藤白神社(和歌山県)

  • 所在
 〒642-0034 和歌山県海南市藤白466
  • 交通
 電車:JR西日本紀勢本線利用。海南駅下車徒歩15分。
 車 :阪和自動車道利用で海南I.Cすぐ。


  • 奉仕者




  • 社格
 元県社



  • 御祭神
  • 饒速日にぎはやひのみこと
  • 熊野坐大神くまのにいますおおかみ:家津御子大神けつみこのおおかみ
 →本地仏:阿弥陀如来(本宮)
  • 熊野速玉大神くまのはやたまおおかみ:伊弉諾尊いざなぎのみこと
 →本地仏:薬師如来(新宮)
  • 熊野夫須美大神くまのふすみのおおかみ:伊弉冉いざなみのみこと
 →本地仏:千手観音菩薩(那智)
  • 天照大神あまてらすおおかみ:藤白王子若宮
 →本地仏:十一面観音菩薩
  • 祓戸大神はらえどのおおかみ:祓戸王子社から合祀
  • 事解男神ことさかのをのかみ
  • 玉依毘売命たまよりびめのみこと



  • 摂末社
  • 子守楠神社
 御祭神は熊野杼樟日命くまのくすびのみこと(熊野久須毘命)。子供の神様として名を知られ、古来畿内各地から子が生まれると、楠・藤・熊の名を付けると長命し、出世をするといって、この宮に祈願して名を受ける。民俗学者である南方熊楠もその一人である。いまも子授け、安産、成長の神様として親しまれている。境内の大楠群は海南市の指定文化財(天然記念物)である。

  • 有間皇子神社
 若くして悲運に散った有間皇子を祀る。

  • 他に「恵比須神社」「巳神社」「祇園神社」「住吉神社」「秋葉神社」「塩竃神社」「松尾神社」を祀る。



  • 祭事





  • 由緒・歴史
 由緒は古く、景行天皇五年の鎮座にはじまる。
その後、斉明天皇が牟婁の温湯(現在の白浜湯崎温泉)に行幸の御時、神祠を創建されたという。そのゆかりで境内社として有間皇子神社を祀る。
聖武天皇が玉津島行幸に際し、当社に僧行基を詣らせ、熊野三山に皇子誕生を祈らせたところ、高野皇女ご誕生、よって光明皇后は神域を広め、整え、熊野三山の御祭神を勧請し、ここを末代皇妃夫人の熊野遙拝所と定められたことから、子授け、安産、子育ての守護神として崇められるようになった。
孝謙天皇玉津島行幸の際は、供奉した熊野広浜が祖神であるから当社に詣で、「日本霊験根本熊野山若一王子三所権現社」と号した。以来、藤白王子、あるいは藤白若一王子権現社と呼ばれ、「藤代」とも表記された。
平安から鎌倉にかけての時代、熊野信仰がたかまる中で、この地に大鳥居を建て、熊野一ノ鳥居として熊野九十九王子中、最も格式の高い五躰王子の一つとなり、熊野聖域の入り口、門として、祓戸王子を鳥居の近くに設けた。歴代上皇法皇の熊野御幸は延べ百回に及び、当社に必ず宿泊され、特別な催事が行われた。



  • 文化財
  • 藤白王子跡 : 県指定史跡(1958年〈昭和33〉4月1日指定)
  • 藤白神社本殿 : 県指定文化財(建造物、1997年〈平成9年〉4月23日)
 →本殿は戦国の兵乱で神宮寺とともに焼失したが、紀州徳川家初代藩主頼宣(南龍公)により再建され、三間社流造。
  • 熊野三所権現本地仏坐像(木造) : 県指定文化財(美術工芸品、2005年〈平成17年〉5月31日指定)
  • 十一面観音立像(木造): 県指定文化財(美術工芸品、2005年〈平成17年〉5月31日指定)
  • 藤白の獅子舞 : 県指定文化財(無形民俗文化財、1966年〈昭和41年〉4月12日指定)
 →一頭の獅子舞と天狗面の猿田彦命が春ののどかさをうたいあげるもの。除夜の鐘を合図に初舞を披露するほか、10月15日の秋の例祭では街中で舞う



  • その他
  • 鈴木屋敷
熊野三党の一族で、全国の鈴木氏の総本家の屋敷跡。鈴木氏はこの地に居を構え、全国に熊野信仰を広めた。邸内の庭園は平安時代の曲水泉の様式として県指定史跡となっているが、建屋は朽崩がすすんでいる。
最終更新:2009年04月18日 04:09