◎巨人は戦争防止壁
巨人の役割は、「国家同士を分断し、戦争をさせないこと」。
巨人がさまよう壁外そのものが、古代において国同士を分断していた海のような存在であり、戦争防止壁である。
つまり、「壁の外」こそが巨大な壁。
◎巨人を殺しすぎてはいけない理由
壁内では、巨人を殺す技術の高い者ほど、中央に引き抜かれて巨人から遠ざかる。
なぜ、巨人を殺してはいけないのか?
それは、上記のように「巨人が戦争を止めている障壁だから」。
もしも巨人の数が減ると、他国の軍隊が壁外を簡単に移動できるようになるため、この壁は侵略されてしまう。
そうすれば、否応なしにこの壁も戦争に参加せざるを得なくなり、レイス家の作った「平和な世界」は消滅する。
いわば巨人の群で作った「エリコの壁」が、崩れてしまうのである。
◎この世界は「猿の手」の作った世界
「猿の手」とは、必ず願いをかなえるが必ず不幸になる(大きな代償を払うことになる)アイテムの総称。およびそうしたパターンを利用した創作物。
たとえば、「息子のためにお金がほしいと願ったら、息子が交通事故で死んで高額の慰謝料が手に入った」、「子供の健康のために公害を無くすようコンピュータに指示したら、公害の原因である人間を皆殺しにした」など、一種のプログラミング・ミスやバグ、ヒューマン・エラーと見なすことができる。
巨人を生み出した存在は戦争のない平和な世界を望んだため、人類が壁の外に出たくても出れないように巨人で壁外を囲んだ。
壁を意図的に”陸の孤島”にして、他国への侵攻も、他国からの侵略も不可能にしたのである。
また、巨人という”人類の天敵”が出現することで、人類が一致団結し、争いがなくなることも期待した。
しかし、こちらの目論見は失敗した。
人類は天敵に囲まれた壁内でさえ、争い続けたのである。
巨人を生み出した存在は人類の幸福を願ったのだが、その結果は人類にとって地獄でしかなかった。
その地獄を作ったのがレイス家である。