第88話「進撃の巨人」についてメモ(2)

血液検査の謎

 

 

グリシャ・イェーガーとエレン・クルーガーの会話から、血液を検査すれば、エルディア人かどうかが分かるらしい。

つまり、エルディア人とマーレ人では血液に差異がある模様。

この新事実により、クーデター編でザックレーの拷問を受ける王政貴族が発した「奴隷用の血」というセリフも、身分の違いなどではなく、物理的に血液そのものが異なるという可能性が出てきた。

 

 

 

同時に、この「奴隷用の血」がエルディア人を指すのであれば、王政貴族はマーレ人だと考えられる。

つまり、王政貴族は自分たちがマーレ人であることを隠して、壁内の大多数を占めるエルディア人を統治していた。

口減らしのために大量の民を巨人と闘わせて死に追いやり、クーデター編で壁内の民を平気で見捨ててウォール・シーナ内に入れるなと命令し、「耐えられるものではない」と生理的嫌悪を示していたのも、王政がマーレ人であり、壁内のエルディア人を差別しているからだと考えれば、理屈が通る。

 

 

 

そして、巨人の力は前任者の死後に生まれるユミルの民の赤子に転生する。

これは、チベット仏教の指導者ダライ・ラマの転生が元ネタのひとつであろう。

『ワンピース』の悪魔の実、Dの一族(Dの意志)も元ネタである。

 

 

 

同時に、エレン・クルーガーは「医者は巨人化学の応用に必要な知識がある」とも発言している。

これは2つのことを示している。

ひとつは医者レベルの知識で巨人の化学的な性質を解明できる(どの程度かは不明)ということであり、もうひとつは巨人の力は応用できる(単に巨人化するだけではない)ということである。

 

 

 

さらに、エルディア人=潜在的巨人と考えれば、エルディア人の血の特徴とは、巨人の血の特徴だと言える。

巨人には種類があり、一般的な「無垢の巨人」と、ユミルの魂を分けられた王家の「九つの巨人」、「始祖の巨人」などが存在するとされる。

ならば、巨人の種類=王家も判別できるのではないだろうか。

 

 

そして、グリシャ・イェーガーは壁内で医者として活動し、伝染病を防いでいる。

このとき、グリシャ・イェーガーはひそかにエルディア人を判別していたのではないか。

そして、一般人の中に紛れた王家の子孫を発見していたのではないだろうか。

 

 

仮説を立ててみよう。

===

たとえば、フリッツ王は壁内に逃げ込んだ後、自殺した。

マーレとエルディアの2000年近く続いた確執は、フリッツ王の巨人の力の争奪戦だった。

フリッツ王が巨人の力を継承させずに死ねば、どこかのユミルの民の血をひく赤子にフリッツ王家の巨人の力が渡る。

誰に渡ったかは分からないので、探しても見つけるのは非常に困難になる。

つまり、フリッツ王は自殺することで、戦争の原因である自分の巨人の力を、壁内のユミルの民の中に隠したのである。

木の葉を隠すなら森の中、ユミルの力を隠すならユミルの民の中、ということだ。

これにより、マーレもエルディアも、フリッツ王家の巨人の力を見失ってしまった。

ここで一つの問題が浮かび上がる。

なぜマーレは潜入工作で秘密裏に「始祖の巨人」や「座標」を奪取しようとしていたのか?

フリッツ王家の力、「始祖の巨人」、「座標」が使えなくなったのなら、堂々と攻めればいい。

それをしなかったということは、どこかの誰かが持っているだけでも、「始祖の巨人」が発動する危険があるからではないのか。

マーレ側には、「始祖の巨人」の力は、世界そのものを滅ぼす力だとイメージされているらしい。

世界滅亡の危険がある以上、万が一にも「始祖の巨人」の力を発動させるわけにはいかない。

「始祖の巨人」の力を発動させないためにわざわざ潜入工作しているのだとすると、何も知らない一般人が持っていても、「始祖の巨人」が発動する危険があるのかもしれない。

 

 

 

これを逆に考えてみよう。

フリッツ王は巨人の力をユミルの民の中に隠した。

それは、≪ユミルの民の体は巨人の力を保管する容器≫だということだ。

もしかしたら、「始祖の巨人」は体の外に出たほうが危険なのかもしれない。

たとえば「無垢の巨人」が人を食べるのは、自分が食べることで体内に「始祖の巨人」を封印し、「始祖の巨人」の発動を防いでいるのではないかとも考えられる。

つまり無知性巨人である「無垢の巨人」は、「始祖の巨人」の安全装置であり、ただ、≪「始祖の巨人」が誰の体内に入っているか≫が分からないので、片っぱしから人を食べているのである。

「無垢の巨人」にその命令を与えたのは、先代の「始祖の巨人」、または戦争を否定したフリッツ王である。

 

 

こう考えると、ライナーたちが壁内人類をすべて消そうとしたことも説明がつく。

「始祖の巨人」の隠れ家=ユミルの民を減らすことで、「始祖の巨人」の逃げ場をなくして見つけ出そうとしたのである。

間違って「始祖の巨人」を宿した人間を殺しても、その瞬間に「始祖の巨人」は他の赤子に体内に渡るので問題ない。

ひょっとしたら、マーレ国内のユミルの民に転生するかもしれない(転生範囲が壁内だけかどうかは不明)。

これを繰り返し、ひたすら壁内人類を殺し続ければ、最後に残った一人が「始祖の巨人」である。

 

言ってみれば、ベトナム戦争でアメリカ軍が日本人教官の指導を受けたベトコン・ゲリラに手を焼き、ナパーム弾攻撃でゲリラの隠れる森を焼きつくし、枯れ葉剤で森を枯らしつくし、隠れ場所そのものを消そうとしたのとよく似ている。

一種の焦土作戦だと言える。

 

エレンたちがキッツの砲撃を受けた時、その煙を見たライナーがあれほど焦ったのもよく分かる。

せっかく見つけた「始祖の巨人」が殺されれば、またどこかの誰かに転生してしまい、再び見失ってしまうからだ。

(または、宿主が死ぬと「始祖の巨人」が発動する危険がある、など)

 

また、ライナーたちが「始祖の巨人」でなくとも、他の王家の力を持っている者でも確保したいと考えるのは当然である。

それが手柄としてマーレ側に評価されるからだ。

それは、ライナーたちがユミルを持ち帰ろうとしていたことでも明らかである。

 

王政(の一部)がマーレ人であり、マーレ本国と通じていたなら、壁内人類の口減らしにも別の意味があるのかもしれない。

もっともらしい口実をつけて人口を減らすことで、マーレの潜入工作員が「始祖の巨人」を見つけやすくしていた可能性すらある。

 

 

 

グリシャは血液検査により、王家の末裔を見つけて集めた。

それがエレン、アルミン、ミカサである。

これにより、グリシャは自分の復讐を遂げようとしていたのである・・・

===

 

 

まとめると、エレン・クルーガーの言う「血液検査と医者」に関するセリフから、以下のような可能性を考察できる。

(1)エルディア人とマーレ人は血液に違いがある

(2)そのため、クーデター編での「奴隷用の血」=血液が違うというセリフは、王政がマーレ人である可能性を示している

(3)以前考察したようにロッ「ド・レイ」ス卿の名前には「奴隷」が隠されているので、レイス家は奴隷側のエルディア人であり、裏切り者である可能性を示している

(4)医者は血液検査によりエルディア人を見分けることができる

(5)医者であるグリシャは壁内人類の血液検査をすることでエルディア人または王家を見分けることができる

(6)グリシャは伝染病の治療や回診を通じて、血液検査によりエルディア人や王家の子孫をピックアップし、その復活を目論んでいた。

 

 

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最終更新:2016年12月30日 01:36