37 名前: ブロードウェイを目指して ◆bvueWC.xYU [sage] 投稿日: 2007/01/14(日) 15:41:35
弓塚達を探しに行きたい。
けど、昨日も稽古もそこそこにやってすぐに倒れてまともに稽古をしていない。
それならいつかは来るかもしれない弓塚を待ちながら稽古した方が皆の迷惑にならないかもしれない。
でも、もし弓塚に何かあったのなら……。
「遠野君?」
「…………」
さっきアルクェイドが言っていた深夜に見た瓜二つの俺。その存在が更に俺の思考を乱す。
ワラキアの再現がなければ特に気にせずに聞き流していただろう。だが思いつく人間がいるのであれば話は別だ。
「おーい、遠野くーん?」
シオンもきっとワラキアの捜索に出ているに違いない。夕方であれば裏路地程度なら移動できるはずだろうし……
「と・お・の・君!!」
「のわっ!」
いつの間にか眼前にいるシエル先輩が眉を吊り上げている。俺は飛びのいて跳ね上がった心臓を落ち着かせようと胸に手を当てた。
「びっくりしたぁ……」
「人が呼んでるのに返事がないからです。それで? 遠野君はどちらが心配なんですか?」
「は?」
やれやれと首を振ってシエル先輩は何の前触れもなく俺に尋ねてきた。
「何の事です?」
「とぼけないでください、弓塚さんかエルトナムの事です。
遠野君の事だから探しに行きたくてうずうずしてるんじゃないですか?」
「う」
さすが先輩。後輩の思考を読んでいらっしゃる。
「で、どちらを探しにいくのです?」
「えぇと……」
目線を外し天井を見上げてしばし思案する。
「できればどっちも……ですかね」
「何とも煮え切らない答えですね…………まぁいいでしょう」
見せ付けるようなため息をついて先輩はやれやれとかぶりを振った。
「行きなさい遠野君。どうせそんな事を考えていたら稽古に身が入りませんからね」
「あ、ありがとうございます」
「礼などいいですよ。ただ、瀬尾さんと秋葉さんからお咎めを受けるのだけは覚悟しといた方がいいですよ」
「…………はい」
先輩、何であんなに嬉しそうなんだろう。アルクェイドと同様最近かまってないからだろうか。
そこはかとなく他意が感じられる。
俺はどこか釈然としないまま教室を出て駆け出した。
激辛のカレーライス:弓塚がいそうな所を探しに行こう
辛口のハヤシライス:シオンがいそうな所を探しに行こう
甘口のスープカレー:二人がいそうな所を探しに行こう
激甘のチキンカレー:そういえばもう一人いなかった人がいたような……?
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最終更新:2007年01月14日 20:29