バズ・セッション

バズ・セッションのやり方を強力に推奨したのは、ヒルスデイル大学のドナルド・フィリップス学長である。この方法は、ブレーン・ストーミングの変形の一種で、メンバーの数が多いときに、全体を6人くらいずつの小さな分科会に分けて、それぞれの分科会ごとにブレーン・ストーミングを実施して、その結論を全体会議に持ち寄るやり方のことのことである。簡単に言うと、グループ学習と討議学習を組み合わせた方式であり、すべての人に参加(発言)させるということが狙いである。そこで、このやり方を「フィリップス66会議」と呼ぶこともある。

ブレーミング・ストーミングとは、ブレーン・ストーミングとは、1938年(昭和13年)頃、当時、アメリカの広告代理店BBDO社の副社長をしていたアレックス・F・オズボーンが考案した創造性開発のための技法であり、一言でいえば、何人かが集まり、あるテーマをめぐって、既成概念にとらわれず、自由奔放にアイデアを出し合う会議形式の一種である。オズボーンはこれを、“ブレーン(頭脳)で問題にストーム(突撃)すること”している。

 また、バズとは、ハチがブンブンという音のこと、セッションとは、会議のことをいう。
30人とか50人、時には100人くらいの大勢の人が大きな会場に集まり、たくさんの分科会が、まさにハチの巣を突っついたときのように、ブンブン、ガヤガヤと、にぎやかに会議を開催する。

●特徴と効果
バズ・セッションには主に3つの利点がある。
①かなり多くの人数でも自由な活発な討議ができる。
②分科会の中では、それなりに密度の高い討議ができる。
③分科会と全体会議とを効果的に組み合わせることによって、全体としての整合や統一をはかることができる。
という点である。

●実施の手順
「6人で6分ずつ」というのはひとつの標準であり、人数の都合によっては10人くらいになっても良いし、所要時間も20分から30分くらいは必要なことも多くなる。
事前準備として、あらかじめいくつかのテーマを用意しておく。これを次の5つのステップに従って、ひとつずつ討議を進めていく。
第1ステップ
参加者全員に対して、バズ・セッションについてのあらましを説明する。
第2ステップ
参加メンバーを6人くらいずつの分科会に分ける。
第3ステップ
グループごとにリーダーや書記役を決める。
第4ステップ
テーマをはっきりさせた上で、合図とともに、いっせいにバズ討議を開始する。
第5ステップ
グループごとの結論を全体会議に報告する。


●実施・開発上の留意点
グループ・メンバーの構成については、格別な規制はない。あらかじめ年齢や職業などを考慮して決めておいてもよいし、その場で自由に組むようにしてもよい。
なお、テーマの数が多いときでも、グループ・メンバーの組み替えはしないのが普通である。
バズ討議が一区切りついたら、それぞれのグループのリーダーがそれぞれの結論を全体会議(ゼネラル・セッション)に報告する。
バズ・セッションの進行が順調に運べるようにするためには、総合司会の役割を果たす人は、次のような点に注意が必要である。

①討議用の適切なテーマを用意すること。
②参加メンバーにバズ・セッションのあらましを要領よく解説し、理解させること。要点を解説したシートを用意して配布するとよい。
③グループ分けを手際よく行うこと。
④バズ討議の様子を注意深く見守ること。
⑤うまくいっていないグループがあれば、上手に介入して手助けすること。
⑥全体会議でのまとめを上手に処理すること。
⑦必ず何らかの結論を出すこと。

の7つである。

バズ・セッションは、大集会の予備討議などとしてよく活用されている方法である。

(nokai.ab-garden.ehdo.go.jp/giho/42.shtml から一部引用)

参考URL 
www002.upp.so-net.ne.jp/nari/study_room/education/learning.html
web.kyoto-inet.or.jp/people/iemura/discussion.html
nokai.ab-garden.ehdo.go.jp/giho/41.shtml

りえ
最終更新:2007年02月24日 01:07