619 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/23(木) 21:00:59

宝具の名と共に、剣先から黄金の光が放射される――――!それは辺りを太陽の如く照らし、地上の影を一掃した・・・。
そして―――――。
光はフリーザを包み込む。

「う、うおっ・・・うおおおおっ!!?」

腕を前に交差し、耐えようと試みているが・・・・・光はそれを無視してフリーザそのものを飲み込んだ―――――!
太陽。
いかなる生物も太陽の前では塵に等しいのだ―――――!

        • 光が止む。そこに――――フリーザの姿は見えない。

「・・・勝った。フリーザは・・・・・・カリバーンの直撃を受けて蒸発したようです」
「セイバー、お疲れ様・・・・・」

倒れていた皆も、今は起き上がって事の成り行きを見守っていた。この戦い・・・・・皆が一人でも欠けていたのならば勝てなかっただろう。

「・・・・チッ、せっかくこれから我が止めを刺してやろうと思ったのだが。セイバーに取られてしまったのなら仕様がないわ」
「・・・・・フン」
「ねぇねぇ!みんな僕の活躍見てただろ!?僕がいなかったらみんな生きてないんだからさ、感謝しろよな!」

デンデを見る。・・・彼の勇気のお陰で私も力が湧いてきたのだ。私達と比べて力などはないが・・・・しかし彼の活躍には驚嘆すべきものがある。

「・・・デンデ君、ありがとう。お陰で傷が治ったよ・・・」
「へへっ」
「ありがとうな、デンデ・・・。オレもこれで何とか立てるよ」

          • 本当に良かった。
また、幸せに、静かに暮らせることができるのだから。――――帰ろう、地球へ。リンやサクラ、タイガが待っている。
        • 一ヶ月家を空けたんだ。相当な質問攻めが予想される。主にタイガの。
思わず苦笑が漏れる。でも・・・タイガの困った性格にまた会えると思えば、笑みが知れずに浮かんでくる。

「皆さん、本当に・・・・本当にお疲れさ・・・・・」

言い終わる前に。
私の頬をかすり、後ろから何かが通り過ぎていった。

ボォォーーーーン!!

「・・・・・・・は?」

その『何か』がデンデに当たり、砂埃を起こした後・・・・・・・・・見えたのは、ボロボロになった、デンデの死体だった。
頬から血が垂れる・・・。いや、そんなことよりも・・・・・デンデ・・・いや、それよりも・・・・・。

「これでもう復活はできない」

体の震えが止まらない。歯がカチカチとうるさい。筋肉が弛緩して力が入らない。
声がした方へ慌てて振り返る。そこには―――――――先程とは違う姿をした、異形の怪物が立っていた。

「ホッホッホ、驚いているようですね。言いませんでしたっけ?わたくし、まだ二回ほど変身を残しているって」
「―――――フリー・・・・・ザ・・・」

少し前まで私達と戦っていた巨人とは似ても似つかない・・・・頭部が異様に伸びた怪人がそこにいた。探らなくても解る。――――それが先程とは比べ物にすらならないということを。
そして―――――デンデは痛みを感じる間もなく、死んだ。

「さっきのお嬢さんの攻撃には驚かされましたよ・・・・・。執念ですか?もしも変身が遅れていたのならどうなっていたことやら。わたくしに歯向かう者はサイヤ人のサルだけかと思っていましたが・・・・・やれやれ、バカはわたくしが考えていたよりもずっと多かったようだ」
「う・・・・」

―――――――甘かった。
このフリーザという者・・・・ここまで底が知れない実力の持ち主だったとは・・・・。
殺される。まず間違いなく殺される。ここに居る全員・・・・・シロウも、英雄王も、ゴハンとクリリンもベジータも・・・・・間違いなく殺される。
過去幾度となく大きな戦を経験し、死を何度も感じ取ったが・・・・・ここまで生々しく死を実感したことなどなかった。―――――ここまで死を強烈に痛感したことなど生涯なかった。

「よし、特別大サービスでわたくしの最後の姿をお見せいたしましょう!たまには全力で運動しないと体に毒ですからね・・・。アナタ達も、ここまで抵抗したんだ。冥土の土産に宇宙最強の力を体感できる・・・・これって滅多にないことなんですよ?」
「・・・そん、な――――」

さらなる絶望が体を支配する。これで・・・・私達がどう逆立ちしても、どんな奇跡を起こしても、勝てないことがここに証明された。

「かあぁぁぁ・・・」

フリーザから発せられたエネルギーが、辺りに暴れまわる。
変身が、始まった――――!

620 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/23(木) 21:02:07

「オイ!貴様ら何をぼさっとしてやがる!!今がチャンスだ。フリーザの野郎が身動きを取れない今、全力で攻撃を加えるぞ!!!」
「お、おう!―――気円斬!」
「魔閃光!!」
「ギャリック砲!!!」
「――――Ατλασ」
「エアよ、来い!・・・全開だ――――天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!」
「ぼっ、ぼっ、僕のワカメを喰らえっ!」
「投影開始――――偽・螺旋剣(ガラドボルグⅡ)・・・効いてくれ・・・・!」
「・・・・くっ、勝利すべき黄金の剣(カリバーン)!!!」

各々の切り札とも言える必殺技のオンパレード・・・・。
それでも。
―――――それは全く無駄な行為なんだと、私には予感できた。

変身中の隙だらけなフリーザに、地球が五度は破壊できる程の攻撃が加えられる。・・・・フリーザは避けられない。それらは全て当たった。

「や、やったのか?」
「――――――いえ。ハハ・・・・一つも効いてないわ・・。せっかく肉の体を手に入れたというのに・・・・ごめんなさい、宗一郎様・・」

土煙が晴れた後・・・・そこに変身を終えたフリーザが立っていた。

「は、はは、何だ。さっきより小さくなっちゃって、迫力ないな・・・」
「バカヤロウ、気を探ってみろ・・・。底が見えんぞ・・・」

変身したフリーザは・・・・以前のようにいかつい角が生えていたり、ごつごつした突起があったりする訳ではない。ごくシンプルな・・・・つるつるな頭に、普通の人間の様な体。敢えて言うのならば肌が白い、とても貧弱な体格をしていた。
          • が、その底なしの強さは、『気』を感知する能力がない私でも感知することが出来た。―――しかも私が斬りおとした尻尾が再生されている・・・。

「――――さて、誰がボクの相手をしてくれるのかな?何なら全員でも構わないよ。・・・・そうだ!ボクは右手の人差し指以外使わないであげよう」

「ぐ、う、くそ・・・・戦闘民族、サイヤ人をなめるなーーーーー!!!!」
「ベジータ!いけない!!?」

人差し指以外使わない―――――――。それがプライドの高い彼の琴線に触れたのか、ベジータは怒りながら・・・・いや、震える自分を必死に鼓舞しながら、フリーザに突撃していった――――!

「おおおおお、フリーザ!オレはスーパーサイヤ人だ・・・・。ナンバーワンはこのオレだぁーーーー!!!!」
「・・・フ」

憮然と構えるフリーザに猛烈なラッシュを繰り出すが・・・・当たらない。全てギリギリで避けられる。
業を煮やした彼は、気を溜め、巨大な塊にしたソレをフリーザ目掛け投げつける・・・・!

「この星もろとも消えてなくなれぇぇーーーー!!!!」
「おっ、おいベジータ!?」
「キェエエエエッ!!」

バチッ!

確実にこの星を塵に出来たであろう気弾は・・・・デコピン一発で空の彼方まで飛んでいった。・・・・・ベジータは、その僅かなやり取りで全てを悟ったのであろう。ガクガク震え――――――涙すら流していた。

「ハッハッハ・・・おやおやベジータ、どうしたんだい?確かスーパーサイヤ人がどうとか言ってたよね?・・・・・・・クックック、まさかスーパーサイヤ人とは」
「うっ、グスッ・・・」

姿が、消え―――――――

「ぐはっ!?」
「ベジ・・・!」
「君には散々邪魔されたからね。ボクが満足するまで遊ばせてもらうよ」

まるでサッカーボールか何かのようにベジータを蹴飛ばし、そして蹴った向こうまで一瞬で移動し、一人でパスをする。それを繰り返されれば、どんな強者であろうとひとたまりもない・・・・・。

「やめろフリーザ!!!彼を・・・放せっ!!」
「・・・助けたかったらいつでもどうぞ」



1、助けに行く
2、動けない
3、シロウを連れて逃げる

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最終更新:2007年08月24日 18:59