412 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/09(金) 19:50:26
選:しばらく余韻を楽しみたい。
裸のままのイリヤの身体を膝にのせて、後ろから抱き締めて可愛がった。白い髪に鼻先を沈めて、イリヤの匂いを満喫する。肩や胸、お腹を自然に愛撫したけど、それは性欲ではなく親愛故に。
「甘えんぼさんだね、シロウは」
振り向いて俺の耳たぶを甘噛みしてから、イリヤが耳元で囁いた。
「そうかな?」
「ええ。甘えんぼで可愛いわ。そっか、男の子だもんね。いいよ、お姉ちゃんにもっと甘えて」
その優しさと温もりがあまりにも嬉しかったから、まるで幼子をあやすように、揺りかごのように身体を揺らした。膝の上のイリヤも一緒に揺れる。戯れにお臍に指を入れてくりくりといじると、小さな悲鳴が聞こえてきた。
「本当に、何度触ってもすべすべだな、イリヤの肌。普段なにを食べてるんだ?」
「シロウの料理よ。愛情がたっぷり入ったやつ」
「あ、そっか。……だとするとこれは神秘だな。俺と同じもの食べてるのに。ほら、こんなにも柔らかで気持ちいい」
男と女の違いだろうか。いや、それでもイリヤは特別なんだろう。
「やっぱり、可愛いな。姉さんは」
「……うん」
消え入りそうな、だけど確かに聞こえた喜びの声。それっきりしばらく会話は消えたけど、沈黙がとても暖かかった。
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「ねえ、シロウ?」
「どうした?」
「抱いて」
不思議と驚きはなかった。イリヤの声にも緊張はない。なぜか、そうするのがとても自然のように、お互いに穏やかなままで在り続けた。いっそう深く抱き締めて、沈み込むようにイリヤに溺れて、俺は。
「抱かせてくれ、イリヤ。俺も、イリヤが欲しくてたまらない」
それは、愛か寂しさか憐憫か。
「わたしを士郎のものにして欲しい。士郎をわたしのものにしてしまいたい。だから……」
胸に沸き起こる感情の名前も知らず、過去になくした半身に手を伸ばすように、当たり前にイリヤを求めている。
「まずはもう一度風呂に入ろう。マッサージはまた今度になるけど、いいか?」
「うん、いいよ。わたしも早く抱かれたいから」
そうと決まれば我慢は出来ない。この部屋の片づけもそこそこに、イリヤを抱き上げて風呂場へ向かう途中、ふと、恥ずかしそうなおねだりが聞こえた。
「ねえ、シロウ。お風呂に入ったら、もう一度わたしを洗ってくれる?」
ああ、確信した。俺はこの先、一生かかってもこの小さな姉さんにかなわないのだろう、と。耐えきれずに唇を奪ったら、よしよしと頭を撫でてくれた。
なんだか、嬉しすぎて涙がでた。
413 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/09(金) 19:52:39
/エピローグ。
布団の中で目を覚ました。空は微かに紫で、もうすぐ夜明けの時間だろう。日に日に暖かくなるこの季節。暦の上ではもう春でも、それでも朝の空気はまだまだ冷たい。布団をずらすと冷たい外気が流れ込んで、俺の上にいた悪戯娘が悲鳴をあげた。
「なあイリヤ、あの起こし方は止めてくれって言わなかったか?」
起こしてくれるようになったのは嬉しいけど、とイリヤをジト目で見つめてみる。
「あら、シロウはハグハグされるの嫌い?」
わたしはしてあげるの好きだけどな、なんて唇をなぞりながら仰るイリヤさん。まったく、そんな妖艶な流し目、どこで憶えてきたのやら。どうせまた遠坂の仕業だろうけど。
「あまりからかわないでくれ。ほら、そろそろ桜がやってくる時間だぞ。あと早く服着ろ。風邪ひくから」
「うぅ。あの純情だったシロウが平気でムードをぶちこわすような発言を……」
今度はよよよ、と似合わない泣き真似をしている。こっちは藤ねえの影響か? まあ、みんなと楽しくやってるのなら問題ないけどさ。
「あ、そうだ」
「どうした? イリヤ」
ふと思い出したように微笑むイリヤ。そして。
「おはよう。愛してるわ、わたしのシロウ」
「ああ……、おはよう。俺も愛してるよ、可愛い姉さん」
どちらからともなく唇を重ねて、新しい一日のはじまりを祝った。
414 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/09(金) 19:57:04
没選択肢集
- 唐突にッ! 波紋の才能が覚醒したーーーッ
- お尻の穴に指を突っ込む。
- 渇かず飢えず無に還れ。
最終更新:2007年11月15日 14:33