白夜「ふう……神出鬼没でミステリアスで油断ならないゴスロリ少女を演出できたのはよかったけれど(ブツブツ)」
白夜「あの怪奇蟷螂男、言うに事欠いて「プ○キュア」ですって(ブツブツ)」
白夜「フン。冗談にしても笑えないわね。よりによってどうしてあんな乳幼児向け子供だましアニメなんか(ブツブツ)」
白夜「そうよ。子供だましよ。何が「堪忍袋の緒が切れました!」なのよ(ブツブツ)」
白夜「…………フン」
白夜「…………(そわそわ)」
?「なーにそわそわしてるのかなー白夜さーん」
白夜「きゃ!? だ、誰!?」
?「あはは。素でびっくりしてる。かわいー」
白夜「くっ。私としたことが……夢想事に囚われて絶対自己形成領域をこうも容易く侵されるなんて……」
?「パーソナルテリトリーとも言うよね」
白夜「そんな陳腐な横文字で置換するのは慎んでほしいわね。つーかそろそろ自己紹介ぐらいなさい無礼者」
楓「はーい! 大地に根差し、風となりて人と世界を護る女!
樹下楓! ここに参上!」
白夜「……えー、ごめんなさい。なんですって?」
楓「ちゃんと聞いててよ! 大地に根差し、風となりて人と世界を護る女! 樹下楓! ここに参上!」
白夜「これは途方もなくハイレベルな厨二病患者が来たわね。気の毒だわ」
楓「そのセリフ、たぶんこの世界で一番言う資格ないわよ君」
白夜「私は厨二病ではないもの」
楓「ウチだって厨二病違う!」
白夜「あ、そう。まあいいわ。で、フロイライン楓。この白夜に何用?」
楓「フロイラインと来た。あのね、さっき白夜、そわそわしてたでしょ。○リキュアがどうこう言いながら」
白夜「……してないわ」
楓「詰まった! 今詰まった!」
白夜「つまうぅんうっうぅん! 詰まってないわ」
楓「噛んだよね! 今動揺して噛んだよね!」
白夜「フロイライン楓。貴女は一体何が言いたいのかしら。私、まどろっこしい無駄話は大っ嫌いなの」
楓「プリキュアになりたいんでしょ! わかってるんだから! ……これでいい?」
白夜「なっ……」
楓「わかるよ! 女子のヒーローだよね! 男子にとっての仮面ライダーみたいなものだもんね!」
白夜「ちょっと」
楓「というわけで白夜、ウチと二人でユニット組もうよ!」
白夜「ユニット? ……って何を勝手なこと」
楓「はいけってーーーーーい! じゃあさっそくリハしようリハ」
白夜「何なのこの子……この私が振り回されている……」
楓「まず変身前の掛け声決めよー」
白夜「もうどうにでもなれね。そうね、何がいいかしら」
楓「『チェンジリング・プリ○ュア!』とかどうかな?」
白夜「押しが弱いわね。もう一言欲しいわ」
楓「うーん辛口。じゃあねー……『チェンジリング・プリキ○ア! スタンバイレディ!』とかは?」
白夜「グーね。ちょっとメカメカしいけど」
楓「よし決定! じゃあ次は名乗りね。あ、でもまず名前を決めないと。ウチはキュアメイプルで」
白夜「楓だから? 安直じゃないかしら」
楓「いいのシンプルなほうが。白夜は何にする?」
白夜「キュアシュヴァルツね」
楓「いかついよ! 可愛げないよ!」
白夜「次は名乗りね」
楓「意志は固い、と。ウチの名乗りはねー……『奏でるは、たおやかに薫るそよ風の調べ!』とか」
白夜「悪くない感性ね。『か』が多いけど。じゃあ私は……『奏でるは、悲嘆と絶望に沈む堕天使の調べ!』ね」
楓「夢がないよ! めっちゃダークだよ!」
白夜「これぐらいの目新しさがないとウケないわ」
楓「ま、まあいいわ。じゃあリハしよう! 行くわよ白夜! せーの」
二人『チェンジリング・プリキュ○! スタンバイレディ!』
(ここで変身バンク挿入)
楓『奏でるは、たおやかに薫るそよ風の調べ! キュアメイプル!』
白夜『奏でるは、悲嘆と絶望に沈む堕天使の調べ! キュアシュヴァルツ!』
二人『…………』
二人「……あ」
楓「変身バンク後の口上決めてなかったね……」
白夜「私としたことが。不覚だわ。なんて締まりのない変身かしら」
楓「でもいい感じだったね!」
白夜「ええ。私たち、いいユニットになれる予感がするわ。フロイライン楓、これからもよろしくね」
『チェンジリング・プ○キュア!』。それはこの世界のどこかにある、しかし決して始まることのない物語。
登場キャラクター
最終更新:2011年05月05日 00:35