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ミルクナイト
◆M14FoGRRQI:2007/02/05(月) 13:00:03
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遠坂凛がライダーに対抗する為の力を得ようとし、セラ達がアイアスの破壊を試みて
いた頃、事の発端である慎二とライダーの戦いは―
「チーズ食うか?」
「うん、チーズ食う」
―戦いは終わっていた。ライダーの人差し指に付いた白い塊を舐め取る慎二。
その姿はまさにモンゴル帝国の王が臣下となった他国の領主との友情を深めるシーン。
なのだが、慎二が全裸でクワッな上ライダーがボロボロなせいで第三者から見れば
ホームレスが薬漬けにした美少年を調教しているようにも見えてしまう。
あの後、凛が家の中に逃げ込みライダーが三回目のゴシカァンパンチで慎二を上空に
吹き飛ばした後、ライダーは考えた。
凛が逃げ出して状況が変った今慎二と戦い続けるメリットはあるのか?
さっきまでは慎二を排除する事でほぼ確実に凛をを捕まえられる状況だった。
だが、慎二は自分が思っていたよりも頑丈だった。それでも残り少ない魔力を使い焼き
殺せば無傷で勝利できる相手である。しかし、そうやって勝っても得られるものは何も
無い事をライダーは知っていた。
慎二の後ろに出現する前に少しだけ盗み聞きをした彼と凛の会話内容、慎二を魔術師に
するとかどうとか、そして今目の前にいる存在がドーピングでパワーアップしてはいる
が一切の魔力を感じない事、さらには向こうの丘の方で何かが始まっている事に気付い
ていない様子から確信する。
(こいつ焼き殺して食っても魔力回復しねえー!むしろ魔術使用分マイナスするだけだ!
だからといってパンチだけでこいつと戦っても倒す頃には遠坂の魔術師が五体満足魔力
マンタンのサーヴァント連れて来てジ・エーンド!)
そしてぶっ飛ばされた後再度起き上がった慎二もまた凛の得にしかならない戦いに
嫌気を感じていた。
(何でだよ!何で僕が遠坂の為に我が身を犠牲にしてこんなチンギスハンを相手にしなく
ちゃならないんだ!おまけに僕が勝ったとしても遠坂はきっと笑顔でこう言うんだ、
「ありがとう慎二。でも死ね」ってね!確かに僕も遠坂の立場ならそうする。
僕と遠坂は敵同士なんだからこの状況なら戦力整えて玄関に戻ってきた時に僕と
チンギスハンのうち生き残ってる方に止めを刺すだけ。ああ遠坂、なんて楽なポジションなんだ君は)
やがて二人は当然のごとく同じ結論に辿り着く。
(そうだ、俺もそうだがあいつも今の状況は苦しいじゃないか。だったら―)
(そうだ、そもそもなんで僕が遠坂の利益にしかならない戦いをしているんだ。いっそ―)
ほぼ同時に構えていた両腕を下ろし、玄関のドアを横目で見つつ相手に語りかける。
「・・・なあ?」
「・・・ああ」
主語も述語もなかったが、共通の問題で追い詰められた二人にとって意思疎通は
それだけで十分だった。
そして十年来の友人同士の様にお互いの肩が触れ合う程の距離で地面に座り込みだべりあう。
いつドアの向こうからやって来るかわからない遠坂のサーヴァント、さっきまでこちら
に殺気を放っていた丘の奴ら、遠坂邸に踏み込んだら発動するであろう数々の罠、
ガント、カレイドビーム、そしていつか必ず訪れる完全な魔力切れと薬切れ、
二人の脳内で飛び回る未曾有の恐怖が生存本能に働きかけ即席の友情を生み出したのだ。
「チーズ食うか?」
「うん、チーズ食う」
【その頃の凛】
「私の中のいらない物が」ジョジョビジョバー、ジョジョビジョバ「ブァー」
スーパーデトックスの正体はただの下剤だった。ふんばれ遠坂凛!色んな意味で!
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:ミルクナイト
◆M14FoGRRQI:2007/02/05(月) 13:01:50
- 【会話内容募集】
今回は選択肢ではなく慎二からライダーへ又はライダーから慎二への質問内容を募集します。
慎二はライダーについては真名とクラスすら分かっていません。
ライダーは慎二については本名が間桐シンジ(漢字でどう書くかは知らない)である事、
魔術師未満である事は知っていますが遠坂の魔術師との関係とかカレイドルビー関連は
全く知りません。
質問の募集は慎二からライダーへの質問とライダーから慎二への質問がそれぞれ四つ
合計八つ集まった時点で締め切ります。
「スモークチーズはあるかえ?」といったネタ系質問も「ライダーのマスターはどんな奴
だったんだ?」といった物語の核心に触れる質問も平等に早い物勝ちで採用されます。
ただし、「あばばばばばばばー」とか意味不明なのはノーカウントです。
書き込む時は一レスに質問は一つまで、慎二からライダーへの質問かライダーから
慎二への質問かを明記して書き込んでください。
最終更新:2007年03月09日 02:35