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ダリス・ザックレー総統はアドルフ・ヒットラー総統の役であり、『別冊少年マガジン』2018年11月号のザックレー暗殺事件はヒットラー暗殺未遂事件です。
ザックレーが芸術にこだわるのも、ヒットラーが売れない画家で芸術家気取りだった事に由来しています。
したがってマーレの捕虜たちは、当時ドイツ軍が占領地から連れてきた捕虜の役であると同時に、ヒットラー暗殺計画の首謀者たちの役でもあります。
ニコロがワイン(酒)を計画に使っているのも、史実の「ヴァルキューレ」計画の「閃光」作戦において、ヒットラー暗殺用爆弾のカモフラージュに使用されたのが「コアントロー」酒の小包だったからです。
という事は、この後の展開は連合国軍によるノルマンディー上陸作戦(1944年6月)になる可能性が高い。
これがユミルの謎のセリフの意味だとも考えられます。
12巻第50話「叫び」で、ユミルはヒストリアを見て、こうモノローグで語っています。
「もう直(じき) この壁の中が地獄になっちまうのは避けようがない…」
この言葉は、「ドイツや日本の敗北」が歴史再現されることを意味しています。
つまり、ユミルは歴史再現が規定事項であり、避けようがない事を知っていたという事になります。
これらが事実であれば、私が繰り返し書いてきた歴史再現説にも合致します。
そして、25巻第100話「宣戦布告」では、ヴィリー・タイバーはこう言います。
「私は死にたくありません」
私の考えでは、ここでヴィリー・タイバーは「歴史再現しないと復活できなくなって本当に死んでしまう。今から人類は戦争という地獄を見るが、それでも生き延びるために歴史通りに戦争をしなくてはならない。死にたくないからだ。規定事項を守りさえすれば、また復活できるのだから」という趣旨で発言していると思われます。
これは全人類を地獄の道連れにすると宣言しているに等しい。
だから、24巻第98話「よかったな」で彼はこう言っているのです。
「私は操舵輪を握った者だ」
「これを先代の誰も握ろうとしなかったのがわかる」
「重すぎる」
「今すぐにでも手を放したいところだが 握らざるを得ない時代が来てしまった」
「私はたまたまなんだ…」
「たまたま順番が回ってきただけの男なんだよ…」
第124代フリッツ王は、この状態をペンディング(宙ぶらりん状態に)するために、戦争を放棄し、不戦の契りを作り、巨人をマーレに与え、自ら壁に籠もったのだと考えられます。
それでも世界は次第に戦争に近づいていく。
闇の中を進む列車のように。
次の世界で復活するための命のパスポートを得るために、生き残るために、戦争で大量の血を流し花を咲かせなければならない。
生き延びるために、事前に決められたとおりに殺し殺され、死に続けなくてはいけない世界。
13巻第52話「クリスタ・レンズ」で、ヒストリアの母らしき女性は、じゃれついてきたヒストリアに恐怖し、嫌悪感をあらわにして突き飛ばした上で、悔し涙、そしておそらくは後悔と懺悔の涙を目に浮かべ、こう言いました。
「こいつを殺す勇気が…私にあれば…」
つまり、ヒストリアは世界再生と歴史再現に関わる重要人物であり、ヒストリアの母はその正体、真の姿を知っている。
この呪われた歴史の再現、負のループを断ち切るには(あるいは復讐するには)ヒストリアを殺せばいいのだが、自分の命が惜しくて殺す事すらできない。
私は自分の命惜しさに全人類を地獄の連鎖にたたき込むような臆病者だ、とヒストリアの母は告白して、ヒストリアのそばから離れてゆくわけです。
このヒストリアの母と、ミカサの母、エレンの母を比較すると、新しいものが見えてくるかもしれません。