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進撃の巨人の世界は、逆さカタカナ文字の伏線からも分かるように、「上下逆さま」という設定が組み込まれています。
17巻第69話「友人」で、ウーリがケニーと眺める湖の水面。
その湖面には上下逆さまの世界が映り、渡り鳥であるカモの親子が通り過ぎて行きます。
このときウーリは、自分の故郷や過去を見ていたのではないでしょうか。
そして「69」は上下逆さまにしても同じ数字です。
この設定を巨人に当てはめてみましょう。
つまり「無垢の巨人など、巨人の多くは体の構造が上下逆さま」という事です。
そうすると、「巨人の口は肛門でもある」という事になります。
そう考えると、23巻第93話「闇夜の列車」におけるジークのジョーク「ケツの拭き方が独特なんだ」とは、無垢の巨人はクラゲやイソギンチャクのような口と肛門が同じ生物であり、「自分(獣の巨人、猿)は口と肛門が別になっている、他とは違う生物なんだよ」という隠された真実を、冗談のフリをして暴露している発言だと考えられます。
その上、その発言を聞いたマガト隊長は「ケツ毛の数まで申告してもらう」と言っており、肛門=口だと考えるならこれはヒゲだという事になります。
マガト隊長の正体についての考察は別項で。
さらに2巻第9話「心臓の鼓動が聞こえる」では、ライナーはうなじが巨人の弱点だというジャンとサシャの説明に続けて、「もしくは こいつを奴らのケツにブチ込む!!弱点は この2つのみ!!」と発言しています。
このシーンで、コニー、サシャ、ジャンの3人と、アニ、ベルトルト、そしてミカサの表情が異なっている点も重要です。
アニとベルトルトはライナーの発言が真実だと分かっているが、「ミカサまでが冷静に聞いているのは、この時点での彼女が感情に乏しいからではなく、実はライナーの発言が真実だと知っているからではないか」とも受け取れるからです。
このライナー発言を上記の「無垢の巨人の口=肛門」説に当てはめれば、ライナーは「巨人を殺すには、うなじか口への攻撃という2種類の方法しかない」と言っている事になります。
要するに、ライナーは「超再生能力を持つ巨人を倒すには、寄生しているパイロットを直接攻撃する以外に方法が無いため、寄生虫のいる操縦席をうなじと口の前後両面から攻撃するしかない」という隠された真実をバラしているのです。
そして作者は、皮肉な展開を用意します。
ロッド・レイス卿の巨人も、真実を漏らしてしまったライナー自身(鎧の巨人)も、口=肛門を攻撃されて倒されるのです。
ライナーが「うなじだけでなく、口を攻撃しても巨人を倒すことができる」と軽口を叩いて巨人の秘密を教えてしまったのが2巻です。
ロッド・レイス卿の巨人が木箱爆弾を口に突っ込まれて爆破されたのは17巻第68話「壁の王」。(8=蜂)
ライナーがシガンシナ区決戦で、ミカサの雷槍によって口を貫かれ、鎧の巨人のうなじから排出されたのは20巻第82話「勇者」。(82=ハニー=蜂蜜)
ついでに書くと、このときライナーを助けるのは2巻で「それがお前の最後の言葉になるかもしれねぇぞ」と、ライナーの死を口にしたジャンです。
ハンジに殺される寸前だったライナーは、最後の瞬間に言葉ではなく「ユミルの手紙」を残し、2巻とは逆に、秘密を守って黙ったまま死のうとします。
こうして伏線が回収されてゆくわけです。