※ここには漫画『ONE PIECE』の最新話の内容を含むネタバレ考察が書かれています。ネタバレが嫌いな方はここより下の内容を読まないでください。
「火ノ傷の男」は『ピノッキオ』であやつり人形でカラクリ人形、そして「ピノコ」や『人造人間キカイダー』だと思います。
「火ノ傷の男」を読み替えると、
ヒノキズオ(男)→ヒノキヅオ→ヒノッキオ→『ピノッキオ』となります。
最終章は漫画黎明期の物語でもあるので、手塚治虫先生とトキワ荘組もクローズアップされています。
以前にも書きましたが、エッグヘッド編は特に石ノ森章太郎先生とアノ先生やアノ先生などがモチーフになっていると思います。
特にアノ先生やアノ先生に関しては『ONE PIECE』全体の元ネタになっていると確信していますし、イム様関連の描写と合わせて考えてみても間違いないと思います。
だから「仮面」の要素も必ず出るはず。
鉄仮面はすでにサンジやデュバルでも出ていますし、『宇宙の騎士テッカマン』も関係すると考えています。
ちなみに、まだ誰も指摘していない石ノ森モチーフを1つ挙げると、ベガパンク02「悪(リリス)」は石ノ森先生の『ギルガメッシュ』が元ネタだと思います。
「悪(リリス)」初登場シーンを見て、「ああ、そこを持ってきたか」と感心しました。
連載誌も『少年キング』ですし。
もし本当に『ギルガメッシュ』なら、私の仮説のひとつにも合致するので納得です。
以上を踏まえて考えると、ピノキオから着想された有名なキャラクターとして『ブラックジャック』の「ピノコ」、『人造人間キカイダー』などが挙げられます。
ピノッキオは「意志を持ちしゃべる丸太」から造られた「木のあやつり人形」です。
「火ノ傷の男(ヒノキズノオトコ)」にも「ヒノキ(檜、桧)」という木の名前が入っています。
「火ノ傷」の「ノ」がカタカナなのも、ピノッキオを示唆する伏線と考えれば納得できます。
黒ひげは複数の人格を持つという説が根強いキャラクターです。
私は、初登場シーンでパイを食べているので「悪魔パイモン」がモチーフの一つだと考えています。
また、悪魔パイモンのシジル(印)は「4人」の人のように見えるデザインが含まれているので、「黒ひげに入っている人格は4人」だと考えます。
◎参考:ゴエティア
紋章の画像を見れば分かるように、悪魔の紋章には「渦巻き」や「十字」が多く、まるで電気回路のような曲線が多用されています。
実は数十人とかもっと多数という可能性も考えていますが、なんだかやりすぎな気もするので、とりあえず4人。四皇にも繋がりますし、「一人で四皇すべての力を持つ男」というのもかっこいいので。
もし本当に黒ひげが多重人格&能力なら、たぶんその元ネタのひとつはネットミームの「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」ではないかと思って楽しんでいます。
このネットミームの元ネタは仮面ライダースーパー1なので、やはり石ノ森章太郎先生に繋がります。
以上を踏まえて、いったんここで黒ひげの正体について、私の仮説を書いておきます。
<仮説>
黒ひげマーシャル・D・ティーチはDr.くれはに造られた「移植用の臓器人間」で「体に4人分の臓器が詰まっている」。
ドラム王国を襲ったのは「Dr.くれはを捜しに来た」から。
ドナー・クローン(Donor Clone)とでも言えばいいのか、本体の使い捨てスペアとして造られた「生まれながらの奴隷階級」であり「生きた内臓保管庫」。
したがって1107話で話題となった「黒ひげの特別な血筋」とは、正確には「ティーチのオリジナルとなる人物の血筋」である。
現在、私はカリブーが同じく1107話で「御生」という女房詞(にょうぼう ことば)を使っていることから天皇・皇室・宮家と考察。
つまり『日本書紀』に書かれているように、本来は地上の人々を幸福にするために宇宙から遣わされた皇帝の血筋。
異常にタフなのは、ダメージを負うとほかの自分と交代するから(ダメージをほかの自分に振り分けているから)。
常に運任せの無謀な行動を好むのは、本人の放埓な性格に加えて「自分がたくさんいるので何人んか死んでもかまわない」と思っているから。
イメージは顔がくるりと回転して別の顔に入れ替わる「カラクリ人形」。
黒ひげには悪霊が憑依している。
子供時代の黒ひげのイラストに三日月のようなものが描かれているが、実はこの三日月は「黒ひげを見つめている巨大なドクロの目」であり、黒ひげは自分に憑りついてずっとしゃべりかけてくる悪霊が怖くて泣いている。
黒ひげ本人が眠ると、悪霊やほかの自分が黒ひげの体をあやつる。
第三者が見れば黒ひげがずっと起きているように見えるので、そこからバギーの言う「生まれてこの方一度も眠った事が(傍点付き)ねェんだとよ」という噂が生まれた。
悪霊は黒ひげ以外には見えないので(脳内だけの存在なので)、誰にも相談できない。
黒ひげの不思議な知識は悪霊が教えたものであり、白ひげの船に乗ったのも悪霊の指示。
黒ひげは悪霊のいわば「あやつり人形」。
悪霊のひとりは過去の大物海賊かもしれない。
黒ひげはベラミーたちがルフィを嘲笑したときに「ルフィの勝ちだ」と見抜いているので、この時の黒ひげを動かしていたのがその元海賊だった可能性があり、生きているときにはかなり強かったのではないかと想像される。
世界の秘密についても知識があると思われる。
現状で名前の出ている過去の大物海賊と言えばロックスである。
仮にこの悪霊がロックスであり、ロックスの知る世界の真実に導かれて黒ひげが行動しているのなら、黒ひげの謎をかなり説明できる。
「ロックス=ロキ」なら、ロジャーがオーディンかソーで、ロジャーとロックスは兄弟という設定でもいける。
<黒ひげ仮説 まとめ>
黒ひげは(仮説)複数の内臓と人格を持つピノッキオのような造られた存在。
悪霊の「あやつり人形」であり、人格が入れ替わる「カラクリ人形」でもある。
ニンギョウなので人魚と関係があるかもしれない。(悪霊が元人魚とか)
だからまるで”一人四皇”のように複数の悪魔の実の能力を持つことが出来る。
自分の得た悪魔の実の能力を、他者に分けることが出来る。
能力の譲渡方法を想像。
「複数の自分」のうち、誰が能力を継承して死ぬのかは運次第でギャンブルというロシアン・ルーレット。
モチーフは『ルパン三世 ルパンvs.複製人間』の、クローン技術で無数の自分を生み出して生き続けている「マモー」。
運は雲とシャレになっている。
実は最初に考えたのは「黒ひげの複数の心臓のうちの一つに能力を移植して、その心臓を仲間に食べさせる」という古代アステカ文明の太陽神への生贄を参考にした方法でした。
『ジョジョの奇妙な冒険』第1話へのオマージュにもなりますし、実際の歴史や医学にも合致しますが、さすがにショッキングすぎるのではないかと思い、とりあえず候補から外しています。
今の黒ひげの行動は、実は悪霊の意志によるもの。
本物の黒ひげ自身は「ピノッキオ」で「火ノ傷の男」。
そして、最後の「赤いロード歴史の本文(ポーネグリフ)」を持つのが「火ノ傷の男」。
以上の点から、私は「火ノ傷の男」という表現は、特定の個人ではなく「特定の性質をもつ存在」だと考えます。
その性質がピノッキオ。
「造られた存在」で「木・植物」であり「嘘つき」。(早く人間になりたい?ヒノキ(檜)になりたい翌檜(アスナロ)?)
作中の代表的な「嘘つき」はウソップだが、ウソップの「嘘は本当になる」。
ここで発想の転換をします。
嘘というのは「自分で想像した架空の設定や物語」です。
嘘を職業にしているのが「作家」であり、「夢を現実にする職業」とも言えます。
そこで、「火ノ傷の男」とは「作家」であり「想像を現実にする能力を持つ存在」ではないかと考えます。
私は第1話を読んだときに、ルフィの10人は欲しいという発言を読んで、「ああ、これは太陽が自分の太陽系を作る話で、これから集めるクルーが星なんだな。あるいは『ホラ吹き男爵』や『鶏鳴狗盗』のように様々な能力を持つクルーを集めることがカギになるんだな」と思いました。
したがって、「火ノ傷の男」とは「ワンピースを手に入れるのに必要な能力」あるいは「ワンピースを手に入れた後に必要になる能力(ワンピースだけだと意味がない)」。
クルーにウソップのような嘘を現実に変換できる「嘘つき」がいないと、このゲームをクリア条件をクリアできず、ラフテルに行っても宝を手に入れられない、あるいは宝を手に入れても意味がなくなってしまう。
シャンクスがヤソップを誘うシーンがわざわざ描かれているのも、「ロジャーの失敗の原因が、必要な能力者が足りなかったことだと知り、ワンピースを奪りに行くにはヤソップの能力が必要だと分かっていたから」。