中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

星海に彷徨う者

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shion-atori

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ファー・ジ・アース、私たちの世界は異世界の住人からはそう呼ばれている。
そして、ファー・ジ・アースを含むいくつもの異世界が浮かぶ世界がある。

"普通の"物理常識でいうところの、地球と宇宙空間のような関係に似ていると理解すればいい、と琴ちゃんが言っていた。
(・・・順応性、というのは度胸だなぁと思った。)
つまり、この世界の外は広大な空間であり、そこを巡航すれば目的地に着く、というのが私たちの世界間跳躍方法だった。

"世界のない場所"、そこには世界のなれの果てほどの大きさの陸や小宇宙のようなものまで浮かんでいた。
そこで私たちは、"彷徨う者"たちと出会った。その正体が何だったのかは今となっては確かめようがない。

おびただしい数の声を聞き、果てしない量の力を見た気がする。

ある者は遠い昔を想い、ある者は他の誰かを呪い続ける。
元は大いなる力と深遠なる知識を持っていたであろう存在。
けれどそれは、もうただの記憶でしかない。あそこに浮かぶものたちは今、力なく漂いつづけるだけの存在。

その中の彷徨う者の言葉を今でも覚えている。
「世界を渡る者よ、光を忘れるな。そして、決して闇にのまれるな。」

私たちは、予定通り第四世界へたどり着くことが出来た。

世界を救う力を得て、紫音は一度戻ってきた。あのとき、きっと光を持っていたんだ。
だから、私は今も紫音を信じている。
漆黒の闇を越えても失われなかった光は、必ずまだ紫音の中にあると。



カテゴリ: [追記] - &trackback() - 2006年09月28日 01:59:49

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