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今日発売されたばかりの『別冊少年マガジン』2015年11月号に掲載されている『進撃の巨人』第74話「作戦成功条件」で、調査兵団が左腕にはめている謎の器具について考察します。
(1)結論:小型パイルバンカー
現在、作中では調査兵団が「槍」と呼ばれる新兵器を準備している事が示唆されています。
現時点では、私はこの「槍」を腕に装着して使用する小型パイルバンカーまたは刺突爆雷であり、調査兵団が腕に装着している謎の器具は射出筒の固定装置ではないかと想像しています。
※パイルバンカーとは、金属製の杭を火薬などの圧力で打ち出し敵を刺す架空兵器の総称。考案者はアニメーション監督の高橋良輔で、初出は『装甲騎兵ボトムズ』。ちなみに高橋監督考案の架空兵器は他のアニメ漫画で流用される事が非常に多く、『ボトムズ』の次の高橋監督作品『機甲界ガリアン』で考案したガリアンソード、いわゆる「蛇腹剣」は現在に至るまで多くのエピゴーネンを生み出し続けている。蛇腹剣とは剣と鞭の両方の性質を持つ兵器で、細かい刃がチェーン状に連なって剣の形になっており、剣としてだけでなく鞭のようにも攻撃でき、敵に巻き付けて引っぱるとチェーンソーのように相手を切断する事もできるのが特徴である。また、同じく高橋監督作品である『ガサラキ』の主役メカであるタクティカル・アーマー(TA)の装備であるリフティングウインチは『進撃の巨人』の立体機動の元ネタの中心と思われる。単なるワイヤーアクションは『機動警察パトレイバー』などでも使用されていたが、『進撃』のアンカー設定は『ガサラキ』のウインチのアンカーにそっくりである。付け加えると、ケニー・アッカーマンの対人立体機動のゴム長風の制服は、高橋監督作品のOVA『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』に出てくるISSの制服によく似ている。リフティングウインチは『ガサラキ』の後、同作の実質的監督だった谷口悟朗の監督作品『コードギアス』でも使用されている。
(2)根拠:壁外組はクーデターと秘匿技術の獲得を知らない
まず大前提として、壁外組は兵団合同クーデターの成功を知りません。
その証拠は2つ。
◎12巻第49話「突撃」で、ライナーとベルトルトがアルミンの「アニが拷問されている」という嘘に騙されている
◎17巻第70話「いつか見た夢」で、猿巨人が「アニ救出は座標奪取の後だ」とライナーとベルトルトに話している(※ライナーとベルトルトがアニ救出を優先させようとして猿巨人と意見が対立し、決闘で方針を決める事になったと考えられる。ライナーたちは猿巨人の実力を承知していたと思われ、この決闘自体も敵の正体に関する伏線であろう。ここでライナーたちが大切な座標よりもアニ救出を優先させようと無謀な決闘に挑んだのは、やはりアニが拷問されていると未だに信じているからだと考えられ、ということは壁外組は壁内の新たな情報は入手できていないと考えられる)
そしてクーデターの成功を知らないということは、壁外組は調査兵団が王政の隠していた新技術を入手していることも知らないということです。
当然、調査兵団はこのアドバンテージを最大限に生かすことを考えるでしょう。
だからこそエルヴィンも「隠し事」と表現しているわけです。
(3)考察:敵巨人攻略
調査兵団側は敵の巨人、特に最大の防御力を持つ「鎧の巨人(ライナー)」との戦闘を想定して「槍」を開発している事が想定されます。
11巻第44話「打・投・極」でハンジが分析しているように、鎧には脇、股、膝の裏側のように鎧で覆えない部分があり、日本の武道にも組手甲冑術や小具足術など鎧の隙間を狙う技が多く存在します。
※このとき、ハンジは「昔の戦争」と発言しています。ハンジはソニーとビーンの知識も持っており、時折ハンジだけ特別な知識(現実の地球の歴史)を知っているかのような描写があるのが引っかかります。補足すると、ひとつ前の第43話「鎧の巨人」では高熱を発する超大型巨人について、「いずれ「彼」は出てくる」「いいか?「彼ら」を捕らえることはもうできない 殺せ 躊躇うな」と断言している点にも疑問があります。特に後者はミカサの「次は無い・・・ 次はもう・・・無い」というセリフに似ている点にも注目です。
実際に、同話でハンジの分析を聞いたミカサが、鎧の巨人の膝裏を切る事に成功していますので、この「槍」も同様に鎧の巨人の弱点、すなわち鎧の隙間をピンポイントで攻撃するための兵器ではないかと思われます。
また、調査兵団は巨人のうなじの肉を瞬時に切り取るために、両手でカッターの刃を持たねばなりません。
そのため、両手を自由に使用できるよう、腕に固定できる兵器の方が都合が良いだろうと思われます。
(3)考察:「槍」
以上の点から、調査兵団が腕に装着している謎の器具が「槍」に関係すると仮定した場合、「槍」とは剣を持てるよう腕に発射筒を固定装着する小型パイルバンカーであり、槍を火薬または氷爆石の圧力で射出し、鎧の巨人の装甲の隙間を刺すための兵器ではないかと想像します。
普段のカッターの刃による肉薄攻撃は知性巨人の迎撃を受けやすいので、ある程度の距離から立体起動中にも攻撃できる兵器が便利なはず。
また、第70話「いつか見た夢」でマルロは「あの槍の威力があれば巨人なんぞ紙くず同然だ!!」と発言しているため、「槍」は「巨人を紙くずのようにできる兵器」だと言えます。
紙の特性は「薄くてもろい」「裂ける」「燃える」などですから、刺して爆発する刺突爆雷のように火薬か炎を併用している可能性もあります。
もちろんまだまだ情報不足ですから、この想像が外れている可能性の方が高いので、あくまでこれは現時点での想像に過ぎません。
たとえばクーデターで獲得した新技術によっては火炎放射器や地雷だって巨人を倒すのには有効ですし、すでに多くの人が指摘しているように、そもそもエレンに堀や落とし穴を掘らせ、穴に落ちたところに布などをかぶせて日光を遮断し、巨人が活動できない夜になってから倒す方が効率的です。
他の可能性としては、例えば爆導索のような「爆弾を付けた紐」も考えられます。
2人以上の兵が腕の器具に爆導索のロープを挟み、巨人の左右を飛び越えざまに巨人の首に爆導索を引っかけ、首ごとうなじを爆破。
腕の器具はロープを挟んでいるだけなので、巨人の首に引っかけた後に強く引っ張ると自然に器具から外れる仕様になっている、など。
私は『進撃の巨人』は歴史再現をモチーフとしており、特にペリー来航(1853年)後の日本の歴史と戦争を元ネタにしている可能性を考えています。
◎アニのモデルがアナスタシア皇女であり、女型の巨人編は日露戦争を再現しているのではないか。
◎だからエルヴィンの長距離索敵陣形は艦隊陣形に酷似しており、最後にミカサがアニを落とすのは戦艦三笠率いる日本艦隊がロシアを倒す日本海海戦の再現ではないか。
もしも本当に日露戦争が『進撃の巨人』に影響を与えているのであれば、爆導索ではなく「連携機雷」かも知れません。
日本海軍は当初、ロシア艦隊撃滅のために「一号機雷戦」という独自開発の秘密兵器を使った戦闘を計画しており、それは特殊機雷をロープでつないだ「連携機雷」を敵艦隊の進路に敷設して爆破するというものでした。
要するに、日本海軍は機雷や魚雷という「点の攻撃」ではなく、ロープに多数の機雷をつないで「線の攻撃」にしようと考えたのです。
ところが、攻撃当日の明治38年(1905年)5月27日は波が高く、機雷同士が接触すると無駄に爆発してしまうため、日本海軍は連携機雷の使用を断念します。
このとき参謀の秋山真之が出した「敵艦見ユトノ警報ニ接シ 連合艦隊ハ直チニ出動 コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」という電文は、長い間、”名文だが後半が蛇足”と批判されてきましたが、実は後半の文章は「晴天だが波が高く機雷同士の接触・自爆の危険があるため、当初予定されていた連携機雷の使用は中止する」という重要な意味が隠されていたとも言われています。
私は今回の戦いを「ダビデとゴリアテ」だと見立てていますが、実は日本海軍もモチーフとなっており、羊飼いの少年ダビデの投石器にあたるのが、連携機雷あるいは爆導索かも知れません。
ただし、今回は敵の制圧地域に侵攻するため、運搬しやすい擲弾筒やバズーカ砲のような携帯火器の方が有効だろうと思われます。
漫画的にも、火薬兵器の方が派手で画面映えします。
今回は巨人軍団との戦いですから、できるだけ強力な火器や一度に複数の巨人を倒せる兵器がなければ、調査兵団の政官は厳しいと思われます。
また、壁外組の目的はあくまでも座標奪取ですから、猿巨人やライナーたちは座標を捕まえたら戦わずに即逃亡する可能性もあります。
ちょうど、12巻でユミルがヒストリアを捕まえて、そのまま逃亡したように。
無知性巨人たちは調査兵団の足止め用です。
そして、壁外組の狙いがエレンではない場合、意外な人物を攫って逃げるかも知れません。
今のところ、ミカサが狙われる可能性もあると私は考えています。