学校教育法第7条

第七条  学校には、校長及び相当数の教員を置かなければならない。

 学校には校長と教員が必要である。あまりにも当たり前のことかも知れません。ただ、校長になる資格や教師になる資格は国によっても、また日本の歴史でも変化しています。欧米では、校長の資格は教師の資格と異なっていて、最初から校長になる人が多いのですが、日本では教師を数年間勤めることが校長になる条件どなっているのが、特徴です。しかし、近年法令の改正によって、民間企業からいきなり校長になる人がでて、成功したり、失敗したり、いろいろと話題となっています。

 校長は何をするのか。法令は次のように規定しています。

学校教育法28条
○3  校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。

 より詳細には施行規則で決まっているのですが、それは別のところで説明します。

 では校長になるには、どのような資格が日本では必要なのでしょうか。

 以下は学校教育法施行規則の規定です。

    第二節 校長及び教頭の資格
第八条  校長(学長及び高等専門学校の校長を除く。)の資格は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
一  教育職員免許法 (昭和二十四年法律第百四十七号)による教諭の専修免許状又は一種免許状(高等学校及び中等教育学校の校長にあつては、専修免許状)を有し、かつ、次に掲げる職(以下「教育に関する職」という。)に五年以上あつたこと
イ 学校教育法第一条 に規定する学校及び同法第八十二条の二 に規定する専修学校の校長の職
ロ 学校教育法第一条 に規定する学校の教授、助教授、教頭、教諭、助教諭養護教諭養護助教諭栄養教諭、講師(常時勤務の者に限る。)及び同法第八十二条の二 に規定する専修学校の教員(以下本条中「教員」という。)の職
ハ 学校教育法第一条 に規定する学校の事務職員(単純な労務に雇用される者を除く。本条中以下同じ。)、実習助手寄宿舎指導員及び学校栄養職員(学校給食法 (昭和二十九年法律第百六十号)第五条の三 に規定する職員のうち栄養教諭以外の者をいい、同法第五条の二 に規定する施設の当該職員を含む。)の職
ニ 学校教育法第九十四条 の規定により廃止された従前の法令の規定による学校及び旧教員養成諸学校官制(昭和二十一年勅令第二百八号)第一条 の規定による教員養成諸学校の長の職
ホ ニに掲げる学校及び教員養成諸学校における教員及び事務職員に相当する者の職
ヘ 海外に在留する邦人の子女のための在外教育施設(以下「在外教育施設」という。)で、文部科学大臣小学校、中学校又は高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定したものにおけるイからハまでに掲げる者に準ずるものの職
ト ヘに規定する職のほか、外国の学校におけるイからハまでに掲げる者に準ずるものの職
チ 少年院法 (昭和二十三年法律第百六十九号)による少年院又は児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)による児童自立支援施設(児童福祉法 等の一部を改正する法律(平成九年法律第七十四号)附則第七条第一項 の規定により証明書を発行することができるもので、同条第二項 の規定によりその例によることとされた同法 による改正前の児童福祉法第四十八条第四項 ただし書の規定による指定を受けたものを除く。)において教育を担当する者の職
リ イからチまでに掲げるもののほか、国又は地方公共団体において教育事務又は教育を担当する国家公務員又は地方公務員(単純な労務に雇用される者を除く。)の職
ヌ 外国の官公庁におけるリに準ずる者の職
二  教育に関する職に十年以上あつたこと

第九条  私立学校の設置者は、前条の規定により難い特別の事情のあるときは、五年以上教育に関する職又は教育、学術に関する業務に従事し、かつ、教育に関し高い識見を有する者を校長として採用することができる。

第九条の二  国立若しくは公立の学校の校長の任命権者又は私立学校の設置者は、学校の運営上特に必要がある場合には、前二条に規定するもののほか、第八条各号に掲げる資格を有する者と同等の資質を有すると認める者を校長として任命し又は採用することができる。

第十条  前三条の規定は、教頭の資格について準用する。

 つまり、いろいろな教育施設に数年間以上勤めたことが条件となっているのですが、9条の二項が追加されたことで、「同等の資質」を有すると認める場合には、8条の資格要件が欠けていてもいいということにしたのです。
 日本の校長については様々な議論があります。端的にいうと、りっぱな校長もたくさんいるのですが、まったく頼りにならない、ことなかれ主義の校長もたくさんいます。どうしてそうなってしまうのか、ひとつは制度的理由もありますが、その制度をつくった政府もうまくいかないと思っているのは、「例外」を定めてしまったことによって明確にわかります。

 その点について、自分で考えてみましょう。
最終更新:2007年03月12日 22:00