※ここには漫画『ONE PIECE』の最新話の内容を含むネタバレ考察が書かれています。ネタバレが嫌いな方はここより下の内容を読まないでください。
私は、マザーフレイムは「胎児」のメタファーだと考えます。
第908話〝世界会議(レヴェリー)開幕〟のラストで、五老星はイム様に「歴史より消すべき〝灯(ともしび)〟がまた お決まりでしょうか?」とお伺いを立てています。
自分たちが世界の支配者だと思い込んでいる世界会議の裏で、真の世界会議が開かれているという二重構造の回です。
ここで〝灯(ともしび)〟という言葉が使われているように、『ONE PIECE』では火や炎、太陽が重要な意味を持ちます。
イム様は花の部屋でルフィ、黒ひげ、しらほし姫の写真を切り刻み、ビビの写真を手にしています。
この描写から、灯(ともしび)とは、「現在の世界の均衡を崩し、世界を変える者、世界の破壊者」「世界を明るくする希望、あるいは人々に希望を与える者」「多くの人々の支持を得る者」という意味だと考えられます。
いわば「カリスマ」です。(カリスマっす→クリスマス)
私はすでに「ベガパンクはカーリー」という分析をしており、「カリ」スマと「カーリー」がシャレになっているとも考えます。
カーリーであるベガパンクは「善悪を問わない」と発言していますが、善悪は関係ないということは、逆に言えばカリスマには「善のカリスマ」だけでなく「悪のカリスマ」もいるということです。
『ジョジョの奇妙な冒険』のディオが悪の救世主であるように。
五老星とイム様は「世界の均衡を崩すカリスマ」になりそうな人物を歴史から消そうとしている。
人の存在を消す、という話から思い出すのは、エース誕生のエピソードです。
第550話〝海軍本部〟でのセンゴクの説明によれば、ロジャーの息子を亡き者にすべく、「世界政府」はロジャー投獄から10か月以内に生まれる赤子をすべて調べ、疑わしい母親は殺せと命令しますが、エースの母「ポートガス・D・ルージュ」は20か月の間エースを生まずに耐えて、追及をかわします。
妊娠20か月というのは不可能なので、「本当に気合で何でもできる(覇気だけがすべてを凌駕する)世界」だからか、それとも「時間に関する能力の効果」ぐらいしか、これを可能にする理屈を思いつきません。
ネットの情報では、尾田栄一郎先生も「不思議なことは悪魔の実だけ」と発言しているそうですから、「作中の不思議な現象はすべて悪魔の実が原因」だという事になりますし、私の仮説から考えても、尾田先生のこの発言は「うまい!!」と思います。
たとえばノロノロの実の能力でルージュの時間進行を半分にしたか、トキトキの実の能力で20か月後に飛んだか、あるいはメロメロの実の能力で母子(ボシ。星)を石化して20か月後に元に戻したか、などの手段です。
上記の案の中では、私はガープあるいはルージュがアマゾン・リリーと関係しているのは確定だと考えているので、メロメロの実によって石になることで追手の目をごまかし、同時に出産を遅らせるという一石二鳥が一番可能性が高いと考えています。
(ニョン婆がルージュ本人かルージュの母かなあとも思ったのですが、エース処刑の新聞を読んでいるときの反応を見ると違うかなあと思います)
天竜人の奴隷にされたボア・ハンコックが余興でメロメロの実を食べさせられ、妹たちがヘビヘビの実を食べさせられたのは偶然ではなく、「元々アマゾン・リリーに関係する悪魔の実だから」かもしれません。
マザーフレイムはよく「母の火なので”母の日”というシャレだ」と言われます。
『ONE PIECE』では火=カリスマになる人物だと考えられるので、母の火とは「母の子宮の中にいる胎児」だと読み解けます。
作中の描写を見ると、ルルシア王国を消した「イム様砲(※)」とパイロブロインなどの設定から、マザーフレイムは原子力のメタファーだと考えるのが普通でしょう。
(※ネットでの通称。世界の投資家からの「日本への通貨攻撃」を撃退し、日本国を守った「日銀砲」がネーミングの元か)
ただし、「不思議なことは悪魔の実だけ」の世界なので、この火は物理的な火ではなく、「母の子を想う心」「カリスマに集まる人々の思い」を象徴したものかもしれません。
私が以前から書いている通り、この世界は「信じる心が力になる」世界だからです。