713 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/26(日) 16:12:42
――Interlude side Red Satan in earth
―――ある日の衛宮家。
主である少年が毎日綺麗にしていた床も、今ではビール缶で埋め尽くされていた。漂う空気が、気持ち悪い。
「おえっぷ・・・・最低、本当、最低だわ・・・・。藤村先生の酒癖、甘く見ていたわね・・・。も、もう飲めない・・・」
目の前では、藤村先生とバゼットが、陽気に語らっている。何やら男がどうとか、人生がどうとか・・・。まぁ要は・・・売れ残りどもの愚痴なんだけどサ!
「――――そろそろやめないか、リン。いくらここが小僧の家だとて、遠坂の当主ともあろう者がここまでハメを外すなど、恥ずかしくないのか」
「うるせーー・・・ほらっ、アンタも飲みなさいよ・・・」
「・・・・・・リン。アルハラ、という言葉を知っているかね?」
相変わらずつれない奴だ。私の酒を断るとは・・・。
あーあ、今頃士郎とセイバー、楽しくやってんだろうなぁ~。こんなことなら、私も一緒に行って、思いっきり邪魔してやればよかった。
- 一人、みんなから離れて困惑気味に笑っている桜を見る。・・・一ヶ月間、士郎とセイバーは一緒に居る訳で・・・――――あの子、平気そうにしているけど、ハラワタ煮えくり返ってるんだろなぁー・・・。
「桜ぁ~~。あんたもすましてないで飲みなさいよ~・・・。ホラッ、飲むもん飲んで忘れちゃいなさいっ!」
「ね、姉さん、何を言ってるんです?私は別に何も・・・。それに兄さんも居る訳ですし」
あー・・・そういやわかめのバカも一緒に行ってるんだっけか?そんなら大丈夫か・・・。
「フフ、私がそこの所油断している訳ないじゃないですか・・・」
「・・・ん?何か言った?」
「いえいえ」
藤村先生の方を見れば、バゼットとの語りも終わりに差し掛かっているようだ。・・・酒もあらかた飲みつくしたし・・・そろそろお開きの時間かな。
「アーチャー・・・私を家まで運んで行って・・・ってのは、無理よねぇ・・・」
「無論だ。可憐な姫を抱きかかえることはあっても、下品な酔っ払いをおぶさる趣味などないからな」
「や、やっぱりアンタならそう言うと思ったわよ・・・。桜、ライダー呼んできて・・・。飲みすぎて、歩けないわ・・・」
桜は、子どもを叱る様に小言を言った後、ライダーの部屋まで去っていった。
「ふー・・・。―――――・・・・・・アレ?」
「どうした?」
「いえ、何か・・・・耳鳴り?あれ・・?」
何か、聞こえてくる――――。藤村先生達の声じゃあない。これは・・・・一体・・・・?
「疲れているのではないか?最近の君は、少し頑張りすぎだと思うが・・・」
「――――静かに・・・・・・・」
確かに何か聞こえてくる――――。これは、まさか魔術・・・?もしや協会からのメッセージでは!?
(ぉ・・・ぃ・・・・お・・・ぃ・・・・・・・おーーーい!聞こえとるか~?)
「嘘っ!・・・・・誰なの、アナタ・・?協会?」
気のせいかと思われた音は、今はっきりと人の声を成し語りかけてくる。協会関係者が冬木の報告を求めてきたかと思ったが、どうも声色ではそうと思えない。
(協会・・?なんじゃそれは。あ~・・・・わしは界王という者じゃ。宇宙を管理しておる、まぁ、神みたいなもんじゃ)
「・・・・・・・」
「リン、私にも聞こえてきたよ。・・・恐らく君と同じ人物のはずだ」
アーチャーが聞こえたとなると・・・・。バゼットを見る。さっきまで普通に藤村先生と話していたのに、今はキョロキョロ辺りを見回して、何かを探っている。・・・そして私と目が合うと、一流の彼女なだけに、それだけで全てを悟ったようだ。
- 逆に藤村先生は、そんなバゼットを不思議そうに見つめ、事態を全く把握していない。――――これは、もしや魔術師、もしくは聖杯戦争関係者に発せられた、メッセージということか?
714 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/26(日) 16:13:38
「そのアナタが私に・・・いえ、私達に何の用かしら?言っておくけど、聖杯戦争はもう終わってるけど?」
(しかしお主らが召喚した英雄どもはおるんじゃろ?――――率直に言うがな、力を貸して欲しいのじゃよ。・・・お主の知人であるシロウとやらの小僧はな、一ヶ月前、宇宙船に乗り込み、地球とは遥かに離れた距離にある、ナメック星という場所にいったのじゃ。それで、じゃがな――――)
――――宇宙。
その一言で、彼の話は物凄く怪しさを増したが、わざわざテレパシーまで使って、そんなくだらない嘘をつくのだろうか?
その後、界王という人物により、士郎達が経験した、事のあらましを聞くことになった。
ドラゴンボール、宇宙船、ナメック星、そして・・・・フリーザ。
――――大悪党・・・。
もしそいつが存在し、衛宮君達が襲われていたら大変だけど・・・。
「リン、彼は嘘をついているようには聞こえませんが・・・」
アルコールが完全にぬけたバゼットが、藤村先生の大きないびきを尻目に、私に語りかけてくる。私も――――まだ半信半疑だとはいえ、彼の話に傾きかけていた。
しばらく悩んでいる私に、ライダーを連れて戻ってきた桜が、駄目押しをする。
「姉さん、私も嘘だとは思えません。それに・・・・先輩がそんな目にあっているとしたら、すぐに助けてあげないと・・・」
「う~~~ん」
確かに、それが本当だとしたら大変だ。私達の総力を結集して、助けてあげたい。でも・・・それが本当だという確証はないし、もし仮にそれが私達を嵌める罠だとすれば、最悪殺されるだけでは済まない程の痛手を被る可能性がある。
「どうする、リン?」
「う~~~~~~~ん」
これは賭け・・・かもしれない。だが・・・・・。
「もしそれが嘘だとしても、あのお人好しを放っておく訳にはいかないか。わかった、力になりましょう」
(おお、感謝するぞ~~)
仕方がない。
真偽がわからなくとも、彼の名が出れば、何故だか放っておけないのだ・・・・。
はぁ、そこん所が、私の甘さなのよねぇ・・・。
「で、具体的には何をすればいいの?」
(ちょっと、待っとれ。お主らの他に、あと四人のマスターとサーヴァントがおるからな。そいつらにも相談してから話すとしよう)
そう言って、彼は一言も言葉を発しなくなった。
「――――私達に何をさせる気でしょうね。・・・・話が本当ならば、何をどう足掻いても、そのフリーザとやらに勝てる気はしないけど」
「そうですね・・・。バーサーカー以上の筋力、私以上のスピード。あの英雄王とセイバーですらが敵わないだなんて・・・」
「・・・・・・正直、私の格闘術がどこまで通用するのか見てみたい所ですが」
「・・・やめてください。いくらバゼットさんでも、敵わないかと」
「フン、小僧が殺されるなど、私にとっては本望なのだがね」
五人揃って輪を囲み、相談する。
――――力じゃ敵わないことは既にセイバーらによって証明されている。ならば・・・・・・残る手段は・・・・。
「考えられるのは一つ。令呪、でしょうね。・・・・アーチャー、ライダー、あなた達に一仕事やってもらうことになるでしょうから、気を引き締めてなさい」
他の四人が、奇妙な顔をして、私を見つめた。
――Interlude out.
1、ナメック星にワープして、全員でフリーザをリンチに
2、ナメック星にワープして、皆を抱えて地球にワープ
3、そんなことよりドラゴンボール?億万長者になるチャンスだ
投票結果
最終更新:2007年08月26日 23:12