848 名前: 白い少女と赤い騎士 ◆S3SdXBudUU [sage] 投稿日: 2007/05/22(火) 22:38:43
「ちょっと、下ろしなさいよー!」
腕の中でジタバタと暴れてみるものの流石は英霊。びくともしない。
「ふむ、レディーだと言うのならもっとおしとやかにするべきではないか?」
また子供扱いだ。ますますムカツク。大体、馴れ馴れしすぎるんじゃないかしら。……ここらで主従関係をはっきりさせるべきだわ。
「ねぇ、解ってる?私はマスターなのよ!?マ・ス・タ・ー!」
「解っているとも。だから命令を聞け、と?私はサーヴァントだからな、マスターの身を案じるのも仕事の内だろう?どうしても嫌なら令呪を使うといい。まあ聡明な君の事だ、間違ってもそんな馬鹿な真似はしないと思うがね」
むぅ……確かに正論ではある。あるけど、お姫様だっこなんて駄目なんだからー!
「一人で歩けるからいいの!大体私はあなたにこんな事をさせるために呼んだんじゃないわ。」
「そうだな。サーヴァントとは元来戦うためのもの。とはいえ相手がいないのでは始まらんだろう?ならば今出来る事をしておくべきだ」
「だからいいって言ってるでしょ!?それにこういうのはセラとリズの仕事なんだから!」
「ああそうだ、で名前」
「お呼びですか!?お嬢さ――ま?」
と、私の話を華麗にスルーするアーチャーの言葉を遮って部屋の前で待機していた、二人の付き人――セラとリズが部屋に入ってきて――硬直した。
それはそうだろう。なにせ見覚えのない男性が、血に濡れた主人を抱えて部屋から出ようとしているところに出くわしたのだ。
日本でこんな光景を見たら即連行ものである。
いや日本でなくても犯罪だ。
セラとリズだけではなく、アーチャーまで固まっていた。
つかの間の静寂を破り、リズが
「イリヤを離して」
と固まったままのセラを気にもとめずに、どこから出したのか、自らの身の丈を遥かに越すハルバードをアーチャーにつきつけて言った。
彼は困った風体で
赤:イリヤに助けてくれと目線を送った
青:固まっているセラを現実に引き戻そうとした
黄:リズに対して身構えた
投票結果
最終更新:2007年05月23日 01:44