※ここには漫画&アニメ『ONE PIECE』の最新話の内容を含むネタバレ考察が書かれています。ネタバレが嫌いな方はここより下の内容を読まないでください。
2024年3月3日(日)、アニメ1096話でDr.ベガパンクが登場しました。
以前にもシルエットでは登場していますが、外見が出るのは今回が初めてです。
では、尾田先生はベガパンクにどのような意味を含ませているのか?
細かい設定は外のサイトを見ていただくとして、出来るだけほかの人が書いていない内容を指摘してみます。
とりあえず「漫画」「神」「植物」「昆虫」などのモチーフを見てみましょう。
「科学」はすでにアインシュタインについていっぱい考察されている
まずは「漫画」から。
ベガパンクは頭に林檎が付いているので「知恵の実」を表現。
無原罪と罪人、楽園からの追放、科学の功罪/光と闇の両面を表現。
実はこれも尾田先生の宮崎駿オマージュになっています。
その点は書かないかも。
私は頭のリンゴを「手塚治虫先生のベレー帽」だと思います。
シャンクスからルフィに貸された麦わら帽子、マリージョアの冷凍保存された大きな麦わら帽子、黄猿の名前がボルサリーノ(イタリアの帽子の名前)など、『ONE PIECE』では帽子は極めて重要です。
つまり、ベガパンクは”漫画の神様”:手塚治虫先生。
エッグヘッドはトキワ荘であり虫プロなので、『鉄腕アトム』的なオモチャっぽくて希望に満ちた未来のイメージで描かれている。
手塚先生のルーツはディズニーなので、アメリカをモチーフとした機械や食べ物(ハンバーガーなど)、警官(PX‐III)が登場する。
ベガパンクの分身である猫(サテライト)たちは、”漫画の王様”:石ノ森章太郎先生をはじめとするトキワ荘組漫画家や、手塚治虫フォロワーの漫画家たち。
そこに日本国の特撮番組が重ねられています。
特撮はほとんど石ノ森章太郎先生のコンセプトから生まれていますし、すでに別項で「ベガパンク02「悪(リリス)は石ノ森章太郎『ギルガメッシュ』オマージュ」と書きましたから、エッグヘッド編は「石ノ森章太郎編」でもあると、私は考えます。
手塚治虫の影響を受けた漫画家は足の描き方で見分けます。
当時の漫画家で、大きくて丸いデフォルメされた靴を描いていれば手塚系。
ベガパンクが妙に細かくブーツの説明をするのは、「手塚足」を強調するためでしょうか。
次に「神」を見てみましょう。
ベガパンクは「見開いた目」と「長く出した舌」が特徴的です。
アニメでも舌をやたらに強調していました。
なぜ舌をそこまで強調するかというと、ベガパンクのモチーフになっている神の特徴だからです。
それはインドのヒンドゥー教の女神「カーリー」です。
カーリーとは「黒い人」という意味で、全身が青みがかった黒色。
若い頃の髪=神は黒い。
また、パンクレコーズの外は赤紫、中(PUNK RECORDSと書かれている部分)は黒。
卵の殻の赤紫は、カーリーの青い肌にかかった赤い血の色。
三つ目に四本の腕。
手が多い=仕事を一度にたくさんできると解釈して、ベガパンクが仕事を効率的に進めるために作った分身の猫(サテライト)にアレンジ。
破壊神シヴァの妻で、殺戮と破壊の女神。
これは人のために発達した科学が人を殺す、科学の両面性を表現。
インドでは広く人気のある女神。
ベガパンクは作中で世界的に人気が高い有名人。
ベガパンクが常に舌を出しているのは「カーリー神は長い舌を垂らしている」から。
同時に犬の舌も表現しており、1108話の扉絵や本編で犬が多い理由の一つ。
つまり「ベガパンクも犬である」という事になるので、「犬である海軍とつながりがある」という点を表現しているのかもしれない。
私は最初、黄猿が登場したときに「これは黄猿・海軍が動乱鎮圧とベガパンク逮捕を口実に、ベガパンクを海軍側に囲う狂言ではないか」と考えていました。
以前に少しだけ書いた「海軍クーデター説」にも繋がります。
最近の展開で、黄猿とベガパンクが繋がっている点がいくつか描かれていますので、この私の予想もまだ生きています。
さらにカーリーは「ドクロや生首をつないだ首飾りをしている」。
これはボニーに渡したサファイアの太陽のネックレスで表現していると思います。
カーリーには面白いエピソードがあります。
勝利に酔ったカーリーが踊り始めたところ、なんと大地が砕けそうになったので、夫のシヴァ神がその足元に横たわって衝撃を弱めた。
その「酔って踊るカーリー神が、大地に寝ている旦那さんの腹を踏みつけて舌を出している」姿がたくさん絵に描かれている。
シヴァさん、破壊神なのに酔っぱらった奥さんに踏まれても大地を守ってるんですよ。シヴァさん大変ですね。
よくガープは山をサンドバック代わりに吹っ飛ばすので「山に柴刈りに行く昔話のお爺さん」だと言われます。(※柴刈りは「小さな焚き木になる枝や雑木をの山から採集すること」)
「お爺さんは山にシヴァ狩りに行く」のです。シヴァさん大変ですね。
ちなみにエッグショット・カーリーという釣りのルアーがあります。
「餌を付けてもいいが、エサを付けなくても釣れる疑似餌針」、つまり「偽物」です。
◎参考:【エッグショットとエッグショットカーリー】簡単に根魚ほか色んな魚が狙えるアイテム!
この間も書きましたが、私は今のベガパンクの語尾にクエーサーが付くので「実はベガパンク本体(ステラ)の準星(クエーサー)」だと考えています。
やけに関節がクネクネ動くのは人工物だからではないかと。
ベガパンクの影武者である「ベガパンク準星(クエーサー)」が死んだ姿を見て、世界がベガパンクは死んだと信じることを、「魚が疑似餌に引っかかった」と表現しているのかもしれません。
私は「コブラの前に出てきたイム様は”影武者”」という説も考えています。
ついでにメモ。
イム様の座る虚(カラ)の玉座(ギョクザ)→カーラーの玉座→カーリーの「黒」「時間」の玉座
↓
虚(カラ)の玉座を読み変えて、
「体(カラダ)のタマグラ」→「股座(マタグラ)」→「マグダラのマリア」
カーリー女神像
カーリー女神はヒンズー教の神で、世界の破壊・再生を司るシヴァの配偶神、パールヴァティーの化身といわれています。カーリーとは「黒」、「時間」を意味するカーラーを語源としています。
そして、アーサー王が戴冠した古い街の名前が「カーリーオン・アポン・アスク」です。
次に「植物」。
実は「ホヤ・カーリー」という観葉植物があります。
このホヤ・カーリーは「ハート形の葉」で、別名「ハートホヤ」「ハートプランツ」「ラブハート」。
これが若い頃のベガパンクの巨大な頭の「ハート形」を表現していると思います。
次に「昆虫」ですが、ベガパンクは「ミズスマシ」です。
最初、ベガパンクはまぶたの線とまつ毛で「目が4つある」ように見えたので、「あれ?これミズスマシだよね。なぜミズスマシなんだ?」とずっと不思議に思っていました。
目が4つあるように見えるので生理的にゾワゾワして、ずっと落ち着かなかったのです。
ミズスマシは水面を泳ぎ、水上と水中を同時見るために「目が4つ」あるのです。
◎参考:実は目が4つある「ミズスマシ」
ミズスマシに4つも目があるのは、敵から身を守るためです。ミズスマシの目は、左右の複眼がそれぞれ水面を境に上下に分割されて、4つになっており、水面より上と水中を同時に見ているのです。上空の鳥、水中の魚、この上下の敵から身を守るためにミズスマシの目は4つになったようです。
最初に考えたのは、「科学島と科学者なので、まぶたの線とまつ毛で「機械の扇形のメーター」を表現している」という理由でした。
おそらく、それも理由だと思います。
しかし、予想外の方向から真相が分かりました。
例の「くまとボニーの元ネタになった漫画」の一コマで、登場人物がミズスマシが出てくる歌を歌っているのです。
ただし、歌詞は間違っています(わざとだと思うのですが)。
しかもその歌は、『ONE PIECE』全体と尾田先生に深くかかわっていると思われる歌なのです。
まだ書くべきかどうか迷っているので、とりあえず今はその歌について書きません。