※ネタバレや考察自体がお好きでない方は絶対に閲覧しないようお願いいたします。
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※ネタバレを読みたくない、先入観を持たずに『進撃の巨人』を読みたい、楽しみたいという方は、ここから先は読まずに、引き返してください。
これは私が『進撃の巨人』を読んで、一番最初に考えた仮説です。
◆『進撃の巨人』を読んだキッカケ
そもそも私が『進撃の巨人』を読み始めたのは、複数の漫画家から「講談社の新雑誌で、わざわざ他誌から呼んだ看板作家ではなく、無名の新人の書いた漫画の方が人気が出ちゃった」という話を聞き、興味を持ったからでした。
その話を聞いたのは、たしか4巻が出た直後ぐらいだったと記憶しています。
まったく知らなかったので、最初『新劇の巨人』と勘違いし、伝記漫画と勘違いしたくらいです。
◆1巻で結論が出て興味を失う
そこで早速1巻を買って読んでみたのですが、私は1巻のあるシーンを読んで「ああ、そういうことか」と思い、以後、興味を失ってしまったのです。
(その後も読み進めるうちに、多くの既存の作品から設定やキャラクターを借り、特に手塚治虫作品のアイディアが多く含まれている事も影響しました)
当時、私に『進撃の巨人』の事を教えてくれた漫画家は「ウルトラマン」だと表現していました。
しかし私はある理由から「この漫画はシミュレーションゲームやアドベンチャーゲームを漫画化したものだ」と考えました。
要するに1巻の時点で、この漫画は「ゲーム中の登場人物から見た世界」であり、この漫画の登場人物たちは「意思を持ってしまったゲーム・キャラクター」だと考えたのです。
たとえばチェスの駒に意思や自我があったら、自分たちはなぜ戦うのか、なぜ殺し合わなければならないのか、疑問に思うでしょう。
彼らは人間のプレイヤー、つまり駒から見れば「巨人」に自在に動かされ、「巨人」に命じられるままに殺し合わなければならない。
駒は自分の全てを巨人に委ねなければならず、しかも決して巨人に逆らうことはできないのです。
しかし、もしゲーム中のユニットたちが意思を得て、自分たちの役割を捨てて逃げ出したら?
そこで私は「この世界は何らかの理由でバグったゲーム」だと考察しました。
「シミュレーションゲームが何らかの理由でバグって兵士ユニットが自我を持ち、プレイヤーの言いなりになって戦うのを拒否して逃亡し、プレイヤーに見つからない場所にこっそり都市を作り、誰とも戦わずに済むように城壁を高くして引きこもった世界」
それが『進撃の巨人』の世界だと、私は考えたのです。
◆10巻から再び読み始める
その後、私は『進撃の巨人』をストーリーを追う程度にしか読んでいなかったのですが、10巻を読んで最初から読み直すようになりました。
以前にも書きましたが、私は10巻を『進撃の巨人』で最も美しい巻だと思っています。
◆2014年年末から考察を始める
その後、2014年の年末にYOUTUBEで岡田斗司夫さんの『進撃の巨人』の考察を見て、自分でも考察を始めたのはすでに書いたとおりです。
しかし、私はあえて「仮想空間説」はあまり考えないようにしてきました。
なぜなら、ゲームのような仮想空間だとすると”何でもあり”になってしまうからです。
だからこそ私は、これはゲームの世界だと思った瞬間に興味を失ったのです。
◆仮想空間でないと説明の難しい描写
そのため、10巻を読んで興味が復活した後は、できるだけ仮想空間説は採らずに、物理的に説明できる仮説を中心に、できるだけ荒唐無稽な内容で考えてきました。
しかし、一カ所だけ仮想空間かそれに類似した設定でないと説明できない箇所があります。
それがアニメ版第10話「応える―トロスト区攻防戦 (6)―」の「爆発の影響を受けない花」です。
砲撃を受けたエレンが骸骨のような巨人の体を防護壁のようにしてミカサとアルミンを守るというシーン。
アルミンは「砲撃を受けたのに、巨人の体の内側だけ花が残っている」事に気づきます。
念のため、前後の状況を確認してみました。
その前の回、第9話「左腕の行方 ―トロスト区攻防戦 (5)―」でも、この紫色の花が生えていることが確認できます。
そして、巨人の外側には花や草が無く、周囲の床が焼け焦げていることが分かります。
爆発の爆風や熱は物理現象です。
普通は周囲の床と同じく、巨人の内側の床も爆風と熱の影響を受けるはずです。
つまり、この「巨人の内側だけ花がそのまま残っている」という描写は、「物理を超えた現象」が起きたことを表現しているとしか考えられません。
ここだけは、仮想空間または物理現象をねじ曲げるような設定でなければ、うまく説明できないのです。
そこで、ここではあえて仮想空間を題材にして、私が最初に考えた仮説を記録しておきたいを思います。
ただし、この仮説だと何でも説明できてしまうので、この仮説が当たっていない方が、私にとっては嬉しいのですが。
『進撃の巨人』の世界は古典的かつ人気の高いゲームをモチーフとしている。
主に『ポピュラス』『シヴィライゼーション』『ローグ』『ウィザードリィ』『ウルティマ』などが元ネタである。
『ポピュラス』では一人のユニットを「ナイト」に指定すると、味方の住民がナイトに合体してより強力なユニットとなり、敵国に侵攻し、ひたすら破壊をし続ける。
『進撃の巨人』では、この合体を「人を食べる」というギミックで表現している。
このゲームの最大の特徴は、生きた人間(犬の人造生物)を使っている点である。
ただしゲーム中の人間のサイズは、実際の人間の約8分の1~10分の1である。
ゲームの内容は「ターン制歴史シミュレーション+アドベンチャー」。
あらかじめ決められたフローチャートに沿って物語が展開する。
諸条件やプレイ内容によってゲーム内容は変化する。
そのため物語や人物設定やイベント等もプレイごとに変化する
ゲームのプレイ目的は「世界最高の文明になること」。
プレイヤーは王となり、様々な手段で自分の統治する文明を発展させる。
この世界には多くの文明が存在し、互いに競い合っている。
王はユニットを生産して人口を増やし、世界を探検し、国土を整備し、技術を高め、外交を駆使し、戦争をして他国を征服し、自分の文明を発展させる、
ゲームのクリア条件は2つ。
① 文明同士が戦争をして、最終的な勝者となる。
② 勝者が決まらない場合、2000ターンで強制的にゲームオーバー。
ゲームには各種イベントと選択肢が用意される。
プレイヤーは選択肢を選ぶことでイベントをクリアする。
誤った選択肢を選んだ場合はバッドエンドとなり、前回のセーブポイントから再スタートとなる。
ゲームはターン制で1年=1ターン。
ゲームは紀元前1000年からスタートし、漫画は紀元845年=845ターン目から開始される。
つまり実ターン数は「1845ターン」であり、もうすぐゲームオーバーの二千年となる。
「この壁」は同じ歴史を繰り返している。
新しいゲームプレイを始める条件(現在のイベントをクリアする条件)が消失したからである。
そのため、このゲームは何度も同じセーブポイントに戻り、クリアできないと分かっているプレイを繰り返している。
いわば将棋で言う「千日手」になっているのである。
これが外見上、世界がループしているように見える理由である。
そして、このゲームはプレイごとに登場人物の関係性や性別など一部の設定が微妙に変化する仕様になっている。
プレイヤーを飽きさせないためである。
ゲーム中のキャラクターは何度も同じ生活とイベントを繰り返し、セーブポイントに戻るとそれまでの記憶は初期化される。
ちょうど記憶を失ったのと同じ状態になるのである。
逆に、セーブポイントに戻っても記憶を初期化されないキャラクターも存在する。
初期化されないキャラクターたちは、ゲームがリセットされても前回のプレイ内容を記憶している。
RPGで言えば、前回までのプレイで獲得した「レベルの持ち越し」ができるキャラクター。
これが「記憶改竄されない少数派の血族」である。
彼らは「記憶を改竄されない」のではなく、「リセットしても初期化されない」だけ。
重要なモチーフに使用されているのは『ポピュラス』。
プレイヤーは神となり、国を栄えさせて人口を増やし、領土を改良して、敵国である悪魔の国をしんりゃく
本来「この壁」の歴史では、キース・シャーディスがカルラと結婚することになっていた。
つまり、今までのターンではキースがエレンの父親だったのである。
しかし「この壁」に存在しなかったグリシャが「参加」してしまったため、歴史が変わってしまった。
その結果、キースではなくグリシャがカルラと結婚してしまった。
第71話「傍観者」でのグリシャのセリフ「この子はあんたとちがう 私の子だ どうか頼む・・・ 関わらないでくれ」=「以前の歴史ではエレンはキースの子だったが、私がこの壁に侵入して歴史が変わった今では、エレンは私の子だ。もうお前に口を出す権利は無いのだから、関わらないでくれ」
上記は 最終更新:2015年10月11日 に記述。
以下は 2021年3月21日 に記述。
現在の最新話である第138話。
私は「138」は「138億年」を指すと考えています。
つまり我々の住む宇宙が生まれてからの年数です。
宇宙は138億歳なのです。
そして最終話は第139話。
138億年に新しい1を足すので、「新しい宇宙(世界)が始まる」というラストになるはず。
ゲーム説では「新しいプレイを再開する」ことになります。
ミカサとエレンが逃亡するIFシーンは、バッドエンドですね。
つまり第1話冒頭のエレンが泣くシーンは、バッドエンド後の再プレイ開始を表してしることになります。
アニメにもなったゲーム『シュタインズゲート』の「無限サイクリング」エンドですね。
これも私の以前書いた仮説ですが、第1話冒頭の超大型巨人とエレン・ミカサ・アルミンのシーンが最終話後の話だと考えています。
「全ては振り出しに戻る」
これは、『進撃の巨人』の元ネタのひとつ、『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』の予告(PV)のナレーションです。
※ケニー・アッカーマンの対人立体起動装置の服装は、『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』の最後の戦いで登場する特殊部隊の制服です。
※雷槍も、『装甲騎兵ボトムズ』の人型兵器アーマード・トルーパー信木のひとつであるパイルバンカーが元ネタです。
※異能生存体という主人公補正もパクっているのではないかと考えています。
簡単に言うと、『新劇の巨人』第1話は、時系列の最後のシーンを最初に描いているのではないか?というのが、私の仮説です。
将棋からコンシューマーまで含めて、ゲームなら最初から再プレイするのは当たり前の話ですね。
駒(駒鳥(クック・ロビン)→マザー・グースも元ネタ)から見れば、戦って勝ったり負けたりした後、突然最初の状態に戻され、また戦わされるわけです。
童話や小説、漫画や映画も繰り返し読めば、何度でも同じ展開を繰り返します。
主要な元ネタのひとつ『機神兵団』のラストは、「1年 あるいは百五十億年後」としています。
これをパクったのがアニメ『スペース・ダンディ』。
『スペース・ダンディ』は主役のダンディが神となり、新しい宇宙を創造し、138億年に10億年足した「148億年後のちょっとだけ違うほぼ同じ世界」で幕を閉じます。
約150億年です。
実は『機神兵団』は他のアニメや漫画でも、かなりパクられているらしいですね。
実際に、テレビでとある漫画編集部が紹介された時、『機神兵団』が資料棚の最前部に置いてある映像が放送されたことがあります。