直観教授


 近代教授学の父と呼ばれるチェコの教育改革者かつ宗教改革者であるコメニウス(1592~1670)による教授法。
コメニウスは「認識とは常に直感から始まるため、あらゆるものをできるだけ多くの感覚に訴えて指導せよ」と考えたことから、『直観教授』と呼ばれるようになった。その結果、視覚的なものと言語的なものとの統一という認識論に基づいて『世界図絵(会)』が世界初の絵入りの教科書として登場した。

 また、ペスタロッチも直観教授の方法を提唱したひとりである。彼は『ゲルトルート児童教育法』(1801)のなかで、教育の目的を、子どもを精神的、道徳的、身体的に調和のとれた発達をするように援助するというところに置いている。その後、この理論はペスタロッチ運動として19世紀~20世紀に大きな影響を及ぼした。

 経験したことを言語化することこそ真の学習という。直観教授により、いかに感覚器官に訴えかけたものを理性の教育へ働きかけることができる導入をするかということも教師にとって重要な点であると言える。

めぐみ



最終更新:2007年09月24日 21:15