※ここには漫画『ONE PIECE』の最新話の内容を含むネタバレ考察が書かれています。ネタバレが嫌いな方はここより下の内容を読まないでください。
ベガパンクの真実配信は「海賊放送(Pirate radio)」であり、「先にエッグヘッドから脱出した船から放送している」と思います。
そしてエッグヘッド戦は「大東亜戦争の沖縄戦」です。
海賊放送とは、正式な許可なく放送する行為、いわゆる「無免許放送」です。
なぜ海賊なのかと言うと、海賊版と同じく無許可で放送するからという意味の他に、「アンテナと送信機を搭載した船で、公海上から放送する方式も多かったから」です。
かつてヨーロッパでは国営放送しか許可されなかったため、こうしたゲリラ的な無免許放送局が発生したのだそうです。
ちなみにイギリスで初めて「FxxK」という単語を電波で放送したのも海賊放送だそうです。
ロックですね。
最初は無許可だった海賊放送局を、のちに国が正式な放送局にすることもあったそうです。
海賊放送を物語に組み込むというアイディアは、『パイレーツ・ロック』という映画からの発想かもしれません。
海賊放送はイギリスでも多く、犯罪者である海賊を政府の直轄にするという「七武海」の設定は、イギリスを中心にした設定だと考えられます。
尾田先生は、現代情報社会の放送形式の変化を表現しつつ、海賊にちなんだ設定としてこのラジオ放送の歴史を盛り込んだのでしょう。
また、このエッグヘッドからの脱出船を撃沈せよ、という命令をサターン聖が出した展開は、大東亜戦争の沖縄戦における「対馬丸事件」を表現したものです。
したがって、隠された物語上の時代設定は、「対馬丸事件」の起きた1944年8月22日ですから、音声だけの電伝虫の描写が多いのは「当時の通信機器はラジオだった」ことを表現し、フーシャ村などの映像電伝虫についての会話は「テレビを買えない昭和日本の一般家庭」を表現しています。
つまり2024年5月24日現在の最新話までのエッグヘッド戦は「沖縄戦」。
エッグヘッド脱出船が激震されなかったのは「対馬丸が撃沈されなかったIF世界」。
巨人海賊団の参戦は「巨大戦艦大和が沖縄県に到着できたというIFの歴史」を表現しています。
テレビでは、よく「沖縄県は本土の捨て石にされたというデマ」が放送されています。
貴重な戦力である戦艦大和をはじめとする残り少ない艦船を出し、”ガソリンの一滴は血の一滴”とまで言われた貴重な燃料を使い、全国から残り少ない兵隊が集まって沖縄県救出に向かったのですから、沖縄県を捨て石にしたというのは完全にウソです。
今の展開でエッグヘッドが沖縄として描かれていることは別項でまとめたいと思います。
沖縄戦だと考えれば、ベガパンクの真実配信が何を表現しているかもわかるでしょう。
「太田実中将の『沖縄県民斯ク戦ヘリ』の電文」です。