく。 …と思われていたが、実際は違っていた。 1999年に起きた渋谷隕石による災害が、加賀美の認識では既に起きたことであるのに対し、ソウゴ自身はそのことを知らなかったのである(1999年はソウゴが生まれる前なので食い違いに気がついていない模様)。 アナザーカブトに変身している矢車は、ワームが擬態している影山瞬を守るために行動している。 それは騙されたり洗脳されているわけでもなく、矢車自身の意思であり、影山はカブト本編にて[[ネイティブ]]がばらまいたネックレスの効果でワームに変質してしまい、兄である矢車の手で葬られた。 ジオウに登場する影山はワームの擬態に過ぎないが、外見のみならず記憶さえも完璧に複製するワームの性質故に影山本人の意識を持っており、加賀美や矢車に関する知識を持ち合わせ、 ホッパーゼクターを使って[[仮面ライダーパンチホッパー]]への変身さえ可能にしている。 ただ、本編では弟の意志を汲んで自らとどめを刺したにも関わらずに、ワームが擬態した影山を守ろうとしているのは妙ではないか?という意見もあったものの、 矢車はすべてを知りつつ、ただ弟を守るためアナザーライダーの力を行使していた。 ジオウの物語に対して今までにない特殊な関わり方をしているカブト編。 アナザーライダーに変身しつつも、矢車はキックホッパーへの変身能力を失っていないことが判明している。つまり2つのライダーの力を持ち合わせているということになる。 彼をアナザーライダーにした[[タイムジャッカー]]は、直接的な描写は無いものの、EP37冒頭で[[ウール]]がアナザーカブトウォッチを持っているシーンが有るため、恐らく力を与えたのはウールである可能性が高い。 地球に入り込んだワームと戦う加賀美新、仮面ライダーガタック。 彼の敵として仮面ライダーパンチホッパーに変身する擬態影山と共にガタックと戦っていたらしく、加賀美は両名を倒すため行動していた。 擬態影山は加賀美に狙いを定めており、影山の作戦でソウゴと加賀美をおびき寄せることに成功した矢車はソウゴが伏兵として密かに連れてきていたウォズギンガファイナリーと交戦。 ギンガワクセイフォームを高速移動で翻弄するも、水金地火木土天海エクスプロージョンの夥しい光弾全てを躱しきれず、被弾し変身を解除…と思いきや、 爆炎の中から仮面ライダーキックホッパーに変身した状態で姿を表し、ウォズギンガファイナリーに対しライダージャンプからのライダーキックを叩き込んで目くらましとした上で、弟と加賀美を連れてその場から姿を消した。 ほぼ同時刻、地球に迫る巨大隕石をフォーゼアーマーで粉砕したジオウだったが、その背後にあった超巨大隕石に気づき途方に暮れていた。 そして地上では大気圏離脱手段を持たないゲイツがジオウの行動に希望を託していたのだが、そんな彼の元にボロボロの姿になった矢車想が現れる…… **「今、誰か、俺を笑ったか?」 EP38ではゲイツに呼び止められ川から上がり、今いる影山がワームの擬態なのは承知していること、その上でなお擬態影山を「弟」と呼び守るつもりであること。 そしてどうしようもなくなったら自分の手で、再び「弟」を倒す決意を見せる。 その様子にゲイツはソウゴに向けたかつての己の言葉を思い返していたが、その直後ソウゴからの電話を聞かれ矢車はアナザーカブトに変身しクロックアップでその場から消え去る。 その頃影山は超巨大隕石の破壊を一旦断念して地上に戻ってきていたソウゴ、そしてウォズから隕石を破壊するのに必要なフォーゼライドウォッチと、ギンガミライドウォッチを奪うため、 攫った加賀美を人質に[[ライドウォッチ]]を差し出すよう要求する。 二人があらぬ方向にウォッチを投げそれに影山が気を取られたすきにタカウォッチロイドとコダマスイカアームズの活躍によって加賀美を助け出すことに成功。 しかし加賀美が変身したガタックを現れたアナザーカブトが攻撃。 さらに影山もパンチホッパーに変身してガタックを圧倒、ライダーパンチとライダーキックを模したと思われる炎を呼び起こす強烈なキックによって加賀美を変身解除させ、奪ったウォッチを持った影山と共にその場から撤退した。 隕石破壊の手段を奪い地球を「もっと地獄にしてやるよ」と告げる影山に対し、矢車はただ「お前さえいればそれで良い」と特に興味は無いようで、 地球を滅ぼされたくないウールが時間停止で彼らが奪ったウォッチを取り返して立ち去り、影山は悔しそうに顔を歪めていたが、矢車はごく普通に食事(カブト本編でも食べていた極兄貴塩の令和バージョン)を続けていた。 その後どこかのビルの屋上にて、隕石落下を阻止しようとするゲイツ、ウォズとアナザーカブトとなって戦っていたが、[[スウォルツ]]経由でツクヨミが奪われていたフォーゼライドウォッチとギンガミライドウォッチをその場へ持ってくる。 そして加賀美、ソウゴが合流し役者が揃ったところで決戦の火蓋が切っておとされる。 矢車と影山がキックホッパーとパンチホッパーに変身し、ゲイツリバイブ剛烈、ガタックと戦っている間に、フォーゼーアーマーを装着したジオウとウォズギンガファイナリーは宇宙空間へ。 ガタック相手にライダーキック対決で競り負けたキックホッパーはその場でアナザーカブトに変身し、今度は逆にガタックを圧倒しライダーキックで変身解除に追い込む。 だがソウゴから直前でかけられた言葉を胸に、己は戦士であると立ち上がった加賀美の元へ、カブトゼクターが飛来。 カブト本編で話し得なかった、カブトの資格者として加賀美が選ばれる…まさにそれは「カブトにえらばれしもの」。 ライダーフォームにキャストオフした仮面ライダーカブトとアナザーカブトは激しくぶつかり合い、ゲイツリバイブ疾風が必殺技でパンチホッパーを撃破したため、 冷静さを失い、影山の名を叫びながらゲイツに突撃していくが、そこにカブトがライダーキックを叩き込んだことでウォッチが砕け散り撃破された。 隕石を内部から破壊しようとしていたウォズギンガタイヨウフォームだったが熱量が足りず地表落下まで時間が足りない状況だった。 そこをツクヨミの力で隕石の動きが鈍らせたことで、最大出力を発揮したバーニングサンエクスプロージョンが隕石を内部から崩壊させ、トドメにジオウトリニティの放ったライダーキックによって超巨大隕石は完全に砕かれ、 内部のワーム達も全滅し、既の所で大量のワームが地球に来訪するという危機は回避された。 床に這いつくばり、作戦失敗を嘆く影山に対し、矢車は上記のセリフをかけるも、影山は「俺は影山じゃない」と告げ、 「…お前は俺の兄貴なんかじゃない」と言い残し、限界を迎え消滅していった。 地球がどうなろうと、弟を守る選択をした矢車。だが、それは弟から突き放される形で終わりを告げた。 また何もかも失い、その場から立ち去るのに際し、「誰か俺を笑ってくれよ」とつぶやくも、それに対し笑いかけてくれる者は最早存在せず、沈みゆく夕日に向け彼は再び訪れた地獄をさまよい歩くことになった。 「矢車、すまない」と告げたゲイツの言葉は、矢車に届いたのだろうか、何かが伝わったのだろうか。 EP42ではツクヨミを[[アナザービルド]]と共に追い詰め、捕獲しようとする別個体が登場。 [[アナザージオウⅡ]]が能力で作り出したと思われ、EP43におけるアナザーライダー軍団の中にも登場。 [[アナザーファイズ]]、[[アナザー鎧武]]と共に[[仮面ライダーディケイド]]に襲いかかるも、ディケイドスラッシュに切り裂かれ爆散した。 **【余談】 仮面ライダーカブトといえば、マスクドフォームとライダーフォーム2種類の姿を切り替えて戦う仮面ライダーであるが、アナザーカブトにはマスクドフォームの要素は見受けられない。 マスクドフォームは鎧をまとった姿であり、アナザーカブトの頭部には和風の鎧兜の意匠が垣間見える上に、 一旦撃破された直後変身シーンをすっ飛ばし爆炎の中キックホッパーが立ち上がるシーンを見れば、アナザーカブトの姿事態がマスクドフォームに相当するという解釈が出来なくもない。 またアナザーカブトはカブトムシを裏側から見たような正面デザインなので、ライダーフォームはカブトムシの裏側(柔らかい腹部などが剥き出し=装甲に覆われていない)、マスクドフォームはカブトムシの表側(甲皮で覆われていて硬い)とみなせば、 アナザーカブトの姿がカブトムシの裏側を意識した姿になっているのも納得がいくだろう。 深読みすればカブトムシを正面から見たメットデザインのカブトに対し、全体図がひっくり返したカブトムシのアナザーライダーは、まさに仮面ライダーカブトの裏側の存在であることを意味しているのかも。 本来ワームは上記にも記したが姿以外に記憶までもコピーする高度な擬態能力を持つ。 その擬態能力を駆使して人間社会に溶け込み、地球人に襲いかかる恐るべき地球外生命体なのだが、アナザーカブトはアナザーライダーの性質ゆえか完全な仮面ライダーカブトの姿になっておらず、 ワームが擬態しているかのような姿ではあるが、逆に考えるとワームの擬態としては不完全な姿である。 そもそもワームのサナギ体のデザインが組み込まれているため、「成虫になりきれていない」=「カブトに擬態しきれていない」と結びつければ、このアナザーカブトの姿はワームの性質とアナザーライダーの性質を両方うまく調和させた上で、 変身者である矢車自身のキャラクターも引っ掛けた見事なデザインとしてまとまっていると言えるだろう。 ザビーゼクターの資格者であり、キックホッパーでもあった矢車は、カブトの独自の立ち位置によるスタンドプレーを受け入れることが出来ずに嫉妬し、そこから転がり落ちてかつての人間性を捨て去ってしまうことになった。 その事も考えると彼がアナザーカブトの変身者となったのは凄まじい皮肉であるとしか言いようがない。 ベルトにあるのは幼虫、顔はサナギ、しかし全体的には成虫…そんなアナザーカブトのデザインは、目まぐるしく立ち位置を変えていった矢車自身の心のかたちを表現しているのかもしれない。 さらに言えば、今回カブトに変身した加賀美は、かつて矢車を見捨てたザビーゼクターに選ばれ、自分からその力を手放し後にガタックの資格者となった。 自分を見放した力に選ばれながらも、その力を自ら手放した男に、巡り巡ってかつて自分が嫉妬した「仮面ライダーカブト」という力同士の激突の末引導を渡されるという構図はこれまた皮肉めいたものを感じる。 ----

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