347 名前: 疾風伝説 突っ込みの士郎 ◆6/PgkFs4qM [sage] 投稿日: 2007/09/20(木) 01:00:02

「畜生、こうなりゃヤケだ……。俺も“トコトン”やってやるぜ!?(ビキッ)」
「さすが“シロウ”! その言葉を聞きたかった! では“シロウ”は“先”に“A”突堤(とつ)に行っていて下さい。私はその間に“メンバー”を集めてきますから」

 そういい残し、セイバーは急いでどこぞへと去ってしまった…。俺は今から1人でさっきの奴らと立ち向かうこととなった。
 普通ならここで“ビッ”てしまう所だろうが……。

「計画通り!(ニヤリ)」

 何てこった、こんなにも早くに“チャンス”くるなんて。
 ……そもそも俺が彼女にここまで付き合う理由なんてない。ヘタに手を出して大怪我をすれば、それこそつまらないじゃないか…。
 笑みが堪えきれずに顔中へと噴き出す。さて、帰るか…。
 だが、それは意外な伏兵に阻止されることとなった。

「お、さすが“シロウ”クン。“戦争”前に笑っちゃうだなんて“キング”の言ってた通り、肝が据わってらあ。じゃ、気合入れて行きますか」

      !?

「え、誰、キミ…」
「あれ、“キング”から聞いてませんでした? “A”突堤(とつ)までの案内役を勤めさせていただきます、ベディヴィエールです」

 …………なんでさ。
 セイバーの奴、ちゃっかり監視役を置いていきやがった。これじゃ逃げられないじゃないか……!

 ベディヴィエールさんは俺を単車の後部座席に(半ば強制的に)座らせ、行きたくもない“A”突堤(とつ)に向かって出発(デッパツ)した。

「……………」
「……ね、ねぇ、そのこれから“A”突堤(とつ)に向かう訳だけどさ、そこにいる人たちってむちゃ強かったりするかな?」
「えぇ、そうですねぇ~。ウチの“キング”と互角じゃないですかね? でもま、ウチの“キング”はその中でも“イットー”強いですがね!」
「あのさ、その人たちと俺って喧嘩するんだよね?」
「そっスね。でも“キング”が信じている人だ。“ドえれー”スゲェ人なんだって俺も信じてますから」
「あ、あのね、その“戦争”なんだけどさ、みんなで仲直り~って展開は無理、かな……?」
「…………………」

 すると今まで穏やかに話していたベディヴィエールさん、何か無表情になって、近くに止めてあった車に近づいて………バイクごと“体当たり”した……!?

ゴッ…!

      !?

「“シロウ”クン。こいつぁ俺の"かわいい"単車ですよ…。でも“手”を“滑らせて”しまったんで車体にぶつけてしまったんすよ。でもよ…あんまし俺のことを“不快”にする奴がいれば…もしかしたらそいつも車体に“ぶつかっちまう”かもしれねーな…」
「は、はひ…」

 幸い(?)足を車体にぶつけてブレーキをかけてくれたが……。もしそんなことしてくれなかったら、俺とこいつ死んでたぞ!? うひひひひ………ぢぐじょう、逃げられねー…。

 そんなこんなで、この世の地獄、“A”突堤(とつ)へと到着してしまった……。辺りを見回せば……いるわいるわ、“族”の方々がたくさんいらっしゃりやがった…。

「!?(ビキッ)」
「!?(ビキビキ)」
「!?(ビキッ!バキッ!)」

      !?

「ひぃぃぃ、む、無理、無理だよォ~~~~!? 俺1人だなんて絶対無理!」
「大丈夫ですって、“シロウ”クンなら」
「ていうかキミ、俺とさっき会ったばっかりだよね!? 何でそんなこと言えるのさぁ!?」

 と、うんこ座りしている連中の中に、スクッと女が立ち上がった。この女、先程出会った“ライダー”!?

「旗持ちの“ベディヴィエール”か……。まさかてめェ“1人”で“戦”う気じゃねーだろーナぁー……? ヒャッハァ!! ゴリラのヌイグルミかァ!?」
「……(ビキ)」

 俺は頭数に入れられてない…? ラ、ラッキー。い、いや、マズイ、止めなければ…。
 俺は慌てて彼らの間に割っては入ろうと駆けつけた。が、足に何かが躓いたような感触がした後、体が前へと倒れて行く…。あれ? デジャブが……?

つるっ………ズン!

      !?

 ええっ!? 何故か“ライダー”さんの鼻柱に俺の頭がめり込んでいる!? しかも“鼻血”出しちゃってるゥ~~~~!!!?

「ひょう!  “シロウ”クン、“いきなり”“チョーパン”だなんて“COOOL”だゼ!? “蛇女(メデューサ)”の“族長(ボス)”が早くも“流血”だァ!?」
「あ、あ、ち、違う…俺は……」
「じゃ、俺はここに向かってる“キング”を迎えにいってきますから。どうせなら“キング”が来る前にこの女“殺”っちゃっててくださいよ」
「え!? その、“ベディヴィエール”さん!?」

348 名前: 疾風伝説 突っ込みの士郎 ◆6/PgkFs4qM [sage] 投稿日: 2007/09/20(木) 01:01:51

 俺のことなんて無視して1人だけちゃっちゃと帰っちゃう“ベディヴィエール”さん。と、同時に後ろからビキビキという音が聞こえてきた…。

「まァ~~~た、てめェかァ……? チビ……(ビギビギビギ)」
「ひィッ!? “ライダー”!? ……さん」
「“ムカつき”が止まんねーよ……。お前の“臓物(ハラワタ)”ブチまけて“喰”っちまうよォ!?」
「ひいいいいいい!?」

バキッ!

      !?

「ぶげあっ!」

 な、殴られた…。父さんにも殴られたことがないのに!?

「テメェあ倒れやがったなぁ~!? こっからぁ“何でもアリ”だぜ!」

バチッ!

「ぐぇっ…」
「どーよ“女王の毒鞭(ベルレフォーン)”の味ぁ!? “死ぬまで”やってやんぞコラぁ!」

      !?

 ヤ、ヤバイぞコイツ…。こんな早くに“凶器(ドーグ)”出すなんて……。しかも自分の言葉にキレてやがるぞ!?
 ち、畜生、奴の打撃を受けて意識が薄れ始めてやがる…。こ、こんな所で気絶したら、こ、“殺”される…。
 しかし俺の意思とは逆に、脳は停止を呼びかけている。マ、マズイ、ころ、され、る………。

 ………。
 ………………。
 ………………………………。


「あんまチョーシくれてっと“串刺し”にしちまうよ!」

「オウ!! “槍”持って来い!!」
「サ…“サバイ”よ!」
「逃げてんじゃねーゾ? ダボがぁ!!」

「どうョ…私と手を組みゃ世界の“半分”くれてやるゼ…?」
「ああ…!? バカヤロゥ…テメェを殺して“全部”我のモンだゼ?」
「“!?”」

「必ず殺す―――(エクス―――

               ――――怨念の剣 ――――カリバー)!!!!!」

ドッゴオオーーーン……!


      ! ?


「―――――うわああああっ…!!」
「わっ、シロウ!?」

 周囲を見渡せば……いつもどおりに何もない、簡素な俺の部屋。そして、横にセイバーが寄り添っていてくれた。これは、一体――――?

「どうかしましたか、シロウ……?」
「…………あー、あ~~…」

 そうだ。俺は風邪で倒れちゃって、寝込んでいたんだ。昨晩蔵で寝込んじゃったのが原因だったっけ…? パジャマが汗でぐしゃぐしゃだ。

「――――フフ、余程悪い夢を見たようだ。待っていてください、今タオルと水を持ってきますので」

 そう言い残し、セイバーは部屋を出て行った。
 ――――悪い夢を見た。最悪な夢だ。でも……えーと、どんな夢を見たんだか思い出せないな…。
 とにかく寝たハズなのに逆に疲れてしまった。横になろう。

ガラリ

「ん、セイバーか? っと、ライダー……?」

 見れば、彼女の鼻にガーゼが貼られていた。……またセイバーと喧嘩でもしたのだろうか?
 何はともあれ、彼女が俺の部屋に来るのは少し珍しい。何の用だろう。

「いえ、ね。“出来の悪い”“電柱”に“ぶつかって”しまいまして。痛くて痛くて先程からとても“疼く”のです……(ビキ…)」

 ――――あれ? 何か、デジャブが…。

「という訳で、士郎。何故だかは解りませんが、今貴方に“八つ当たり”したくて堪らないのです…。少し我慢していてくれませんか? “チクッ”とするだけですので……」

 ライダーが、口を大きく開け、犬歯を俺の首筋へと近づかせていく……!あ、あれ? 彼女、こんな性格だったっけ??

チクッ

      !?




“ご愛読”、ありがとうございました!
6/PgkFs4qM先生の次回作にご期待ください

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年10月22日 18:08