※ここには漫画『ONE PIECE』の最新話の内容を含むネタバレ考察が書かれています。ネタバレが嫌いな方はここより下の内容を読まないでください。
前回で、私はボニーのトシトシの実を「ヒトヒトの実モデル宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)」と考えました。
稲荷神社の主祭神であり、「狐の化かす力、変身能力」を表現していると考えたのです。
しかし、この説では説明しにくいものが2つあります。
第1072話〝記憶の重さ〟でボニーが使用した「跡死突き(トシつき)」と「老化衝撃(オイルショック)」です。
「跡死突き(トシつき)」はただの鉄パイプでベガパンクを突くと、ベガパンクの経験した「年月」が体外に放出されます。
放出された年月はキラキラした星型やハート形のファンシーなジュエリー(女児用玩具?)に変貌。
ベガパンクは放出した年月の分だけ若返り、子供になってしまいます。
「老化衝撃(オイルショック)」はおそらくボニーが触れた物体の時間を進め、急速な経年劣化で崩壊させる技です。
恐ろしい技ですが、ボニーはベガパンクに「安心しろ あたしの能力は 生物に対して永遠の効力はない…!!」と言っているので、この破壊技は「命の無い非生物や無機物にしか効果がない」と考えられます。
私は「宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)は稲荷神社の主祭神だから、キツネの化かす力や変身する力を使用できる」と考察しました。
ボニーの残りの技、「歪んだ未来(ディストーションフューチャー)」「臨死体験(エヌディーイー)」はキツネの変身と化かす力(幻覚含む)で説明できます。
しかし、前述の2つの技は、明らかに時間(年月)そのものに干渉する技であり、私の想定から外れています。
そこで、次のように考えました。
①ボニーは宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)である。お稲荷さんの力、すなわち「自分をベースにした変身能力」と「化かす力」はボニー本人の能力である。
②トシトシの実の正体は、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)の兄神「大年神(オオトシガミ)」である。ボニーの「年月に干渉する能力」は、サターン聖により接種された兄神「大年神」のエキスの能力である。
③つまり、ボニーは「本人(妹)の能力」と「兄の能力」の2つを合体使用できる特殊な存在である。これは父が天竜人(神話通りならスサノオに相当する人物)であることにも関係すると考えられる。同時に、ルフィの特殊性(覇王色の覇気を持って生まれた)にも繋がると予想される。
これでますますボニーの父親と出生の秘密が重要になってきたわけです。
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ちなみに、ボニーの元ネタの一つは永井豪先生の『キューティーハニー』です。
ハニーは父の愛によって造られたアンドロイドであり、人間ではありません。
人間の4倍の高い戦闘能力を持ち、体内に組み込まれた空中元素固定装置であらゆる物質を作り出すことが可能で、その力を応用した変身能力を持ちます。
父の如月博士は亡くなりますが、自分そっくりの伝言(メッセージ)を残すロボットを残します。
これは「父の死亡」と「ロボットの父」の要素がくまに移植され、「伝言(メッセージ)を残す」展開はベガパンクがDの名を持つ者達へ伝言(メッセージ)を残す展開に合体していると考えられます。
ただし、エッグヘッド編の大きい元ネタは「沖縄戦」であり、ジャンプ掲載時期も沖縄戦に合わせているため、この予想は間違いありません。
したがってベガパンクの伝言(メッセージ)は、沖縄戦で殉職した大田実中将の世界戦史に残る『沖縄県民斯ク戦へリ』の電報がメインの元ネタです。
この場合、Dの一族は沖縄県民だということになりますので、Dとは「日本国を守って戦死した人々」の総称とも考えられます。
敵のパンサー・クローはボスや幹部が女で、部下のモブ戦闘員が男という完全女性上位の悪の組織。
ハニーの空中元素固定装置で「宝石を作る(女性の欲望の戯画化(カリカチュアライズ))」など、あらゆる富を作り出すことを望み、ハニーを襲います。
このパンサー・クローが黒ひげに投影されていて、黒ひげが若い時に鉄の爪(クロー)を付けている理由の一つは「パンサー・クローが黒ひげの元ネタの一つだから」だと考えられます。
黒ひげがハニー=ボニーを拉致したのも、『キューティーハニー』の再現でしょう。