188 名前: もしハサ ◆yfIvtTVRmA [sage] 投稿日: 2007/08/12(日) 07:41:01
はたして衛宮士郎はただの馬鹿なのか、それとも全て知った上でこの様に振舞っているのか
慎二には判断が付かなかった。何も知らないでいて欲しい、そう思ったが決定的な台詞が士郎の口から発せられた。
「でさー、慎二はどれ選んだんだよ」
「選ぶってなにをさ」
「だってさ色々あんじゃん。剣とか槍とか弓とか」
剣・槍・弓、ここまでならまだデュエリストごっこの話だと取れなくも無い。慎二も自分にそう信じ込ませた。
「魔術師とか暗殺者とか騎乗者とか暴走するやつとか」
「も う だ め だ」
ぴったしきっかりサーヴァントの七つのクラスの話だった。士郎クロ確定である。
「慎二―、お互い知らない仲じゃないんだし教えてくれよ、なあ」
「帰れ」
「つれないな慎二、そこは『僕と手を組まないか?』だろ?」
「いいから帰れよ、今なら見逃してやる。これ以上ここにいるのなら―」
「ならどうする?ここで俺と戦うか?慎二が?止めといた方がいいぞ、多分いまのお前は魔術やって無かったころより弱くなってるだろ」
「ふざけんなよ、僕だってマキリの跡取りなんだ。見た目だけで判断するなよ」
慎二は精一杯強がって見せたが、目の前の存在に対する恐怖で嘔吐がこみ上げてくる。
彼は間違いなく衛宮士郎でありながら慎二のかつて知るそれとは雰囲気からして違っていた。
この一年で自分や桜が変わってしまったのと同様かそれ以上に別物になった様に見えた。
「カァーン」
「え?」
突然士郎の口からゴングの音が発せられた。あっけにとられる慎二。次の瞬間には手首を捻られ
姿勢を崩される。さらにその状態から顔面に抜き手の追撃が迫り―、眼球に触れるか触れないかでぴたりと止まった。
「カーンカーンカーン、1R9秒俺の一本勝ちー、慎二だめじゃんゴング鳴ったんだからせめてなんか反応しろよ」
「あ、う」
「本番じゃあゴングすら鳴らないだぞ。それじゃあ教えろよ。慎二のサーヴァントは?」
「ヒ、ヒイ」
「教えてくんなきゃこのままボタン押す要領で眼球押し込む」
「わ、分かったよ言うよ!まだ召還していないんだ、でも召還するものは決まっている。アサシンだ」
地下室にいるはずの臓硯は様子を見ているのか、この状況に気付いていないのか、睡眠中なのか、
あるいは自分を見捨てる気なのかは分からないが一向に助けに来る気配が無い。慎二は本当の事を言うしかなかった。
「ありがと」
士郎はそれだけ言うと手首を離し、そのまま玄関へ向かっていく。出て行く前に一回だけ振り返り一言だけささやいて出て行った。
その一言で慎二は大体の事を理解し、口から蟲を吐き出しのた打ち回った。
[選択肢]
イ.「俺は遠坂凛と組んだ」
ロ.「桜ちゃんって本当にかわいいよな」
ハ.「アインツベルンだとかいう連中が色々と教えてくれたんだよ」
投票結果
最終更新:2007年08月13日 02:15