145 名前: 仮面ライダールート#3-2 (M8z3Z2VY) [sage] 投稿日: 2004/11/20(土) 21:49
――――適当に誤魔化すか。
と言ってもどうやって?
「衛宮、どうした、難しい顔して?」
「うーん……」
でも嘘は付けない、正義の味方もとい仮面ライダーとして嘘はつけない、嘘がばれた時が怖いとかそういうのではなくて、うん。
となると『嘘は言っていないけど全て語っていない』という状態がベストだろうと衛宮士郎は愚考する。
「うーん………」
「衛宮、おーい、帰ってこーい」
そう言えば、聞いた話だが、人間と言うのはより大きい出来事の前では、他の些細なことを忘れてしまうらしい。
自分が何故気絶してしまったか、という質問を『些細なこと』にする為には――。
「衛宮ー?」
「…………」
――――よし、決めた。
俺は道のど真中で立ち止まると、真面目な顔をして美綴へと向き直る。
「美綴!!」
「あ、ああ……何だ突然、大きな声をだして」
「聞いてくれ、俺は―――」
ゆっくりと息を吸いこみ、
「俺は……実は仮面ライダーなんだッ!!!!」
「―――――――――」
大声で宣言した。
――――周囲の同級生からは奇妙な視線。
――目の前にいる美綴綾子からは冷たい視線。
「…………」
「うん、そう、俺は仮面ライダーなんだよ、うん」
―――メシィッ!!―――
藤ねえのお陰で打撃攻撃には耐性があったが、さすがに鳩尾に正拳突きってのは久々だった。
拳の姿はまったく見えなかったから、きっと音速の壁は越えていたに違いない。
「ったく――寝呆けてるんじゃないか!?」
ハラを押さえて七転八倒する俺を残して、美綴はさっさと歩いていってしまった。
……まあ、これ以外にも解決策はあったのかもしれないが、これで良しとしようじゃないか。
「……痛かったけどな……」
涙目で立ち上がると、俺も学校目指して再び歩き出した。
そして――――。
1.柳洞寺で爆発事故があったことを知った
2.遠坂が休んでいる事を知った
3.間桐慎二が休んでいることを知った。
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最終更新:2006年09月24日 15:22