盲学校及聾唖学校令
1923年(大正12年)の公布により、
障害児教育において初めて盲学校・聾啞学校の設置義務と
無償制が実施された。私立盲唖学校は府県へ移管され、またそれまで盲・聾という全く障害の違う人が同じ学校で学ぶということの問題が指摘され、盲・聾分離が急増した。この勅令は10条と附則からなっている。
昭和22年3月31日をもって廃止された。
盲学校及聾唖学校令(大正12年勅令第375号)
第一条 盲学校ハ盲人ニ、聾唖学校ハ聾唖者ニ普通教育ヲ施シ其ノ生活ニ須要ナル特殊ノ智識技能ヲ授クルヲ以テ目的トシ特ニ国民道徳ノ涵養ニ力ムヘキモノトス
第二条 北海道及府県ニ於テハ盲学校及聾唖学校ヲ設置スヘシ
第三条 前条ノ盲学校及聾唖学校ノ経費ハ北海道地方費又ハ府県ノ負担トス
第四条 市町村、市町村学校組合及町村学校組合ハ盲学校及聾唖学校ヲ設置スルコトヲ得
第五条 私人ハ本令ニ依リ盲学校及聾唖学校ヲ設置スルコトヲ得
第六条 公立又ハ私立ノ盲学校及聾唖学校ノ設置廃止ハ文部大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第七条 盲学校及聾唖学校ニ初等部及中等部ヲ置ク但シ土地ノ情況ニ依リ必要アル場合ニ於テハ初等部又ハ中等部ノミヲ置クコトヲ得
2 盲学校及聾唖学校ニ予科、研究科及別科ヲ置クコトヲ得
第八条 官立ノ盲学校及聾唖学校ノ
修業年限、入学資格、学科、学科目及其ノ程度並予科、研究科及別科ニ関スル規程ハ文部大臣之ヲ定ム
2 公立又ハ私立ノ盲学校及聾唖学校ノ設置廃止、修業年限、入学資格、学科、学科目及其ノ程度、予科、研究科、別科、教員資格、編制並設備ニ関スル規程ハ文部大臣之ヲ定ム
第九条 公立又ハ私立ノ盲学校及聾唖学校ノ
教科書ハ学校長ニ於テ地方長官ノ認可ヲ経テ之ヲ定ム
第十条 公立ノ盲学校及聾唖学校ノ初等部及其ノ予科ニ在リテハ授業料入学料等ヲ徴収スルコトヲ得ス
2 前項ニ規定スル場合ヲ除クノ外盲学校及聾唖学校ニ於テ授業料入学料等ヲ徴収セムトスルトキハ
公立学校ニ在リテハ地方長官ニ於テ、
私立学校ニ在リテハ設立者ニ於テ文部大臣ノ認可ヲ経テ其ノ額ヲ定ムヘシ
附 則
1 本令ハ大正十三年四月一日ヨリ施行ス
2 北海道及府県ニ於テ特別ノ事情アルトキハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ当分ノ内道府県立以外ノ公立又ハ私立ノ盲学校又ハ聾唖学校ヲ以テ第二条ノ盲学校又ハ聾唖学校ニ代用スルコトヲ得
3 前項ニ規定スル代用ヲ為スコト能ハサルトキハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ本令施行後七年以内第二条ノ盲学校又ハ聾唖学校ノ設置ヲ延期スルコトヲ得
4 当分ノ内盲学校ノ学科ト聾唖学校ノ学科トヲ併置スル学校ヲ設クルコトヲ得
5 前項ノ学校ハ之ヲ盲学校及聾唖学校ト看做ス
最終更新:2007年09月26日 15:57