660 :とても気持のいいFate(二周目) ◆edf0CCxP0Q:2007/11/19(月) 01:58:47
選:このまま中に出す。
「……いっぱい。シェロの、熱い……」
ぐったりと、ルヴィアがベッドに沈み込んだ。その肢体はいまだ震えていて、ほのかに熱っぽく色付いている。蒼いドレスに包まれた背中とは対照的なむき出しの下半身が、特に白いお尻が煽情的だ。思わずその丸みに手を伸ばそうとして、思いとどまって途中でやめた。一度しか出してない俺はまだまだ余力があったけど、ここはがっつくような場面じゃないから。
「ルヴィア、このまま寝るのはまずいぞ」
主に汁とか汁とかで大変な事になるだろうから。ベッドとかドレスとか色々と。そう思って頬をペチペチ叩いてみたところ、だるそうに頭を動かしたルヴィアに手の平を噛まれた。
「……駄目だぞルヴィア。ぺっしなさい、ぺっ。つーか痛い」
「………………くすっ。お返しです」
なんか、意外と元気そうだった。
「大丈夫ですわ。疲れましたけど、まだ寝ません」
言いつつ、ごろんと仰向けになるお嬢様。情事の後の気怠げな仕種はそれはもう色っぽくて視線が釘付けになってしまうんだが、今それ以上に、その、なんだ。スカートが腰までまくられてるから女の子の部分が想いっきり……。
「……私、勉強しましたの。シェロみたいな方をニホンではムッツリスケベというのですってね」
「悪かったな。というか男なら当然なんだよ。だって相手はルヴィアだぞ?」
軽口を叩きながらスカートを直してやろうと手をやって、ふと、秘裂から零れてくる白濁液に気がついた。
「ついでに拭いた方がいいのかな」
「そんなことされようものなら泣きましてよ? 大声で」
「さいですか」
「それよりも、シェロもこちらへいらっしゃいな」
ぽんぽん、と、自分の隣を軽く叩いてルヴィアがいう。放っておくと後で苦労しそうだけど、ま、本人がいいと言うのならいいのだろう。俺は納得してスカートだけ整えてから、ルヴィアの隣に寝転んだ。どうせなら彼女の顔を愛でようと視線をやると、何かを期待する瞳がある。
「腕枕、する?」
こくん、と童女のように頷くルヴィア。お望みのままに腕を差し出すと、子猫が甘えるようにすり寄ってくる。なんか、かわいい。疲れてとろんとした目を嬉しそうに細めて頬擦りして、ご満悦の微笑みを見せた。前々から思っていたんだけどルヴィアって、行為の後は幼児退行してないか? 後頭部をよしよしと撫でながら、そんなことを考えていた。
「甘えんぼだな、ルヴィア」
「私を壊した本人が何を言いますか。全てあなたのせいだというのに」
だから責任を取りなさい、と耳元で嬉しそうに囁かれた。……いや、ルヴィアの猫をひっぺがしたのは主に遠坂の功績だと思うが。機嫌を損ねるのが怖いから言わないけど。
「責任を取るのはいいけどさ」
「いいけど?」
「ルヴィアの方も忠実な執事にご褒美とかくれたりしないのか?」
「どの口で忠実などとおっしゃいますか。……まあ、ほかならぬシェロですし。愛人と退職以外の頼みでしたら大抵のことは叶えて差し上げましてよ?」
「いや、そんな大仰な頼みじゃなくて」
腕の中のルヴィアを抱き締めて、愛らしい耳にそっと耳打ちした。片手でお尻を撫でながら。もちろん頷かれるとは思っていない。ほんの小さな悪戯心だ。もっとルヴィアの表情が見たかっただけ。怒った顔でも、困った顔でも、彼女の顔なら何でもよかった。
それなのに———。
「……もう少し、体力を回復させてからにして下さいませ」
恥ずかしそうに頬を染めるルヴィアゼリッタ。モジモジとお尻を動かしてから、痛くしないでとお願いされた。
……どうやら、許可がでてしまったらしい。
661 :とても気持のいいFate(二周目) ◆edf0CCxP0Q:2007/11/19(月) 02:00:00
/エピローグ
「動いてる、のかな?」
「まだ日はありますもの。分からなくて当然ですわ」
「そっか。お腹もあまり大きくなってないしな」
「ええ。ゆっくり待ちましょう。あなた」
閨の中、ルヴィアのお腹から耳を離した。白いお腹は少しだけ膨れているけれど、決して食べすぎたり太ったりしたわけじゃない。この小さな空間の中、今、一つの新たなる生命が人間になろうと頑張っている。
もちろん、俺とルヴィアの大切な子供。
「名前は、考えてる?」
「ええ、男の子なら、シェロと」
「……君が喜ぶなら何でもいいさ」
「無理しなくて構いませんのよ? あなた」
くすくすと笑う可愛い妻。その唇に優しくキスをして、もう一度ベッドに押し倒す。きゃっ、という悲鳴はもちろん無視だ。俺をからかった仕返しだから。
たぶん、ルヴィアは魔法に辿り着いた。
それは本当に何でもない命の奇跡。
生命を生み出すありふれた神秘。
太古より連綿と続く未来への連鎖。
なにより、愛の営みの最高の報酬。
この広い地球のどこか、そんな答を出した間抜けな魔術師が二人ぐらいいても、神様は許してくれると思うんだけど。
妊娠エンド 了
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最終更新:2008年01月17日 23:36