この改革案は、4つの柱からなっていて、その多くが実際に行なわれるようになっている。

1 義務教育の弾力化
 この中に、到達目標の明確化と、制度の弾力化が含まれる。これは、教育基本法学校教育法に、義務教育およびそれぞれの学校段階における到達目標が、法的に明示されたことで実現している。しかし、それが現代社会において、本当に適切なことであるかは、検討課題になるだろう。それは「現代社会」そのものの把握とも関わっている。
 また、制度の弾力化によって、小中一貫や中高一貫の学校が出現しているが、教員養成課程における一貫教育を前提とする教育はなされておらず、また、学校によって区切りが異なることなど、現場では混乱も見られる。今後、多様な学校形態が実現していくとすると、学校選択との関わりも生じてくるだろう。

2 教員養成の大幅改革
 教職大学院と免許更新制度がこの内容であるが、制度的には双方とも実現し、実際に行なわれている。しかし、免許更新制度は、教員には大きな不満や不安をあたえており、制度としても十分整備されたものにはなっていない。管理職や優秀教員は講習を免除されているが、管理職こそ講習が必要であると考えさせられる場面も少なくない。(大津のいじめ自殺事件における管理職の対応)また、教職大学院は、効果的に教育が行なわれるほど、応募者が集まらず、その目的が実現しているとはいいがたい。現場における大学院修了者の活用の仕方が十分ではなく、また、他の案として、教職の基準を大学院に引き上げるという案も考えられており、その場合、教職大学院との関係が問題となる。

3 学校・教育委員会の改革
 学校評議会・が運営協議会の全国化、学校評価・教員評価の徹底、人事の地方・校長の権限強化、教育委員会の見直しが柱であるが、これらはいずれも行政的に実行されているが、大きな問題を孕んでいるといえる。

4 国による義務教育保障機能の明確化
 これは、題とは異なり、地方の権限・自由度を高めるという内容である。(わ)

最終更新:2013年03月06日 22:17