エレン=英霊(えいれい)。
エレンの脳内には道半ばで倒れた無数の人々の記憶が保管されており、それがエレンの記憶障害の原因となっている。
いわば、エレンは英霊たちをまとめるための「器」である。
エレンが最終兵器の騎士だと仮定すれば、過去の英霊たちと合体して敵を倒すために進撃するという比喩だとも考えられる。
エレン巨人は他の巨人に接触することで、相手の記憶データを瞬時にコピーすることができる。
巨人の力による世界再生の際には、エレンの脳内に収集された記憶データから人類が肉体化(インカーネイト)される。
逆に言うと、エレンの脳内に記憶されていない人間は、次の世界で肉体化(インカーネイト)されない。
また、再生の際には、エレンの願望が反映された世界が肉体化(インカーネイト)される。
これは、エレンの巨人化に、強い意志と、明確で単純な目的意識が必要なのと同じである。
12巻第50話「叫び」で、ライナーが「よりによって「座標」が… 最悪の奴の手に渡っちまった…」と言っているのは、その前の11巻第46話「開口」でエレンが「お前らができるだけ苦しんで死ぬように 努力するよ…」と宣言しているから。
つまり、エレンに次の世界をデザインする権利(「座標」はそのためのシンボル)が渡ったため、このままだと①エレンが強力な巨人になって、ひたすら自分たちを苦めて殺すようになる、②次の世界が「ライナーたちができるだけ苦しんで死ぬ」様な仕組みの世界になってしまうから。