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第一話『夢の島』

 むかしむかしあるところに隕石が落ちたそうです。
 むかしを具体的に言いますと西暦2000年の2月21日みたいです。
 余談ですがかつてソ連と呼ばれていた地域では昔々ではなくて『そう遠くない未来』とか『近い将来』的なニュアンスになるそうです。
 すごいですね、共産主義とか社会主義。時間の流れをねじ曲げるほどの潜在能力がありそうです。
 あんな北国にそんな力があったら笑ってしまいますけれども。
 これ以上を長くしても不毛ですので余談は終了、そろそろ本編に入ろうと思います。

 ですが。
 本編に入る前に後一つ言わせて頂きます。
 わたしことわたしはこの物語の主人公にして信用できない語り部――と言うよりは信用してはいけない語り部かつおとぎ話から出てきた様に可憐で清楚な女の子です。
 名前は訳あって言えないのでフェアリー・テールさんと呼んで頂ければ幸いです。
 では、わたしによるわたし視点のへんてこりんな物語の開幕です。

 前途は多難ですけれども。


 ◆◆◆

 あの隕石が落ちた日、世界は衰退しました。
 人類は衰退しませんでしたが、 世界に冠たる大英帝国もまた、世界と一緒に衰退しました。

 悲しいですね、悲しいですとも。
 優雅で風雅な生活は夢のまた夢です。

 夢と言えば極東にニホンと呼ばれていた国に夢の島という島があるそうです。
 噂によるとそこに行けば夢みたいな世界が広がっているそうです。
 ウソかホントか解りませんが、夢みたいな世界が広がっていると聞いては放っておけません。
 すったもんだがありまして大英帝国は侵略することになりました。
 ええ、そうです。侵略です。議会で決まったらしいです。

 問題はありません。
 いいえ、あります。ない筈がありません。
 侵略に行くのは議会の人ではなくてあの隕石が落ちた日以降に生まれた若者、つまり私たちなのですから。
 因みに私たちには隕石の影響のせいか謎の能力、私たち的な用語で言えば魔法がありますがどんな魔法なのかはまだ秘密です。
 ええ、秘密ですとも。
 一応切札ですので。


 ◆◆◆



「こ、これは――まさに夢の世界なのだわ!」

「悪夢ですけれども。――主に」

「想像してごらん、世界に悪夢が広がっている事を――」

「ノーフューチャーってヤツだ」

 絶句。絶句してしまいました。長い船旅を経て上陸した夢の島は夢は夢でも悪夢が広がっていました。
 見渡す限り瓦礫やゴミの山脈が広がっているのです。
 およそ人が住める場所ではありませんでした。

 侵略の尖兵として共に派遣された私たち一行は絶望にうちひしがれてしまいました。

 メンバーを紹介しますと
 ツインテールのだわだわ星人のアンさん、せいたかのっぽのやせっぽち、胸は発展途上国のわたし、眼鏡と長髪がトレードマークのジョンさん、腐った瞳が特徴的なシドくんの四人です。

 何度見てもゴミの山脈はそびえ立ち、沈む夕日は世界を朱色に染めています。
 ええ、ただそれだけです。
 帰ろうにも私たちを乗せてきた船は水平線の彼方ですし、泳いで帰るには太平洋は広すぎます。
 なんと言いますか、一言で言えば絶望です。
 ですが。
 一人希望を捨てていない人がいました。その人は慣れない手つき、ぎこちない動きで支給品のテントを設営しています。


「間違いがあると困るのだわ! 間違いがなくても困るのだわ!」

アンさんでした。つぶらな瞳を爛々と輝かせてあまり理解したくない計算式を呟きながら鬼気迫る勢いで不様なテントを設営しています。

「想像してごらん、テントが風が風に飛ばされた時の事を」

 見かねたジョンさんが手伝おうとしましたが、アンさんは葛藤しました。
 ええ、そうですとも。アレは葛藤です。悶え苦しんでいます。不埒な言葉を呟きながら悶えています。ひょっとしたら萌えているのかもしれません。
 不埒な言葉をかいつまみますと

「二人の愛の巣は二人が作るべきなのだわ! でも二人の初めての共同作業は■■でなければならないのだわ!
 (中略) 悩むのだわ! どちらが攻めでどちらが受けにすればいいのか悩むのだわ!」

 結局南極最終的には男性陣がマトモにテントを設営してくれました。
 部屋割り(?)は無難に女性陣と男性陣となりました。
 とにもかくにもアンさんのえも言われぬ笑顔が印象的な侵略初日でした。


 to be continued?

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最終更新:2011年01月09日 16:53
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