絶望ENDパターン:母親の仇は自分だった

最終話のパターンとして、希望か絶望かの2択があります。

絶望のパターンとしては、「不自由な不老不死をやめて、自由だが死んだら復活できない、いずれ全滅する」ENDというのがあり得ます。

※地鳴らしで踏みつぶされる恐怖を何度も経験しなければならない蘇り(≒不老不死)よりも、寿命こそあれど地鳴らしの無い自由で平和な世界のどちらがいいかという問題。

「死んだら復活できない自由」というのは、どちらかというと「苦いEND」というべきでしょうか。

その場合、不老不死の象徴である月を失う事になると思います。

不自由な生を選ばずに、人間のエサを拒否して餓死した『狼王ロボ』(シートン動物記)に通じるものがあります。

 

 

また、物語を貫くテーマのひとつが「エレンが母親の敵を討つ」という動機です。

絶望箱の反対ですから、「母親の敵を討てない、なぜなら仇は自分だから」というパターンがあり得ます。

 

 

何故そう考えるかというと、11巻第46話「開口」で、巨大樹の上で(※鳥を表現)誘拐されたエレンが「地獄にしたのはお前らだ」とライナーたちをなじるのですが、ベルトルトがじっとその言葉を聞いて反論もしないシーンを見たからです。

ベルトルトの態度から、私は「本当に地獄にしている原因はエレン」だと考えました。

たとえばエレンがこの世界を創ったとか、エレンがバイオレンスジャックやかぐや姫、吉祥天女、カラミティ・ジェーンであるという考えです。

グリシャの言う、エレンが思い出すべき大事な事とは、「月に帰ること」?

エレンがかぐや姫であり、穢れた地上に落とされたのであれば、第1話冒頭の「いってらっしゃい」のシーンは月の世界。

イルゼが巨人によって木の中に座らされていたのも、竹の中のかぐや姫を表現していると見る事もできる。

最終更新:2021年04月07日 08:23