487 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/20(月) 21:17:17

「――――私の願いよ・・・私の願いだけは絶対に、譲れないわ。―――というか残りのドラゴンボールを持ってきたのは私なんだから、三つある願いの内の一つを叶える権利があるはずでしょう?」

          • キャスターの言い分はもっともだ。
以前レーダーで確認した際、二個のボールのありをどうしても捉えることができなかったが、それはキャスターが隠していたからだろう。・・・彼女がその気になっていたのなら、私達がこうやって願いを叶えられることはなかった。
―――そう考えるならば、彼女はボール集めに確実に貢献している。
周囲を見渡す・・・。ギルガメッシュはそっぽを向き、わかめはキイキイ喚いていたが、他のみんなは納得している様子だ。

「いいんじゃないか、叶えてあげても。なぁキャスター、別に平和に暮らしている人々に迷惑を掛ける、とかじゃないんだろ?ならいいじゃん」
「シロウ。―――いえ、私もそれなら文句なんてありませんが・・・」
「―――絶対に迷惑なんて掛けない。誓ってもいいわ」

珍しく真摯な態度のキャスター。
――――これなら、信じてもいいかもしれない。

「ボクも構いませんよ。願いは三つもあるんですし」
「オレもいいよ。どんなこと言うのか知らないけど・・・多分、大丈夫ですよ」
「・・・・・・・・・・まぁ、私も別にいいんですけど・・・・。その代わり!変なことを願ったら、その時点で斬りかかりますからね」

パアアッと顔を輝かせるキャス子さん。その表情を見る限り、誰も彼女が残虐の限りを尽くした太古の魔女だなんて気づかないだろう。

「――――それではポルンガを呼び出します。・・・タッカラット ポッポルンガ プピリットパロ」

デンデが奇妙な発音の言語を発し、ナメック語を唱える。
すると―――――――今まで緑色だった空が、夜になったかのように暗くなり、七つのボールが眩しいくらいに輝き始めた。
      • 数日間この星にいてわかったことだが、ナメック星には夜がない。三つある太陽のお陰で、光が絶えないからだ。だから――――今、暗くなったのは、決して偶然ではないことが窺い知れた。

「魔術・・・の気配は感じませんね。これは・・・中々面白い神秘だ」
「え、衛宮・・・手、繋いでいい?」
「ええい、またかお前は!」

球の輝きは益々増し、目が開けられないほどの強さになって――――――天へと向かって一直線に伸びていった。
        • そうして光が龍の様な形をとったかと思うと―――――そこに巨大な龍が・・・いや、大きなドラゴンがいた。

『―――さあ願いを言うがいい』

「で、でかい」
「地球の神龍とは全然違うな・・」
「――――ふん、この星の幻想種か」

デンデはポルンガと言っていたが・・・。凄い。そのあまりに雄々しい姿は、見る者を圧巻させる。

「ぼ、坊や、耳を貸してちょうだい。・・・・・ボソボソ」
「・・え?あ、はい、わかりました。―――△●×□◎~~~~」

『承知した・・・』

ポルンガの目が光る・・・。その光はキャスターに向けられた。
―――遂にキャスターが願いを叶えた・・・。それがもし悪い願いだったら、デンデが拒否するはずだが・・・その素振りはない。

『―――願いは叶えたぞ。さあ、早く次の願いを言うがいい・・・』

      • 自分の体をキョロキョロ確認し、そして顔を険しくさせるキャスター。まさかとは思うが・・・・・キャスターの願いは失敗に終わったのか?

「あの、キャスター・・・・」
「・・・・・・・・・・・ふ。ふふふふふふ。・・・・やったわ。遂に・・・・・遂に私は受肉出来たのよーーーーーーー!!!!」
「「「ΩΩΩ<な、なんだってーーー」」」
「やったーーーーーー!!!!」

スタタタタタ!

そこら中を駆け回るキャス子さん。
なんと・・・・キャスターの願いが受肉だったとは。だとすれば彼女は、想い人である自分のマスターと・・・。
彼女らしくない、純粋すぎる想いに、開いた口が塞がらない。しかし、生前、幸せとは程遠い人生を送った彼女だけに、素直に良かったとは思えるのだが・・・・。
――――そして突然、呆気に取られる私達を尻目に、ゴハンが口を開いた。

「あ、あの~~・・・。これはどうしても叶えていただきたい願いなのですが・・・・ピッコロさんを生き返らせてくれませんか?お願いします、この願いが叶えられないと、ボクとクリリンさんがここに来た意味、ないんです・・・」

488 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/20(月) 21:18:06

―――元々の私達の目的は、ゴクウの仲間達の蘇生だ。詳しい事情は知らないが、そのピッコロという人物が生き返れば、地球の消えてしまったドラゴンボールも復活するらしく、それで残りの人達も生き返れる、という寸法の様だ。
周りを見る。―――相変わらずわかめだけは不満そうだったが、他のみんなは納得しているようだった。

「それじゃデンデ君、お願い。ピッコロさんという人を生き返らせてあげて」
「はい!・・・△●×□◎~~~~」

『いいだろう、その願い、叶えよう』

ポルンガの目がまたもや光った。――――これでゴハン、クリリン達の本懐は遂げられたのだ。

「やった・・・。へへ、これでピッコロさんが生き返ったんだ・・・」
「へへっ、やったな、悟飯!」

二人とも――――。本当に良かった。

『――――願いは叶えたぞ。さあ、最後の願いを言うがいい』

次の願いだ・・・。だが・・・どうしよう、何の願いを叶えるべきか。
      • 私の願い。――――王国の救済。永らく私の悲願としてきた願いだが・・・だがそれを未だ胸に秘めているのを、隣にいる少年に悟られるのだけは嫌だ。・・・まだ、願いにしがみついている、浅ましい女。それだけはシロウに思われたくない。
みんなの顔を見渡すと・・・彼らも自身の願いについて考えているのだろう、険しい顔つきをしていた。

「な、なぁ、別に僕が願い叶えちゃってもいいよね?どうせみんな願いなんてないだろ?なぁ、頼むよ・・・」
「・・・・・慎二。俺は・・・・間桐の魔術に汚染され、聖杯の呪いに縛られた桜を救ってあげたいと思ってる。あのままじゃ・・・・あまりに可哀想すぎる。お前も桜の兄貴を自称するんなら・・・彼女を助けるのに協力してくれないか?」
「なっ、なんだよソレ!?アイツだったら大丈夫だって!そもそも僕が間桐の当主になりさえすれば、お役御免でアイツだって解放されるんだ!それなら僕が願いを叶えた方が一石二鳥じゃないかっ!」

      • 二人の言い分をしばらく聞いてみるものの・・・全くの平行線。協力関係など作れそうもなかった。

「おい、緑色のガキ!早く願いを叶えるんだ!この僕、間桐慎二を偉大な魔術師にしてくださいってな」
「待ってくれ!その願いよりも・・・桜を、桜を元に戻してやってくれ!」
「う、う・・・」

二人の言い争う様を見て、何が可笑しいのかニッコリ微笑む英雄王。他の皆は対照的に困惑しているようだ。

「――――やれやれ。・・・・・む?この気配は・・・」
「あっ!まずい、寝ていたはずのベジータが目覚めやがったんだ!」

ベジータ・・・。あれほどドラゴンボールに拘っていた彼がいないのはおかしいと思っていたが・・・まさか彼が寝ている隙にボールを持ってきたなんて。―――マズイ、彼のあの表情、相当頭にきている。

「地球人のガキどもーーーー!!!畜生、ナメやがって!許さんぞ~~~~~!!!!」
「うわぁっ」

まるで光速を思わせるスピードを纏い、遥か彼方から、一瞬で私達の目の前まで着地する。その彼からは、デカすぎるほどの巨大な殺気が発せられていた。
489 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/20(月) 21:18:51
「ふん、面白い。貴様とは決着がまだだったな。我が直々に手を下してやろう」
「下らないこと言ってんじゃねぇ!貴様ら気づかないのか・・・。フリーザの野郎がとんでもないスピードで、ここに向かって来ているぞ!!?」

フリーザ・・・。あの悪魔が、ここに来る・・・!?
私は忘れていない・・・・。あの嘲笑を、あの恐怖を!

「黙って願いを叶えやがって!今からでも遅くない、オレを不老不死にするんだ!早く!!!」
「ぐ、うう・・。畜生、デンデ、仕方がない・・・・。ベジータを、不老不死にしてやるんだ・・・」
「え、お、おい・・・」

重々しく呟くクリリン。困惑するわかめ。
だが、仕方ないのだ。あの化け物に勝つには、不老不死にでもならない限り・・・・勝てない。

「早くしやがれ!どうなっても知らんぞおおおーーーー!!!」
「わ、わかり・・・ました・・・ポ、ポルンガ・・・」

――――ところが。
突然ポルンガの体が薄くなり・・・・消えた。宙に浮いていたボールも、石になり、力なく地面に落ちてきた。

「お、おい・・・。これは一体何なんだ?」
「さ、最長老様が・・・・・・・お亡くなりになりました」

―――やはり。最長老殿・・・。

「ふ、ふざけるなぁっ!!貴様、貴様あーーーーっ!!!」
「・・・・・・・」

時に。
私達は逃げていたのかもしれない、現実から。
だってソレはとうに私達のすぐ近くまで接近し、見下ろしていたのだから。『気』を感じる能力を持った、ゴハン、クリリン、ベジータですら気づけなかった。気配に敏感な私、そして英雄王ですら気づけなかった。
だから――――みんなソレが居たことに気づかないフリをしていたんだ。

―――ジャリ。

「――――えっ?」
「・・・あ、あああ・・・・」

ああ・・・・。奴は・・・・・。

「――――――フッ、フリーザだぁーーーーーーーーッッ!!!!!!」

岩の上。そこでソレは私達を見下ろしていた。

「―――やってくれましたね皆さん・・・よく私の不老不死への夢を見事に打ち砕いてくれました・・・。
―――ギニュー特戦隊五人の反応がありませんね・・・あなた達が殺したんですか? どうやったのかは知りませんが、これはちょっと意外でしたよ・・・。
それにしても、あと一息のところでドラゴンボールが石ころになってしまうとは・・・・・・ベジータさんには残念でしたが、私はもっとでしょうか・・・。
―――――初めてですよ、この私をここまでコケにしたおバカさん達は・・・・・。まさかこんな結果になろうとは思いませんでした。
      • ゆ、許さん・・・・。
絶対に許さんぞ虫ケラども!!!!!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!一人たりとも逃がさんぞ、覚悟しろ!!!」



最初に、宇宙の帝王フリーザと戦う人は

1、ベジータ+悟飯+クリリン
2、ギルガメッシュ+わかめ
3、セイバー+士郎

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最終更新:2007年08月21日 12:03