760 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/27(月) 13:20:51
「――――何ですか、キャスター?」
「・・・アナタが特攻して死ぬよりもね、もっと成功率が高い方法があるのよ。これは最大の奥の手なのだけれど・・・・どう?乗ってみる?」
キャスターの提案・・・。
彼女は魔女だ。その方法とやらも、並大抵のことじゃないハズ。加えてその代価もそれなりのものを要求されるだろう。それでも―――――
「いいでしょう。確かに私の方法ではリスクが高すぎる。あなたの考え・・・・乗りましょう」
今もなお、悟空の命が削られてゆく・・・。もう私達には、新たな方法を考えている時間すら、ないのだ。
「そうこないとね。―――――これは本当に奥の手。これが失敗すれば、もう私達に手はないのだけれど・・・・・多分、これを発動させれば、フリーザは確実に死ぬわ」
「――――女狐、早く教えんか。ゴクウが死んでしまう・・・・。その方法とは一体何だ?」
「私の最大の魔術――――いえ、既に魔法の域に達しているでしょうけど・・・・・聖杯の召喚よ」
思わず、あっとさせられた。聖杯の召喚――――確かに、あの無限のエネルギーを得ることが出来れば、フリーザがいくら強かろうと倒せるだろう。最も、それをコントロールしきれれば、の話だが。
「私一人じゃ無理よ?あなた達にも協力してもらう。・・・・・英雄王、アナタ聖杯の中身を被ったのでしょう?なら他のサーヴァントよりも、聖杯に近しい存在のはずよ。アナタは私と聖杯を繋げてもらう。・・・・私の精神が壊れないよう、注意してね」
前回の聖杯戦争で、確かに英雄王は聖杯の中身を浴びている。――――汚染された聖杯を浴びても自我が崩れないとは、さすがとしか言い様がないが。
「坊や、あなたには聖杯の具現化を担当してもらうわね。あなたの投影能力は、他の魔術師よりも秀でているから・・・。で、セイバー、あなたは聖杯のエネルギーを放出する役目よ。あなたに耐えられるかは解らないけど、やるしかないわ」
放出――――。無限のエネルギーだ、並大抵の衝撃ではないだろう。しかし、それは「全て遠き理想郷(アヴァロン)」を持っている私にしか出来ない。いくら体が崩れようとも、自動的に修復されるのだから。
「――――やろう。ここで燻っているより、遥かに現実的だ」
「その通りだ、雑種。そら、早く準備を始めんか」
「っと、その前に・・・・はい、セイバー」
少年が差し出してきたものは・・・・どこかへ飛んでいった、私の剣。
「シロウ、いつの間に・・・」
「いや、俺だけ戦ってないんだしさ。せめて探して拾ってきたんだ」
――――ありがたい。シロウに、感謝しなければならない。
ここに、「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」と、「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」の、二振りの剣が揃った。――――それを二刀流に構える。
「ありがとう、シロウ。地球に帰ったら、改めてお礼をします」
「へへっ、気にしないでくれよ」
皆を見ると、もう準備は済んだようだ。私も、二刀を天に構え、準備する。
「頑張ってくれよな、みんな・・・。悟空を、救ってくれ!」
「おとうさんを、助けてあげて・・・」
「――――任せてください」
「それじゃあ・・・・始めるわよ」
761 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. [sage] 投稿日: 2007/08/27(月) 13:21:44
無言になり、気を集中していく――――。皆、聖杯を獲得するため、各々の潜在意識へと潜ったのだ――――。
「え、英雄王、少しだけ、力を抑えてちょうだい・・・」
「我に命令するでない。・・・・だが承知した」
緊張が全身を覆っていく。
私自身は、特にすることはないが、それでも待つということは、大変に苦痛だ。
「――――よし、掴んだわ・・・。坊や、具現化して引きずり出しなさい・・・」
「わかった・・」
聖杯が、来る――――――――!
私達の中心に、光り輝く、天の杯(ヘブンズフィール)が召喚された――――。
「うぐっ、うあああああああ!!!!??」
信じられない程の衝撃が、私の体を襲った。
「セイバー、しっかりなさい!ここからはあなたに全てが懸かっているのよ・・・・。もっとしっかりコントロールしなさい!!!」
「セイバー、頑張れ!!」
体中に暴れまわる魔力を、何とか必死に、剣へと移動していく・・・・。だが、それでは剣の方がもたない!?
「う、くぅぅぅぅ・・・・」
「頑張るのだ・・・。今は貴様が頼りなのだ・・」
二振りの剣から、黄金の光が満ち溢れていく―――――!!!その閃光は、辺りを貫いていく・・・・・!!
「なっ、何なのだ、アレは!?」
「ま、待ちやがれ・・・邪魔はさせねぇぞ、フリーザ・・・・」
フリーザに、気づかれた―――――!
「ゴ、ゴクウ、逃げてください!も、もう耐えられない・・・・撃ち出します!」
「悟空!!!」
限界だ――――――――。
「おおおおおおおおッ!!!! 約束された勝利の剣(エクスカリバー)ッッ!!!!!そしてッ!勝利すべき黄金の剣(カリバーン)ッッッ!!!!!!」
閃光が――――星を飲み込む。
「うお、おっ、こっ、こんなもの・・・・・」
光を受け止めるが・・・・・無駄だ。
「こ、こんな・・・・・・・・・・・うあああああああああああああああ!!!!!!!???」
星が、壊れる――――。
―――――――――――――――――――――。
「―――――う、ううっ・・・・」
「おっ、気づいたか、セイバー」
私はどこか、知らない海にいた。
「シロウ、ここは?」
「・・・・ナメック星だよ。あの光によって、星が崩れかけたんだ・・・」
周りは・・・・海が殆どを占め、陸地は私達が乗っている、僅かなものしか残されていなかった。元の陸地部分が多かったナメック星だけに、その破壊の凄まじさを窺い知れた。
「皆さんは・・・?それにゴクウは生きているのですか?」
「大丈夫さ。ホラ」
シロウが指差す方を見れば、英雄王とクリリンに肩を担がれ、ゆっくりと泳いでくるゴクウの姿が見えた。あの大閃光の中で、間一髪、救われたらしい。
- 空を見れば、キャスターとゴハンがナメック星を観察するために浮いていた。
「無事・・・ですね。良かった――――」
「―――――ああ。本当に、良かった・・」
「帰りましょう、地球に。皆が・・・タイガ達が待っている」
「うん。・・・・・へへ、一ヶ月も家空けたから、藤ねえ怒るだろうなぁ。遠坂の奴がおちょくらないか、心配だけどな」
「フフ、本当に・・・・・」
「ははは・・・・」
1、オレは怒ったぞ・・・・フリーザ!!!
2、――――あなたがいて、笑ってくれるだけで、幸せだった
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最終更新:2007年08月28日 18:00