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スレ3-846の続きの話です。



「智紀!一が風邪を引いてしまったので、今日の夜番を代わってあげなさい!」
突如、目の前のお嬢様がそうのたまった。
「え、今晩は…」
「夜番といっても、今日はパーティの準備と片付けくらいだから大したことありませんわ。問題ありませんでしょう?」
相変わらず他人の話を聞かないお嬢様は、私の返事を待たずにどこかへ行ってしまった。
準備はともかく、片付けをやらされるとなると、数絵との約束に間に合わない。
だが、一度ああやって言い放ってしまったら、透華は容易には撤回してくれないだろう。
「ゴメン、南場…」
携帯を開き、南浦数絵、と登録されたナンバーへ電話をかける。が、
「お客様のお掛けになった番号は、電波の届かない位置にいるか、電源が入っていないため、掛かりません…」
無機質なコールが耳に響くだけだった。
(まずい!)
焦った私は、何度もリダイヤルしてみる。が、当然掛かるはずもなく、無情にも同じコールが繰り返される。
(お願いだから読んで…)
一縷の望みを託し、メールを送信した。



PM8:50 ○○駅前

「紫炎姫さん…」
そっと呟くその口から、息が白く漏れる。
憧れの女性との夕食。
それが12月24日の夕食ともなれば、少女には特別な意味を持つ。
「夕食を一緒に摂って、その後は…」
私は思わず妄想にその身を委ねた。
「ああ、お爺様。数絵は今夜大人になります!」
どうやら、とんでもないところに妄想が行ってしまっているようだ。
後10分後には、その女性が目の前に現れる…
期待に、心臓を早鐘のように鳴らす私にとって、その10分はとてつもなく長かった。



同時刻 同場所

「ふひひ…」
改札の前に佇むポニーテールの少女を、私は物陰、いや堂々と見張っている。
(ステルスってのは便利っすねぇ)
その少女と別の意味で心臓を早鐘のように鳴らし、私はその時を待つ。



PM9:30 ○○駅前

「智紀さん、遅いです…」
9時半を指す駅の時計を見ながら、心配になった私は携帯を取り出す。
「あ…」
電池切れが切れていた。
真っ黒な携帯の液晶を見つめ、自らの過ちを呪う。
結局、私にできることは、信じて待つことだけだった…





のどっち:ようゴミ…
紫炎姫:のどっち!!!!
のどっち:挨拶に割りこ…
紫炎姫:頼みがあるっ!!!!!
のどっち:あー?お前Sさんとのパーティの余韻を邪…
紫炎姫:至急○○駅に行ってくれ!頼む!!!
のどっち:嫌だよ。何で…
紫炎姫:頼む!訳は長くなるからメールする!!!とにかく急いで向かって!!!!!
のどっち:…どうやら真剣なお話のようですね。分かりました。
紫炎姫:ありがとう…





PM10:00 ○○駅前

(しかし、紫炎姫さん遅いっすね…)
しばらく前から、雪がちらつき始めていた。
あまりに寒いので、缶コーヒーを買って寒さを凌ぐ。
相変わらず微動だにしない、ポニーテールにした髪の上に白いものが積もり始めた少女が気の毒になる。
(でも、紫炎姫さんに連絡するわけにもいかないっすし…)
結局待つことしかできない自分がもどかしい。
(せっかくのホワイトクリスマス、こんなBADENDを見るために来たんじゃないっすよ、紫炎姫さん…)



PM10:30 ○○駅前

「結局、私はフラれたんだ…」
自分の情けなさに悲しくなる。
携帯の電池切らすとか、待ち合わせなのにミスも甚だしい。
自分の愚かしさに悲しくなる。
知らず、私の目からは、熱いものがあふれ始めていた。
「どうしようかな…」
もう何をしたらいいのか、考えることもできなくなった時、

「南場さんっ!!」

背後から突然呼ばれた。
振り返り、ぼやけた私の視界に飛び込んできたのは…
舞い散る雪の中、佇む一人の天使だった。



全く、何ということでしょう。
急いで電車に飛び乗り、途中で紫炎姫さんから送信されてきたメールに目を通して、私はため息をつく。
何て不器用な二人…
どうせ南場さんのことだから、一晩中でも待ってるに違いない。
雪も降り始めてるし、風邪をひかなきゃいいけど…
目的地に向かう電車の中、何もできない自分がもどかしい。

「○○~、○○~」
駅に着き、扉が開くか開かないかで飛び出す。
階段を駆け上がり、改札に向かって走る。
改札前に落ちていた、コーヒーの空き缶をゴミ箱に捨てながら、改札を駆け抜ける。
「いた…」
やはり待っていた。
頭に雪が積もり、寒そうに縮こまっている彼女に声をかける。
「可哀想に、こんなに冷え切って…」
とりあえず事情は道中話すとして、彼女の手を引いて歩き出した。




意識が朦朧としていた。
そんな私の手を、天使は握り締めて導いてくれた。
電車に乗り、どこかへ向かう天使と私。
その天使は、電車の中で、仕切りに私に何かを話してくれていたが、あまり耳に入らなかった。
しばらくして電車を降り、改札を抜けると、見覚えのある風景が広がっていた。
「あ…前にオフ会をしたときに…」
暗く、雪も降っていたが、間違いなかった。
初めて目の前の天使に、そしてあの人に会った場所…
僅かな意識の中、そんなことを思う私は、その思い出の中にいる人物がもう一人ここにいることにまるで気付かなかった。




(これは…面白いことになってきたっすね。)
来るはずの人物とは違う人物が現れ、思っていたのとは違う進展を見せる状況。
思わず、というか当然のように、ストーキングを開始していた。
なんとも、いやなんのど、なこの状況に、ワクワクが止まらない。
(ここからは、ステルスモモの独壇場っすよ!)




コンビニに寄り、体の温まりそうなものを買い求め、自宅に向かう。
真っ暗な自宅。やはりお父様は東京から帰っていない。
鍵を開け、電気をつけて南場さんを迎え入れる。
「そうだ、シャワーを浴びさせてあげなきゃ…」
タオルと着替えを用意し、南場さんを風呂場に連れて行き、シャワーの使い方を説明してあげる。
だが、いつまで経ってもシャワーの音が聞こえてこない。
「ちょっと…それは無しですよ…」
しばらく葛藤したが、捨て犬のような南場さんの姿を思い出し、覚悟を決める。
(宮永さん…ごめんなさい)
心の中で土下座し、ため息とともに立ち上がると、風呂場に向かった。




湯煙の中、シャワーを浴びる美少女二人。
(おお、眼福眼福っす)
浴室には何故か、美少女は三人いたらしい。
(くーっ!これを録画できたら、一財産できるのにっすーーー)
※犯罪です
(しかしおっぱいさん、相変わらずすごいっすねー)


本当に独壇場だった。




誰かがシャワーを浴びさせてくれたらしい。
気付くと、パジャマを着てどこかの部屋に座らされていた。
だが、自分の他に人影はいない。
「天使がいたような気が…」
温かいお湯と、優しい手つきと、背中に当たる柔らかい感触だけは微かに憶えている…

!?
急に顔に血が集まる。
あわてて近くにあった鏡を見ると、顔が真っ赤になっている。
「あ…」
髪がシャワーを浴びたままになっているのに気付き、リボンでいつものように結わえた。
すると、のどっちさんが、おでんやら飲み物を持って部屋に入ってきた。
「あ…」
そこでやっと理解した。
のどっちさんが私を助けてくれたんだ…
ありがたい気持ちと、目の前にいる人が、望んだ女性でない、というやるせない気持ち…
私は気持ちがないまぜになったまま、飲み物の一本に手を伸ばし、一気に飲んだ。

何故か、またも意識が朦朧とした。




食べ物と飲み物を用意し、部屋に戻ると、南場さんが目覚めていた。
ご丁寧に、髪をいつものポニーテールにしているのがご愛嬌だ。
私はテーブルに持ってきたものを置き、複雑な表情をしている南場さんに、もう一回事情を説明してあげようと、口を開きかけたその瞬間、南場さんが缶を一本手に取り、プルタブを開けると、一息に飲み始めた。
「あ!」
いつの間に紛れ込んでいたのか、未成年が口にしては色々と問題のある液体を、一気に喉に流し込む南場さんを呆然と見つめる。
「はふ…」
南場さんは飲みきると、トローンとした瞳になり、眠そうにそんな可愛い欠伸を漏らした。

おそらく、今状況を話しても、彼女には伝わらないだろう。
「仕方ありませんね…」
今日何度目かのため息をつくと、私は彼女を抱っこして、ベッドへ連れて行ってあげた。




夢を見ていた。
優しく、いい匂いのする女性に抱かれて眠る夢だ。
こんなに安らげるということは、お母さん?天使?それとも…
久しく忘れていた、この感触。
いつ以来だろう、こんなに安心して眠るのは。
この温もり、感触を放したくなくて…
私は目の前の、柔らかくも弾力のある母性に顔を埋めると、深い眠りに身を委ねていった。




「……」
何故こうなってしまったのか。
自分のベッドの中で、南場さんに抱きつかれている。
そんな状況に、困惑するしかなかった。
「全く、そこは宮永さんの指定席ですのに…」
言い訳するように、そう呟いてみる。
だが、自分を信じきったように、身を委ねて寝ている南場さんを、無下に突き放すことはできなかった。
「……さん。」
そう呟いて、私の胸に顔を埋める南場さんに、困惑の度合いはますます大きくなる。
そうこうしているうちに、空が白み、眠気が襲ってくる。
「仕方ありません、今日だけですよ?それにしても、紫炎姫さんにはこんなとことても見せられませんね…」
目の前の、可愛い寝顔のポニーテールをきゅっと抱いてあげると、睡魔が意識を奪っていく。

眠りに落ちるその瞬間、どこかでピンピロリーン、という音がしたような、気がした…




「これは、予想外の大スクープっすね。」
早朝の朝靄の中、原村家を出て行く黒髪の少女がいた。
「さて、これを誰に見せるっすかねぇ?いきなり紫炎姫さんに送るのは芸がないっすしねぇ…」
いたずらっ子のような表情で、散々悩む少女の足取りは軽い。



本っ当に独壇場だった。





そんなオチ。

スレ3-841に触発され、スーパーのどともタイム書こうとしてNTTと題打ったのにどうしてこうなった?


namber:なんともタイムでもNTTですよ!


結局NNTになっちゃったよ、ゴメン。
私は新境地を切り開く者、そしてギャグを書く者。
なんとも、のどともは職人さんいらっしゃるから、私が書かなくてもいいかな、と思った。
反省はしていない。
しかし、これって誰得だろうね?


ステルスモモ:私得っす。


別名、スーパーぷらふぃにタイム。

  • ついに南浦和か、俺得 -- 名無しさん (2010-12-25 13:41:59)
  • ずっとモモが見張ってたって事はあれ、マグロは・・・? -- 名無しさん (2010-12-25 20:23:31)
  • カジキは畑のマグロとなっていた -- 名無しさん (2010-12-25 23:51:18)
  • ステルスモモ:いやいや、畑石さんのとこに片目さんが行くように仕向けたっすよ?それだけで私は帝都を空にして自由に艦隊を動かせたっす。 -- 名無しさん (2010-12-25 23:55:47)
  • そしてキャプテン連れてかじゅと会う部長… -- 名無しさん (2010-12-26 04:44:00)
  • 着いていくワハハ -- 名無しさん (2010-12-26 23:05:25)
  • そして受験勉強タイムですねわかります。 -- 名無しさん (2010-12-27 11:14:06)
  • モモ:先輩達が受験生に盆も暮れも正月もクリスマスも無い、って言ったから、仕方なくストークしたっすよ? -- 名無しさん (2010-12-28 09:06:23)
  • あらあら充電器くらいコンビニで売ってますのにね
    あー、ド田舎の駅前から徒歩圏内にコンビニあるって期待したらあかんよ -- 名無しさん (2010-12-29 14:19:11)
  • 空き缶拾うとはえらいなさすが天使。モモさんポイ捨てはいけませんね。あれ、もしかして飲みかけ捨てられた? -- 名無しさん (2010-12-29 14:22:11)
  • モモ:ポイ捨てしたつもりはないんですけど、自分の前に置いておいたのを持ってかれたっす。 -- 名無しさん (2010-12-31 00:54:17)
  • みなみうらわって読んでしまった -- 通りすがりの埼玉県民 (2011-02-18 18:41:10)
  • みなみうらわ、から発展してこの話に来たらしいな -- 通りすがり (2011-03-29 02:01:33)
  • ハギヨシさんはお休みだったか -- 名無しさん (2011-04-13 21:47:24)
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最終更新:2011年04月13日 21:47