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651 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/24(金) 16:01:51

――――動けない。
目の前で残虐が行われているというのに・・・・動けない。
恐怖・・・・いや、違う。死を恐れる心なんてとうの昔に超越している。だが、この言い様のない感情は・・・・・。

        • 今も尚、フリーザによる虐待は続けられている。――――騎士王として、一人の人間として、これを黙って見過ごす訳にはいかない。
動けない四肢に気合を込める。嫌がる体を無理に持ち上げ、一歩を踏み出す。
――――だが、私が出るよりも先に、英雄王が前へ進んだ。

「・・・・・やめぬか。それ以上の王の前での無礼、許さぬ。貴様を処刑する」
「ホッホッホ。今度はキミが遊んでくれるのかな?」
「―――よかろう」

勇気・・・・いや、蛮勇か?かつて最強を誇っていた彼が、ズンズン前へ進んでいく。

            • 信じられない。彼がいくら慢心の持ち主だとしても、ここにきて相手の力量を見誤るなんてことはあり得ない。ならば・・・・何故彼は立ち向かっていくのだろう?王としてのプライドを傷つけられたから?それとも勝手に目の前で行われている虐殺が許せないから?
英雄王は・・・・どんどん前へと進んでいく。

「――――キミは彼らの中でも相当におバカなようだ。・・・どれ、ベジータはもうつまらないし、キミと遊ぶことにしようか」
「フン!我が無策で貴様の前に立ったと思っているのか?・・・ちゃんとこういう物が用意されている」

――――何もない空間から、赤とは対照的な、白い槍を取り出した。それは・・・・・・気のせいか、ランサーの宝具、ゲイボルグに似ているような・・・・。

「本当は使いたくなかったが・・・・・―――始めに言っておく。この槍に刺されたら、血は止まらず確実に死ぬ。加えて、この槍による攻撃は、絶対に当たる。―――――クックック・・・さて、どうやって封じるかな?」

あの槍は・・・・・見た記憶がある。かつてそれに刺された領主は血が止まらず、半死半生の状態でいき続け、私の臣下である円卓の騎士によって救われたエピソードがある。
もしくは―――――かつて神の子と呼ばれた偉大なる男を刺し殺した、あの悪名高い、神殺しの槍・・・・!その名は――――。

「血に塗れた聖なる白槍(ロンギヌス)――――――!」

英雄王の構えた槍が、フリーザ目掛けて射出された――――。

フリーザは・・・掴んでいたベジータを放り投げ、とんでもないスピードで空中を飛び回った。だが・・・・槍はそれに匹敵する速度で追い掛け回す。もしフリーザが追いつかれたら・・・・・そうなったら彼が死ぬ時だ。

「なっ、何なんだこの槍はっ!?」

受け止めるという選択肢もあったかもしれない。でも、それは万が一自分の手をすり抜けたら心臓へと向かうだろう。彼にとっては――――リスクがでかすぎた。フリーザには・・・逃げ回るという選択肢以外残されていなかったのだ。

「凄い・・・・。っていうか、アナタ何で最初からコレ使わなかったのよ?」
「・・・・あんなに簡単に勝っては、腕が鈍るからな」

慢心――――――いや、その彼のお陰で私達は助かったのだ。力では私とは比較にすらならないフリーザも・・・因果の逆転を用いた槍には弱かったようだ。

「・・・・ま、最初からランサーがいてくれたら良かったんですがね(ボソッ)
「ん?セイバー、何か言ったか?」
「いえ何も」

ベジータに視線を向ける。・・・・遠目から見ても、重傷だということがわかる。

「ベジータ・・・・あの、大丈夫ですか?」
「・・・・・・うっ、ううっ・・・」

まるで――――喧嘩に負けた子どものように・・・・彼は泣いている。あの、誇り高い彼が。

「・・・・もうデンデはいません。悟空がいる装置の所まで連れて行きましょう。このままでは大事に至る可能性がある」
「・・・あ、それなら僕が連れて行くよ」

わかめも・・・・この戦いにはもうついていけないことを悟ったのだ。だから一番弱い自分がどうするべきかを考えて、この役目に志願したのだろう。

わかめに連れられ、宇宙船の中へと去っていくベジータ。このことは・・・・・彼にとって一生の傷となるだろう。ともすれば・・・・・彼はもう、戦士として再起できないかもしれない。

「救ってあげられず・・・・申し訳ありません・・・」

――――ベジータはわかめに肩を貸され、去っていった。

652 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/24(金) 16:02:43

――Interlude side Wakame


「よいしょ、よいしょ・・・・お、おい、大丈夫か・・・?」
「・・・・・・・」

滝のように流していた涙は・・・・消えていた。その代わり、気絶しているのか目を瞑り、口も貝のように開かない。

「よ、よし、宇宙船だ・・・。えーと、確かここを真っ直ぐ行って・・・・・突き当たりだっけかな?」
「・・・・・違う。今通り過ぎた部屋だ」

突然口を開き、ギョッとする。
まさか・・・・食べられるとかではないと思うが・・・・。

「早く行きやがれ・・・・クソッタレ・・・」
「は、はいっ!」

慌てて今来た道を引き返す。・・・・・今は大人しくしているけど、ちょっと前まで凄い凶暴な奴だったんだ。気をつけないと。

部屋に入ると、そこにはいくつかのカプセルと、そこに入った悟空が見えた。・・・・・もう大分入ってるけど、まだ回復しないのだろうか?

「えーと、ここのスイッチを押して・・・・よし、開いた。―――よいっしょ。んじゃあ今度は何処を押すんだろう・・・・。えーーと」

オロオロと探していると、またベジータが口を開いて指示を出す。指示通りにボタンを押していると、扉は閉じて、中に液体が注がれていく。

「ふうっ、よし、これで完了かぁ。・・・・・さて僕は・・・・くそ~~~戻りたくないよぉ・・。アイツ絶対僕がワカメぶつけたこと根に持ってるよ・・・・」

何というか、それ以前にケタが違いすぎる。僕が戻っても絶対何の役にも立てないだろう。戻った瞬間に死んでしまう。
よし、ここで待っていよう。そう結論付けてると――――――いきなり隣のカプセルが爆発した。

「ひいいいいっ!?」
「――――おっしゃ、完全回復だ!待っててくれみんな・・・・今助けに行くからな!」

コイツは・・・・確か悟空とか言ってたな。もしかして・・・傷が治ったのだろうか?

「・・・・ん?おめぇはセイバー達と一緒にいたわかめ小僧じゃねっか。・・・あれ?しかもベジータがいるぞ・・・」

すると――――。中に入っていたベジータが、おもむろに口を開いた。

「カ、カカロット・・・」
「ベジータ・・」
「カカロット、聞け・・・。オレ達の故郷、惑星ベジータを破壊したのは隕石の衝突なんかじゃねぇ・・・フリーザの奴がやりやがったんだ。・・・ううっ、今まで手足となって働いてきたサイヤ人を殺して・・・・。オ、オレや貴様の両親も殺された。
頼む、フリーザを倒してくれ・・・・サ、サイヤ人のお前が倒してくれ・・・・。多くの散っていったサイヤ人の無念を、同じサイヤ人のお前が晴らすんだ・・・。き、貴様なら、スーパーサイヤ人になれる・・・。だから、頼む・・・・フリーザを・・!」

      • ベジータが、再び涙を流し始める。・・・・あのプライドの高い男がここまで懇願するなんて・・・・見ているだけで痛々しかった。

「・・・・わかってるさ。おめぇは故郷が潰されて悔しいんじゃねぇ。フリーザに手も足も出なかったことが悔しいんだろ?おめぇは大嫌いだけど・・・そのサイヤ人の誇りは、オラが受け継ぐよ」

満足したのか・・・・ベジータは目を瞑り、気絶した。そしてその直後に、カプセルの中に全て、液体が満たされた。

「・・・おめぇはここに残っててくれ。オラはみんなを助けに行く」
「あ、ああ・・」

悟空の体がオーラに包まれ浮き、宇宙船の天井を突き破った。アイツは・・・衛宮達の所に行く気だ・・・・。
最後に・・・・僕に出来ることは・・・・。

「お、おい!・・・・勝てよ!絶対に勝って地球に帰るぞ!」

悟空は親指を立て――――――物凄いスピードで飛んでいった。

「・・・・悔しいなあ。せめて、魔術が出来たら・・・・。――――今度は知識だけじゃない。実際に鍛錬も重ねて・・・・衛宮に負けないくらい強くなってやる・・・・。魔術回路くらい自力で開いてみせるさ」


――Interlude out.



1、――Interlude side Freezer
2、――Interlude side King boundary
3、――Interlude side Red satan

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最終更新:2007年08月24日 19:04