654 :371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg:2008/04/24(木) 22:54:49
慎二と別れた後、俺は氷室たちの支度が済むのを待ってから、人形専門店探しに出発した。
「それじゃ、どこから回ろうか」
「とりあえず、新都の方に行ってみる?」
「特殊な専門店を探すなら、商店街よりも新都のほうが可能性が高いだろう」
そうだな……俺も商店街はほぼ毎日のように利用させてもらってるが、人形店があった覚えは無い。
新都は商店街より格段に広いし、そういう店がまだ隠れているかもしれないな。
「よし、じゃあまずはバスに乗って新都へ行くか」
と、言うわけで、向かった先は橋向こうの新都。
バスに乗る際、雛苺と蒔寺が心配だったが、意外にもすんなりと移動することが出来た。
俺たち以外の乗客が少なかったこともあるが、雛苺に関しては、三枝さんが大きめのゆったりとしたバッグを持っていてくれたので助かった。
雛苺をその中に隠したところ、本人も「ハンモックみたい!」とご機嫌で、周囲に怪しまれることも無かった。
蒔寺に至っては……どうですか、解説の氷室さん。
「あの蒔の字が大人しく座席についているとは……。
なあ衛宮、ひょっとしたら彼女はこのまま成長させたほうがいいのではないかな」
氷室、言いたいことは判るが……さりげなく今まで蒔寺が歩んできた人生を全否定するな。
俺の魂的には、今まで歩いてきた道が間違いだったなんて認めるわけにはいかないのだ。
「なーなー、にいちゃん!
これからどこにいくんだー?」
そしてバスから降りた今、蒔寺は俺の左腕の裾を掴んでいたりする。
普段のことを鑑みれば、そうやってこちらと打ち解けてくれると、お兄さんはとっても助かるよ。
でもキミの親御さんは知らない人についてっちゃいけないとは教えなかったのか。
「そうだな、とりあえず順当に考えて、ヴェルデに行くか……」
このバス停からでも見える、向こうの巨大な建物……百貨店ヴェルデ。
内部に色々な店を抱えるあの大型百貨店ならば、人形店の類も見つかるかもしれない。
それに、ヴェルデ周辺は新都で一番活気のある地帯だから、周囲を探すのも有効だろう。
「もしくは、コペンハーゲン方面を探すか……」
ヴェルデとは別方向の道。
そちらに進むと、新都のオフィス街に行き着く。
オフィス街とは言えど、会社員をターゲットにした店舗が数多く店を構えているから、それなりに賑わっている。
俺のバイト先でもあるコペンハーゲンも、そこに名前を連ねる店だ。
……ん、そういえば。
確か、以前バゼットが、コペンハーゲンに就職したとか言ってたな。
それで、もう一人誰か、同期に雇った人がいるとかなんとか……。
今まで忙しくてまだ顔合わせもしてないし、この機会に立ち寄ってみるのもいいかもしれないな。
「あと、あっちに行くと、教会に行く道なんだよな……」
俺の視線の先には、緩やかに傾斜がついた坂道がある。
この先は、カレンが住む教会へ続いている。
……あの時。
水銀燈が倒れているのを見つけたときの衝撃は、忘れられるわけが無い。
あの時は、すぐに水銀燈を連れて戻ってきたが……あの場所で、一体なにが……?
いや、今考えることじゃない、か。
「やっぱり、新都は広いから……どこから探そうか、迷っちゃうね?」
「確かにな。
この面子では、私は比較的こちらの土地勘があるほうだが……」
「うーん、全員で動くのも効率が悪いし……二人ずつくらいで、分かれて探すか」
そうなると、誰が蒔寺の面倒を見るかって問題になるけどな……。
必然的に、蒔寺のいないほうのタッグが捜索の主力になるだろう。
さて、誰と一緒に行動しようか……?
ダブルクロスルール*
第一群か、第二群のどちらかに投票してください。
それぞれ5票で確定とします。
両方に投票した場合は二年間引き篭もりの刑。
なお、選択肢の( )の文章は実際の展開とは異なる場合がございますのでご了承ください。
本文の記述も参考にして、ゆっくりかんがえていってね!!
投票結果
最終更新:2008年08月19日 03:49