901 名前: Hearts of Lion ◆4wSURDq66Q [sage] 投稿日: 2007/12/30(日) 02:06:42

侵攻フェイズを終了します。
独立宗教法人柳洞寺のターンが終了しました。
各勢力の行動終了後、次のターンを開始します。

その前に10ターン目に入りましたので、ここまでの経緯を軍記を読む形でリプレイします。

今回のタイトルは『キャスター細腕惨状記』です。

ではしばしの間、過去を読み解いていく事にしましょう。

*********************

軍記と呼ばれる物は往々にして資料的価値の乏しいものと言われています。
そこには他者の憶測や噂、誇張が含まれているからです。
では何の価値もない物かと言うとそうではありません。
軍記に記されているのは『その人物の目で見た戦争』。
貴方がたはその書を通して著者の目から戦争を眺めているのです。

では一時、私の目を通して冬木で起きたという大戦をご覧頂きたい。
例え私と同じ物を見たとしても、そこから得る物までもが同じとは限らないのですから。

×月×日。
かつて世界の富を独占したという英雄王は自らの覇道を突き進まんと各国に宣戦布告。
群雄割拠の只中にあって、それは無謀とも言うべき戦略でした。
軍事力において抜きん出た実力を持つ英雄王の脅威を前に、
彼と深い因縁のある騎士王は遠坂凛を始めとする各国に協力を仰ぎました。
遠坂凛は騎士王と協力関係を築く算段でしたから渡りに船だったのでしょう。
各国も英雄王を危険視していましたから四カ国の利害は完全に一致しました。


破竹の進撃を続けるギルガメッシュ率いるアルスター戦車隊。
対するはセイバー率いるイングランド騎士団とアーチャー率いる穂群原学園・陸上部の連合軍。
両軍は冬木市と深山町を隔てる冬木大橋の上で対峙しました。

緊迫した空気の中、英雄王が宝具“王の財宝”を発動させました。
この時点で陸上部は戦力と呼ぶには貧弱すぎました。
騎士団のみを標的に捉え、彼はその頭数を減らそうとしたのです。
英雄王と騎士王の実力はほぼ五分。
数さえ減らせば自分が優位に立てると踏んだのでしょう。
イングランド騎士団に雨のように降り注ぐ宝具の原型。
しかし、それはアーチャーの“熾天覆う七つの円環”によって阻まれました。
呆然とする英雄王の目に更に驚愕の光景が映ります。
天を貫く光、それはセイバーの宝具“約束された勝利の剣”の発動の証。
掲げられた剣が振り下ろされた瞬間、武勇を誇るアルスター戦車隊も成す術なく光の奔流に飲み込まれました。
立て直しを図る戦車隊に襲い掛かったのはイングランド騎士団と陸上部。
迎え撃とうとする戦車も仲間の残骸が車輪に絡まり思うように動けません。
巨大な馬上槍が枯れ木を踏み折るかの如く戦車を打ち砕いていきます。
もはや冬木大橋での勝負は決していました。

「くっ…! 今はお前が強い」
捨て台詞を残して退却するギルガメッシュを連合軍が追撃します。
しかし如何に進軍速度に優れた連合軍といえど戦車隊とて同じ事。
本拠地である教会に敗残兵の撤退を許してしまいました。
ですがアルスター戦車隊を壊滅させ、残るはウルク歩兵隊を残すのみ。
ここで手を止めて逃す手はないと血気に逸る騎士王は決戦に臨みました。
902 名前: Hearts of Lion ◆4wSURDq66Q [sage] 投稿日: 2007/12/30(日) 02:08:18

相手の指揮官はアイルランド一の英雄と謳われるランサー。
その副官にはカレン・オルテンシアが就いていました。

戦力で劣るウルク歩兵に勝ち目はないと思われた次の瞬間。
ランサーの刺し穿つ死棘の槍がセイバーの胸を貫いたのです。
指揮官が負傷し困惑するイングランド騎士団にウルク歩兵の猛反撃が開始されました。
次々と馬から引き摺り下ろされ剣の餌食となるイングランド騎士団。
ここで臨時に連合軍の指揮権を得たアーチャーは撤退を決意。
被害が拡大する前に迅速に撤退したのです。

あのまま押し切ろうとすれば勝ち目はあったかもしれません。
しかしカレン・オルテンシアの“聖骸布”で“熾天覆う七つの円環”を封じられれば、
“突き穿つ死翔の槍”が両軍を壊滅寸前に追い込むと判っていたのです。
予備戦力まで投入して決戦に勝利した所で得る物はありません。
そんな事をしても喜ぶのは主である赤い少女ではなく、この戦いを傍観している者達です。
そこで一時撤退し、今度は英雄王の拠点であるわくわくざぶーんを叩こうとしたのです。
向こうの疲弊は極まり、本拠地の防衛に専念するしかない状態。
わくわくざぶーんの守りは完全に空洞化していました。

しかし、そこで誰も予想が付かない展開へと発展しました。

謎の独立勢力『グレートキャッツビレッジ』がわくわくざぶーんを占拠したのです。
軍拡に固執するあまり、内政を疎かにした代償だったのでしょう。

これで完全にアーチャーの攻め手は途絶えてしまいました。
独立勢力と戦闘になれば疲弊した軍を英雄王が見逃す筈がありません。
かといって両軍が睨み合った状態でわくわくざぶーんに英雄王が兵を出す訳もなく、
このままの状態が続けば利を得るのは不可思議なネコもどき。
アーチャーからの停戦の要求にギルガメッシュも応じ第一次冬木大戦の幕は下ろされました。

さて自分の領土を侵された英雄王が黙っている筈はありません。
室内プールでリクライニングチェアーに座りフルーティーなジュースを呷るネコアルクに、
再編したアルスター戦車隊を率いるギルガメッシュの怒りが爆発します。
烈火の如く迫る戦車隊に必殺の“真祖ビーム”を浴びせるもその勢いは止まらず。
先割れスプーンで武装したネコ達も次々と戦車隊に轢き殺され瞬く間に壊滅。

「あいるびーばっく!
きっとアチシはまた戻ってくるかもしれないぜ、多分」

最後にそう言い放ちながら敵の首魁であるネコアルクは自慢のジェットで夜空へと消えていきました。
しかし、あれが最後のネコアルクだとは思えません。
きっと第二、第三のネコアルクが我々の街を狙ってくるでしょう。
戦え英雄王! 負けるな英雄王! 冬木の命運は君の両肩に掛かっている!
903 名前: Hearts of Lion ◆4wSURDq66Q [sage] 投稿日: 2007/12/30(日) 02:10:55

さて英雄王の脅威が去った事で、遠坂凛は新たな標的に狙いを絞りました。
それはこの戦争に参加せず戦力を蓄えていた勢力です。 
中でも間桐桜は自分と敵対的な関係にあり柳洞寺を取り入れる動きを見せていました。
ですが下手に兵を動かせば他国に隙を見せる事になるでしょうし、
治安の維持を優先させるセイバーが同盟相手にいる以上、戦争という手段は得策ではありません。
そうして柳洞寺と遠坂凛の間で謀略が繰り広げられたのです。
当初こそ文化部の協力の下に編成した諜報部が活躍するも、
怪文書を陽動に使った遠坂凛の策に嵌まり、諜報部はその行動を著しく制限されました。
諜報戦の重要性を理解した遠坂凛は直ちに独自の諜報組織『氷室探偵団』を結成。
その働きにより柳洞寺を完全に翻弄したのでした。
しかし柳洞寺も外部顧問に黒桐幹也という逸材を加え、情報部の強化を図ります。

その頃、傍観に徹していたイリヤスフィールがイリヤランドの建設に着手。
銀行からの融資や他国からの募金により、その建設を軌道に乗せました。

先の大戦からしばらく経ち、各国がその勢力の拡大に邁進する中、
新たな独立勢力が柳洞寺において旗揚げしました。
喋るシカ・エトを筆頭とした『がくがく動物ランド』です。
これに対抗するのは編成を終えたばかりの竜牙兵部隊。
“蛇を潰すにはまず頭から”の格言に従い、エトが秘技“立体忍者活劇”で佐々木小次郎の命を狙います。
しかし心眼の前では児戯も同然、容易く見透かされてしまいました。
統制の取れぬ獣に対し、機械的に命を刈り取っていく竜牙兵の大軍。
更には山門から雨霰と矢が降り注ぎ、『がくがく動物ランド』は終焉を迎えました。

「見事でちゅ! しかし自分の力で勝ったのではないでちゅ!
その山門のおかげだという事を忘れるなでちゅ!」

凄まじい勢いで参道を駆け下りたエトの背中が夜の闇へと消えていった。
しかし、またいずれ戦力を整えて現れるでしょう。
この流れでいくと次は白兵戦でも仕掛けてくるつもりなのでしょうか?

平穏な状況が続く中、各国は資源の運用に頭を悩ませます。
戦争、研究、外交と費やされる資源には限りがあります。
そこで誰しもが一攫千金の夢を追い求めてしまうもの。
優勝賞金を狙い、各国が鎬を削る学園祭はすぐそこへと迫っていました…!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年12月30日 22:03