花窟神社(三重県)

  • 名称
   花の窟神社(はなのいわやじんじゃ)

  • 所在
 〒519-4325 三重県熊野市有馬町上地130

  • 交通
 電車:名古屋駅から → JR紀勢本線 特急「ワイドビュー南紀号」で熊野市駅まで約2時間50分
    JR松阪駅から → JR紀勢本線特急ワイドビュー南紀で熊野市駅まで約1時間50分
    熊野市駅から → 三重交通バス 「熊野市駅前」停⇒「花の窟」停まで約5分
    JR新大阪駅から → 特急「スーパーくろしお号」で新宮駅まで約3時間50分近鉄
    上本町から → 近鉄阪伊乙特急で松阪まで1時間28分⇒JR特急南紀で熊野市駅まで約1時間49分
    JR天王寺駅から → きのくに線特急オーシャンアローで新宮駅まで約3時間20分
    JR京都駅から → きのくに線特急オーシャンアローで新宮駅まで約4時間10分
    JR新宮駅から → 普通列車で熊野市駅まで30分JR熊野駅から三重交通バス 「熊野市駅前」停⇒「花の窟」停まで約5分

 車 :名古屋ICから → 東名阪~伊勢自動車道(勢和多気IC経由~大宮大台I.C)⇒国道42号線にて熊野市まで約3時間(約200km)
    大阪から → 西名阪自動車道(郡山IC)~橿原~国道169号~国道42号経由~熊野市まで約3時間30分(約180km)
    白浜から → 国道311号~168号経由- 新宮市街地から国道42号を北上(約130km)
    ※茶屋「花の岩屋」の横に駐車場あり

 バス:名古屋駅から → 名鉄バスセンターのりばより三重交通バスにて「熊野市駅前」停まで約4時間




  • 御祭神
  • 伊弉冊尊いざなみのみこと
  • 軻遇突智尊かぐつちのみこと



  • 祭事

  • 春季大祭:2月2日
  • 秋季大祭:10月2日
+ 御縄掛け神事
 御縄掛け神事は、有馬の氏子が中心となり、およそ10メ-トルの三旒の幡形、下部に種々の季節の花々や扇子等を結びつけたものを、日本一長いともいわれる約170メートルの大綱に吊し、大綱の一端を岩窟上45メートル程の高さの御神体に、もう一端を境内南隅の松の御神木にわたす神事。
 紀伊国風土記寛文記に「昔の祭日には紅の縄、錦の幡、金銀にて花を作り散らし、火の祭と云ひしとあり。
村人いふ錦の幡は毎年朝廷より献じ給ひしに、何れの年にか熊野川洪水にて其幡を積みたる御舟破れしかば、祭日に至り俄にせんすべなく縄にて幡の形を作りしとぞ。其後錦の旗の事絶えて縄を用ふ(今花井壮熊野川相須村の辺に絹巻石と云ふあり破船の時錦の幡の流れて其石にかゝりし故にその名ありといふ)。今村人の用ふる所は縄を編みて幡三流の形を造り幡の下に種々の花を括り又扇を結びつけて長き縄を以て窟の上より前なる松の樹に高く掛け三流の旗、窟の前に翻る。歌舞はなけれども「以花祭又用鼓吹幡旗祭」といふ故実を存する事めづらしき祭事といふべし。」とある。
 昭和44年3月28日に三重県無形文化財に指定。


  • 由緒・歴史
 日本書記に「 一書曰伊弉冉尊火神(いざなみのみこと)を生み給う時に灼(や)かれて神退去(さり)ましぬ
       故(か)れ紀伊国 熊野の有馬村に葬(かく)しまつる
       土俗(くにびと)此神の魂(みたま)を祭るには 花の時に花を以って祭る
       又鼓 吹幡旗(つづみふえはた)を用て歌い舞いて祭る」とある。
花窟の名は増基法師の紀行「庵主」に始めて見える。
古より伊弉冊尊の御葬所として信仰を集め、土地の人々が季節の花を供え飾って尊を祀った故実にちなみ花窟との社号が付けられたと考えられる。

花窟神社は古来より社殿がなく、石巌壁立高さ45m。南に面し其の正面に壇を作り、玉垣で周う拝所を設く。
此の窟の南に高さ12mほどの岩があり、その下に玉砂利を敷きつめた祭場を設けて軻遇突智神の神霊を祀る。
此の神は伊弉冉尊の御子神であり王子の窟という。
あるいは熊野における王子信仰の初めをなすとも考えられる。
神殿がなく、熊野灘に面した巨岩を御神体とする信仰の形は、熊野における自然信仰(巨岩信仰・磐座信仰)の姿を今日に伝えている。
一説には、伊弉冉尊を葬った地は当社近くの産田神社であり、当社は火の神・軻遇突智尊の御陵であるともいう。

旧藩主に於いて、此の霊地保護のため寛文9年9月、及び元禄8年11月四至限界御定書を下付し、且つ高札を建て殺生禁断を布令した。

又、昭和23年4月10日天皇陛下が皇太子殿下の当時、熊野地方御見学の途次御立ち寄りあらせられる。
平成16年7月には三重・和歌山・奈良の三県にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として、熊野古道などとともにユネスコ世界遺産に登録された。


  • 文化財

国指定文化財

 → 史跡 「熊野参詣道」の一つ「花の窟」

県指定文化財

 → 無形民俗文化財 「花の窟のお綱かけ神事」

市指定文化財有形民俗文化財

 → 「花の窟神社の版木」
 → 「花の窟の湯立釜」

天然記念物 花窟神社社叢






最終更新:2012年03月05日 09:08