173 名前: D two×three×four ◆cCdWxdhReU [sage] 投稿日: 2007/09/11(火) 19:42:59
葛木はキャス子のものなので :柳洞寺で、俺は目を覚ます。
ぼんやりと浮かび上がるのは、見慣れた我が家の天井。
ああ、そうか。夢オチか。当たり前だ、月光に浮かび上がる女人など現実には‥‥
居た。
自分の傍らに座り込んで、少し顔を強張らせて見下ろしている。
目が合うと、ふわりと笑う。胸を撫で下ろしたのが見て取れた。
暖かい女性だ。
「おはよう、いらない子。」
訂正。ひどい。ひどすぎる。
「うるさいッ!そんな事前回からの放置プレイで薄々感づいている!!」
ていうか、『そうか夢だったんだ』ネタは前に使った気がする。お先真っ暗この上ない。
「悪いけど、あがらせて貰ってるから。」
「‥‥父や兄はどうしたのですか。」
「『彼が具合を悪くして蹲ってたところを介抱して連れて来ました』」
むぅ、原因は何であれ、昏倒した俺を此処まで運んだのは事実だろう。
酷く要領の良い、そして少々調子のいい人。
(‥‥‥、原因。)
顔が熱くなる。あり得ん、見ず知らずの、女性から。せ、せ、接吻など‥‥‥!
思わず袖口で唇を拭い、女性はその動作を気にとめた。
くすりと、自然に漏れる笑顔。
「息子と大して変わらない君に、興味は無いの。
でも、『そうしないといけない』ルールだから仕方なく。
本当は、なるべく他人の手なんか借りたくないんだけどね。」
「‥‥?」
「君は知らなくていいわ。難しいことだから。」
女性は俺に向けた優しい視線を、そのまま虚空へ流し。
「さて。それじゃあわたしは少し出るから、君はもう少し寝ているといいと思う。」
そんな事を言って、彼女は立ち上がった。
「待って下さい、あ‥‥‥」
「雪子。」
「‥‥‥雪子さん。何処へ?」
微妙な表情。感情を隠すのは、余り上手くはないようだ。
「仲間のために、少し。」
然し其れが、何を指すのかは判らない。
これからも:夜道に女性が一人では危ない。お供しましょう。
続けさせて:なんだか異常に体がだるい。雪子さんには悪いが、寝よう。
頂きたい。:‥‥待て、『少し出る』ってどう言うことだ?
(此れだけで元ネタ判る人が居たら少し嬉しい)
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最終更新:2007年10月22日 17:26