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『武侠電影ドラえもん』 「のび太ぁ、ヘヘ。いいモノ持ってるじゃんか?俺にも貸せよ」 薄汚い巨漢の男が迫る。 「や、やだよ……」 刹那、男の目が血走りその剛腕がのび太にせまる。 「オレの言うことが聞けねぇってのかァ!?」 ジャイアンの突きを受け、のび太の体が宙に舞う。 土管を突き破り、およそ10mは離れた所に倒れる。 その口からはおびただしい量の血が流れていた。 ジャイアンが息も絶え絶えののび太からまんがを奪い取る。 「最初っから素直によこせばいいんだよ!」 取り巻きを従えた巨漢の男が去って行くのを見ながらのび太は意識を失う。                     ■ 家と呼ぶよりむしろ、柱に板を打ち付けただけと言える建物にのび太が駆け込む。 「ドラえも~ん!」 ドラえもんと呼ばれた伸ばし放題の白髪と髭、ぼろ切れ同然の服という出で立ちの老人は 昼間だというのに酒の匂いを漂わせ、その顔は既に熟れた柿よりも赤い。 「なんじゃいのび太」 「ジャイアンに、まんがを、取られたんだよぉっ」 涙を流しながら老人にすがりつくのび太。 「カ~っ、相変わらず情けない奴じゃのぅ」 ぐいっと貧乏徳利を傾け、こぼれるのにも構わず酒を飲む。 「なんとかしてよ、ドラえもんっ!」 「あ~知らん知らんっ」 ゴザの上に横たわり、手をひらひらさせつつブッと屁を一発。 「お願いだからさぁ~」 そんな老人の体をぐいぐいと揺らすのび太。 「いい加減にせんかいっ!寝られんわいっ」 のび太を押しのけ、ボロ小屋から出て行くドラえもん。 「ま、待ってよぉ」 その後を追うのび太。 ドラえもんが近くに生えていた大木の前で立ち止まった。 そして、大木にそっと手を添える。 ひらひらと、木の葉が1枚2枚と舞い落ちる。 「ふんっ!」 天に突き刺さらんばかりの掛け声と共に、 ドラえもんの足がぐっと地中に数センチばかり沈み込んだ。 ひらり、ひらり。木の葉が舞い落ちる。 1枚、2枚、3枚、4枚…… どんどんと木の葉が枝から離れ、風に飛ばされていく。 「こ、これは一体……」 「奔躍昆若、青狸拳の奥義じゃ」 枯葉の嵐の中、白く長い髭をゆらしながらのび太へにやりとしてみせる。 「す、すごいや!これならジャイアンに勝てる!」 「どうだ、教えて欲しいか」 「うんっ!」 大木から葉っぱがすべて落ちてしまった。心なしか、すこしばかり傾いているようにも見える。 二人の周囲を覆いつくさんばかりの枯れ葉の山。 「よ~しよし」 ドラえもんが小屋の方へと歩いていく。 そして、壁に立てかけられていたほうきを手に取る。 「ならばまずは、この枯れ葉を全部掃除するんじゃっ!」 「えぇ~、なんでぇ~」 「つべこべ言うんじゃねぇっ!やれんのなら青狸拳は教えてやらんっ!」 「分かりました、分かりましたよお師匠さまぁ~」 ほうきを受け取ったのび太にニヤリとして見せ、小屋の中へと戻っていくドラえもん。 「そんじゃワシは一眠りするから、掃除が終わったら声かけてくれや」 バタン、薄っぺらい木戸が閉められた。 「……ちっくしょう、何で僕がこんな事をっ!」 怒りに任せ、でたらめにほうきを振り回す。 キィキィと風に揺らされ鳴る木戸越しに、その気配を読み取るドラえもん。 ゴザの上に横になりながら、そっと目を閉じた。 #また4年前の作品を発掘。そして若干手直し。 この後水汲みだの薪割りだのもやらされるんだろうなぁ、のび太('―`)
『砂』   一 握 の 砂 も ち よ り て  城 つ く り   わ れ  去 り 後 は   さ ら さ ら  さ ら さ ら   お さ な 子 の 手 を と り 歩 き  時 か さ ね   つ い ぞ 気 づ く は   道 の あ や ま り   た だ ひ と つ  道 の 先 は す で に 見 え   そ れ で も 迷 う   歩 き な が ら も   い た づ ら に  路 傍 に つ み し 石 こ ろ を   振 り む き 見 る も   何 も  か わ ら ず   道 終 わ り  重 ね か さ ね た 歩 の 数 を   思 い か え す も   何 も  か わ ら ず   時 積 み て  い き る 道 を 歩 み お え   積 み し  も の の   か け ら も 残 ら ず    一 握 の 砂 も ち よ り て  城 つ く り   わ れ 去 り  後 は   さ ら さ ら  さ ら さ ら   よ せ る 波 間 に   さ ら さ ら  さ ら さ ら #たまには詩も書いてみたくなったりする。  気分転換には悪く無いね('ー`)ノ

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