第85話「地下室」考察(2)予測と結果 ※ネタバレ注意!!

 

◎壁内の文明レベルは18世紀までに限定されている→ほぼ正解

 

 

第85話「地下室」でグリシャの写真が登場したことにより、壁内に写真が存在しないことが判明しました。

 

 

写真は19世紀(1800~1899)の発明ですから、今までの分析通り壁内の文明レベルが18世紀以前であるのは間違いないと思われます。

 

 

特に、写真が大衆化するのは18世紀の後半ですから、グリシャのいた「人類が優雅に暮らす壁の外」の文明レベルは、19世紀後半以降(1850~)のヨーロッパと見てよいでしょう。

写真史

ニエプスの発明

 
ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスによる世界最初期の写真 1827年

最初の写真は、1827年にフランス人発明家ジョゼフ・ニセフォール・ニエプス(Joseph Nicéphore Niépce) による、石油の派生物であるユデアのアスファルト(瀝青)を塗布した磨いたシロメ(白鑞)の板に作成された画像である。

 

 

ということは、缶詰も1810年の発明ですから、『ウトガルド城の「ニシンの缶詰」の意味』(最終更新日:2014/12/30)での「壁内には缶詰が存在しない」という予測も正解である可能性が高まりました。

ウトガルド城の「ニシンの缶詰」の意味

>そして、缶詰は19世紀、1810年の発明です(19世紀は1801~1900年)。

>もしも壁内の時代設定が私の分析通り17~18世紀頃なら、缶詰は壁内には存在しません。

つまり、壁内人類なら缶詰を知らないはずです。

 

 

缶詰の保存原理は1804年に発見。

 

 

最初は瓶詰めで、ナポレオン・ボナパルトが戦争のために食料の長期保存・携行の方法を募集したのが始まり。

 

 

つまり、缶詰は戦争に密接な関係があるのです。

 

 

壁内における缶詰は、いわば戦争の象徴だとも言えます。

壁内のレイス家や王政は技術や文明の発展を抑制し、缶詰を作らせませんでした。

かれらは戦争を恐れ、戦争に繋がるものはすべて壁内から排除していたようにも見えます。

彼らの「理想」と「欲望」のために。

レイス家や王政のこうした戦争忌避の態度は、グリシャの目的にも密接な関係を持っているものと思えます。

 

 

 

 

 

 

 

以下、『第84話「白夜」 エルヴィンのうわごと ※ネタバレ注意!』(最終更新:2016/08/12)、『「エルヴィンのうわごと」から85話以降の展開を考察 ※ネタバレ注意』(最終更新:2016/08/28)での予測を検証。

◎エルヴィンのうわごとの内容→ほぼ正解

 

 

『進撃の巨人』の秘密(1) 「外国」が存在しない世界』(最終更新:2015/08/24)で予想した通り、少年のころのエルヴィンが、教室で教員である父に質問した内容は、「壁内以外の人類の存在」への疑問でした。

 

 

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<以下、『第84話「白夜」 エルヴィンのうわごと ※ネタバレ注意!』からの引用>

「私達以外の人類は残っていないのですか?」

「他にも壁は無かったのですか?」

この考えは、外国という概念が存在しない壁内では、「宇宙人が存在している」と主張するに等しい。

 

エルヴィンの考える「父の仮説の証明」については、次のように考えています。

すなわち、外国の存在を証明し、外国人と接触することである。

 

そして、エルヴィンが地下室に期待しているものについては、次のように考えています。

エルヴィンが地下室にあることを望んでいる「宝」とは、外国の存在を証明するもの、例えば世界の全体図や地図のようなものや書物ではないだろうか。

<引用終わり>

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実際のエルヴィンのうわごと。

第84話:「先生・・・に・・・いないって・・・やって調べたんですか?」

私の予測。

◎「先生(壁外)(私達以外の人類は残って)いないって(どう)やって調べたんですか?」
◎「先生(この壁以外)(壁が作られて)いないって(どう)やって調べたんですか?」

第85話:「壁の外に人類がいないって どうやって調べたんですか?」

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この、壁中人類が多用する謎の「人類」という言葉の考察から導き出した「エルヴィンの質問」の内容は、ほぼ正解と言ってよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

◎グリシャが地下室に残したのは「外国」の証拠→ほぼ正解

 

 

同じく上記からの引用で、私はこう予測していました。

 

 

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そして、エルヴィンが地下室に期待しているものについては、次のように考えています。

エルヴィンが地下室にあることを望んでいる「宝」とは、外国の存在を証明するもの、例えば世界の全体図や地図のようなものや書物ではないだろうか。

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引用元のページを参照してもらえばわかりますが、ここで言う「外国」とは、エレンたちのいる壁以外の共同体=他の人類の国を指しています。

 

 

その論旨は、

・壁中人類は、人類は自分たちしかいないと思っている

・なので、壁内には外国や自国という概念が存在しない

・そのため、人だけでなく、自国も”人類”と称している。人類=国

(他の人類やコミュニティが存在しないと思っているので、区別する語句が必要ない)

というものです。

 

 

「存在するものは語句になり、存在しないものは語句にならない」

「他の人類がいないから、外国という言葉も概念もない」

「戦争がないから、缶詰もない(酵母で事足りる)」

どちらも同じ、「世界の記憶を奪われた」壁内世界の構造的問題です。

 

 

「世界の記憶」とは、言い換えれば歴史のことでしょう。

だとすれば、歴史に関係する名を持つヒストリアが、今後の物語の核心となっていくでしょう。

それは、ユミルがヒストリアを「あっち側(鏡像世界、右脳と左脳、陰と陽などの対(つい)の世界?)」に送りたかった理由とも関連するのではないかと思います。

 

 

ユミルがヒストリアを救うためにこの世界から脱出させようとしていたのなら、今後のヒストリアの運命は、地獄のように過酷なものとなることが想像されるからです。

ヒストリアは、レアな「手段(アイテム)」として使い捨てにされかけるのではないでしょうか。

そこでヒストリアを使うなという派閥と、ヒストリアを使ってでも人類の未来を手に入れようとする派閥の争いが起こるのかもしれません。

 

 

 

話を戻します。

85話のラストで、グリシャは壁内には存在しない写真を示し、「私は人類が優雅に暮らす壁の外から来た」「人類は滅んでなどいない」と書き残していたことが分かりました。

 

 

壁内に存在しない写真は、まさしく外国の存在を証明するものです。

言葉よりも、パッと見て理解できるオーバー・テクノロジーの方が説得力があります。

 

 

さらに、グリシャは「壁の外」「人類は滅んでなどいない」という言葉で、外国の存在を明言し、3冊の書物を残しています。

 

 

これも、ほぼ正解と言ってよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎仲間の死体やシガンシナ区に残された装備や物資を補給

今のところ不明。実行しているが漫画では省略された?

 

 

◎グリシャの地下室でのアクシデント

以下のパターンを予想。

>・地下室が無い
>・地下室はあるがガレキで入れない→巨人化してガレキ撤去
>・地下室はあるが鍵が合わない
>・地下室の中に秘密らしきものが無い

 

「・地下室はあるが鍵が合わない」が正解。

ただし、私はその後の「アルミンの家」に繋がる伏線として考えていた。

たとえば、「グリシャの鍵はイェーガー家の地下室のものではなく、実はアルミンの家(の地下室)の鍵だった」など。

実際には「地下室の扉の鍵ではなく、地下室内の隠し場所の鍵」だった。

 

 

◎地下室にて

>途方に暮れるエレン達。

 

地下室内を捜索して、ミカサがあっさり机の隠し引き出しの鍵穴を発見。

隠し引き出しの二重底から、グリシャのメモ付き写真と3冊の本を見つける。

途方に暮れる前に問題が解決したので、不正解。

 

「エルヴィンのうわごと」から85話以降の展開を考察 』で予想した85話以降の展開のうち、2つだけが85話に関係する内容。

 

この後、アルミンに関係する内容に移行するかどうかが、ひとつのポイントとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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最終更新:2016年09月25日 23:14