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魔法少女シェアード系 > 2


「ぼくしつじー」

「めいどやーなの。おとこのこせいぶんきょうきゅうかたなのー」

「おじょうさま、おちゃをどうぞ」

 侵略を始める前に作戦会議としてお茶会をすることにしました。

 準備してくれたのは私が魔法で召喚した妖精さんです。
 身の丈10cm、素敵バランスの三頭身、つぶらな瞳と舌足らずな口調がキュートな妖精さんを操るのが私の昼の魔法なのです。
 妖精さんといっても侮ってはいけません。メルヘン世界の住人ですのでいろいろな事が出来るのです。
 お茶会なんておちゃのこさいさいなのですが、気を抜くと――。

「おちゃなんてぼすとんのうみにすててしまえー」

「へうげえ。きんときどのがむくむくでござる」

 なんて事になってしまいます。

「あなたたち、おいたが過ぎると目鼻くりぬきますよ?」

 とにもかくにも。
 外れかかった軌道を修正しながらですがお茶会です。

「みなさん、お代わりは如何ですか?」

「想像してごらん、だだ甘の紅茶を飲まされる苦痛を」

「ガッデム! 紅茶を飲んでもハイにゃなれねえ。ノーフューチャーってヤツだ」

「スコーンよりもプディングの方が好きなのだわ!」

 こんなに楽しいお茶会を開いた私を褒め称えるのに遠慮はいらないのですが、本音を言ってくれません。
 悲しいですね、悲しいですとも。
 荒廃した世界は人の心を荒ませてしまいました。
 こんな悲劇はありません。
 人が人としてお茶会を楽しめないなんてとても酷い事です。はっきり言ってあり得ません。
 楽しいお茶会を開いてさし上げた私を褒め称えないなんてあってはならない事なのです。

 ああ、成る程。あってはならない事が平気で出来るこの人達は人でなしだったんですね。そうだとしか思えません。
 納得です、さもありなんです。薄々は感づいていましたがやっぱりそうでした。

「――申し訳ない、ご婦人よ。お茶を一杯所望したい」

 ――誰ですか、私の切ないモノローグを邪魔する人は。

 腹立たしい事この上ないのですが、ドーバー海峡よりも広い心を持つ私はお茶会に参加したい人を拒めません。
 優雅で可憐な英国淑女メルヘン風味として拒む事は許されないのです。

「どうぞ。歓迎いたしますよ」

 穏やかな物腰で謎の来訪者をお出迎えです。

「想像してごらん、何処の誰か解らない人間が傍にいる恐怖を」

「ガッデム! ちんけなオーディエンスじゃベースもひけねえ」

「攻めリバ様降臨なのだわ! 攻めの食い合いなのだわ! ――萌えるのだわ!」

 私以外の人でなし達に散々な事を言われながらも謎の人は罵詈雑言をするっとスルーしています。
 謎のお方は存外に大人ですね。今までにない、ちょび髭じゃないダンディズムです。
 かっこいいですね。人でなし1号と2号に見習って欲しいことこの上ないです。

「ミルクと砂糖はどうします? よろしければスコーンもどうぞ」

「ご婦人よ、無礼に無礼を重ねるのは心苦しいが――連れがいる。同席させてよろしいか」

「ええ、勿論ですとも。お茶会は人数が多い方が楽しいですし」

「――かたじけない」

 不思議ですね。他愛のない会話ですがおもったよりも楽しい感じです。

 へんてこりんな軍服チックな服装はセンスを疑ってしまいますが、精悍な顔立ちとオリエンタルかつエキゾチックでミステリアスな雰囲気はなかなか素敵です。
 シドくんにはジョンさんを、アンさんにはこのお方の連れを押しつけてしまえばあら不思議。
 世界は薔薇色です。
 そうです。そうなのです。私が決めました。そうであって欲しい乙女心は複雑なのです。
 とにもかくにも、わたしに課せられたのはお連れの方とアンさんをラブラブな中にすることです。
 つまり!私はラブラブさんなのです!
 ――あれえ?
 小さな胸にに手を当てて冷静に考えると展開の気配がしますね。――しますかね?

 そんな訳で続きは次回のお楽しみの前に。

 余談ですが。
 ダンディでミステリアスな人は人呼んでカミカゼのヤスクニさんでお連れの方は朝敵のアイズさんだそうです。

――to be continued?


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最終更新:2011年01月09日 17:02
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